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北海道・東北エリア

羅臼 4月  国後島から上る朝日

寒流系の海って、魅力を感じる人は少ないかもしれない。冷たくて濁ってて、色彩に乏しい、生命が少ない世界のように思われているからでしょうか。
伊豆や沖縄で潜りつづけてきて、初めてこの領域に踏み込んだ時の印象は、まさに「異次元の世界」。水は確かに冷たい。透視度も良くはない。そして生物は、 今まで潜ってきた暖流系の海とは全く違っていました。
それを面白いと感じるかどうか人それぞれですが、とにかく一風変わった世界です。

さらに日本海。こっちもいろいろ誤解されていると思いますが、概して水温は太平洋より高く、透明度も良い。同じ北の海でも、こんなに違うのかと驚かされま す。


羅臼 3月 沿岸に押し寄せた流氷の一部


羅臼 3月 海面を小さな流氷が流れていく


羅臼 3月 水面に薄い氷が大量に現れる




北海道 羅臼

(左、右とも)羅臼 ローソク岩


羅臼  冬のローソク岩


【羅臼 概要】
ほぼ間違いなく、日本最東端のダイビングポイント。周りは知床半島の大自然。これだけでもめちゃめちゃ面白そうではないですか。
実際、南の島と違って四季の違いが恐ろしく特徴的なこの地方、できれば年間を通じで訪れてみたいポイントです。実際にはスケジュールや予算の関係で実現し てはいないんですが。

ちなみに羅臼は、日本有数の「大物」ポイントだと思います。まずクジラの通り道であり、ビーチに座って海を見ているだけでもホエールウォッチング?できた りする。また、このポイントで撮影された「ニュウドウイカ」の写真。電信柱みたい。唖然とするデカさです。頭(本当は胴体)だけで1メートルはありそうな ミズダコもいます。冬場はアザラシやトドに会えることがあり、トドはでかいと3メートルほどになるとか。秋になると、遡上を控えたカラフトマスやサケが群 れで沿岸に押し寄せ、個体の大きさは80センチくらいあるそうです。
また、ナイトダイビング中に1メートル近いゴカイが大量に泳いでいるのが目撃されたらしいです。


(左、右とも)羅臼 3月

羅臼でも流氷ダイビングはできますが、基本的に流れている流氷(ドリフトアイス)です。
完全に結氷すると潜ることはできず、またうねりがあってもできません。
結構条件が厳しいのですが、当たると非常に美しい風景を見ることができるでしょう。
まだ大当たりの経験はありませんが。

流氷
4月 融けかけの流氷


3月 海中の流氷の欠片


9月 繁茂するコンブ


【ダイビングについて】
私が潜ったのはビーチのみだけど、ボートのポイントもあるようです。
ちなみに私が羅臼に初めて行ったのはGWでしたが、水温はジャスト0度でした。なんでこんな冷たい海にこんな大量の生物がひしめくようにして生きているの? なんて不思議になるほどにぎやかな水中です。
参考(つーか、反面教師か?)までに私の装備は以下のとおり。綿の服は本当は良くないみたいです。化繊がよいとか。

3ミリネオプレーンドライスーツ
   普通の肌着
   綿のTシャツ
   普通のドライスーツインナー上下
   綿のトレーナー
   上フリース
   下トレーニングウエア
   (現在は、トレーナーとフリースは止めて、上下コンフォートエアーです)
   綿の靴下+登山用極厚靴下(2枚重ね)

5ミリアイスフード
5ミリ三本指グローブ

ウエイト 13Kg (ベスト6kg  腰 6kg アンクル 1kg)
水温が氷点下だと16Kg (ベスト5kg BC4kg 腰6kg アンクル1kg)
タンクはスチール10リットル

ウエイトはもっと重くして、水中で空気をいっぱい入れると寒くないようです。上記装備でもそれなりに耐えられましたが。ちなみにホカロンなどのオプション は使ってません。
正しい装備や情報は、「知床ダイビング企画」の サイトが参考になると思います。
http://www.aurens.or.jp/%7Esdiving/

【トラブル】
初日の夜に発熱しました(^^; もともと疲れがたまってたようです。もちろん翌朝にはすっきり。
自前のレギ(NDS)は水深25メートルで「ぽこぽこぽこ」って感じで突然のフリーフロー。浅いところなら平気だったのですが、ローソク岩ポイントは全般 に深いので、これでは不安だからとレンタルに切り替え。
また、デジカメのハウジングは極端に冷やされたせいか、いくつかのボタンが押した後戻ってこなくなりました。また、バッテリーは5分くらいで警告状態にな り、ストロボは途中から謎の発光不良に陥りました。(いつのまにか直ってた)
さらに、気を抜くとハウジングの結露がすごい。いや気を抜かなきゃいいんですが。

【お楽しみ】
観光地なので、まあ他に見るものはいくらでもあります。温泉もいろいろありますが、なんかこれほんとに使えるの(^^; みたいな施設も多かった。
羅臼といえば羅臼昆布が有名。あちこちで売ってます。「道の駅」ではサケやカニなどの北海道定番アイテムが格安で並んでたりします。
あと、峠を越えてウトロまで行くと、温泉や民芸品の店とかたくさんあります。


北海道 積丹半島

積丹半島 5月

【積丹半島 概要】
札幌から車で2時間程度の場所にあり、北海道の人にとってはとても身近なポイント。それだけに混雑することもあり、とあるポイントでは一つの根の回りに 100人くらいのダイバーが入ってたこともあるとか。
しかし日本海だけあって夏から冬にかけての透明度はすばらしく、生物も北方系ばかりでなく回遊魚が多く見られるようです。マグロも見られるとか。あと特筆 すべきなのがトド。冬場に回遊してくるトドの休み場所や通路が調査されていて、ダイビング中にトドを見ることができるポイントがあります。

雪解けの海
5月 雪解け水で緑色の海

【ダイビングについて】
冬場のもっとも水温が低くなる時期でも3度だそうです。まあアイス用の装備があれば余裕でしょう。問題は上がってからで、羅臼のようにビーチから暖房の効 いた建物まですたこらと歩いていける場所とは違って、ボートポイントです。
水温3度、気温マイナス15度というのはかなり厳しいようで、エキジットしてから港に戻って建物の中に入るまで、マスクやグローブの類は一切外せないと か。水滴の類は片っ端から凍ってしまうため、空気に肌をさらすと凍傷になってしまいます。
ちなみに夏場は水温25度くらいになり、透明度もべらぼうに良くて、伊豆よりも快適に潜れるみたいですよ。
積丹半島の情報はあちこちにありますが、とりあえず以下を参照。
http://www.aquacat.co.jp/

【お楽しみ】
大都市近郊の観光地だけあってちょっと足を伸ばすだけでいろいろ充実してます。日本海に沈む夕日が見られる温泉もあり、私も堪能させていただきました。神 威岬などのビューポイントもたくさんあります。


北海道 臼尻


東日本大震災後、函館近郊にオープンした新しいポイントです。



遠浅で明るく、気持ちのよいポイントですが、外洋の影響を受けやすく、荒れがちです。
でも数少ない北海道のポイントとしてこれからも期待大です。



宮城 女川


東日本大震災後、いろいろあって潜れることになったポイントです。
かつての石浜とは異なり、全てボートポイント。
しかしここもこれからの場所だと思います。



ポイントの一つ、弁天島。
島の上に弁天様の祠があります。
全体的に浅いけれども、震災後初のクチバシカジカ抱卵が見つかった場所で、生物は豊富です。



帰りのボートから見た竹浦港。
住宅の高所移動が進んでいます。


※以下は東日本大震災以前の情報ですが、記録の意味や個人的な思いもあってそのまま掲載し続けます。



(左) 1月  南西方向 雪見ダイビング
(右) 8月  海から北東方向 時化の後の緑色をした海


8月 東北東方向、三陸のリアス式海岸が見える


1月 透明度悪いときはこんな感じ。伸びるアカモク


7月 磯焼け対策で見事に成長したワカメ。根元にメカブもあります。


7月 同じく巨大になった昆布。出荷できるようなものではないので、切り落としてウニの餌にするのだとか。


【女川 概要】
青森、岩手、宮城と続く三陸海岸のほぼ最南端に位置するのが女川です。ちなみに「おながわ」と読みます。
最南端なのですが、おそらくここが本州でもっとも水温が低い。その秘密は、日本海を北上する対馬海流と、津軽海峡を通って太平洋側に抜けてくる分枝流にあ ります。日本海の暖かい海水が、青森から宮城の志津川近海まで届くため、三陸海岸は北に行くほど水温も透明度も上がるという状態になるわけです。
女川は、そんな三陸海岸の南端。ここまでは対馬海流の分枝流も届かず、その代わり冷たく濁って栄養価の高い親潮の影響が強くなります。
そんな女川で唯一のダイビングポイントが、石浜です。
そういうわけで石浜には、暖流系と寒流系の生き物が入り混じって現れます。水は冷たくプランクトンが多くて透明度は低い。しかしこの水のおかげで、三陸特 産のカキやホヤがすくすく育つようです。これらは産業上重要な種類なのですぐに着目されますが、実はそれ以外にも、あまり気にされていないプランクトン食 性の生物がたくさんいます。またそれらの生物を餌食にする生物もまた多く、結果としてものすごく生物種の豊富な海になっています。

【ダイビングについて】
石浜のダイビングは基本的にビーチのみ。見たいものによっては結構泳ぐ羽目になります。
最近メディアに取り上げられることも多くなってきてますが、まあ大体評価は一致していて、要するにマクロ天国です。
マニア受けする生き物がたくさんいます。エビ、カニ、ウミウシ、ダンゴウオ、クサウオ、カジカ系がいっぱい。
ウミウシの量や種類がすごい。好きな人はぜひ一度行ってみるべき。
魚の抱卵もよく観察できる。クチバシカジカ、ダンゴウオ、アイナメ、クジメ、ギスカジカ、フサギンポ、マダコ、スナダコなどの抱卵を見ることができます。 ナイトダイビング中に、ジンドウイカの交尾&産卵シーンも見たこともあります。

石浜の水温は、2月に6度くらいまで下がり、9月でもせいぜい20度前後。
またまた参考?までに、水温が6度くらいになる極寒期の私の装備。

3ミリネオプレーンドライスーツ
   綿のTシャツ
   普通のドライスーツインナー上下
   上フリース(最近はコンフォートエアー。暖かいです)
   登山用極厚靴下

5ミリアイスフード(普通の3ミリフードでも可)
5ミリ三本指グローブ(普通のウインターグローブでも可)

ウエイト 11Kg (BC 4Kg  腰 6Kg アンクル 1Kg)
タンクはスチール10リットル

ちなみに、 5ミリアイスフードや3本指グローブは、水温が高いときに練習しておくことを強くお勧めします。
特にアイスフードは、レギュリカバリーの復習をしといた方がいいです。なんせ口元がゴムに切れ目入ってるだけなので、外れると元通りに突っ込むのが一苦 労。さらに冷たいわ息は苦しくなるわで一つ間違うとパニックになります。
でも、今はもうちょっと楽に使用できるモデルが売られてるのかも。
ちなみに地元の方々やガイドさんは水温6度でも普通の3ミリウインターグローブと3ミリフードです。北海道と違ってそれでもいけそうな感じではあります が、慣れてないと頭痛必至かも。
なんせ潜水時間は大体1時間前後です。エアのもつ人はもっと入っています。しかも被写体が小さくて動かないので、ダイバーも動きません。装備が甘いと寒さ が身にしみることになります。
石浜の情報は「バックロール」のサイトが参考 になります。
http://homepage3.nifty.com/backroll/

【お楽しみ】
マリンパル女川(http://www.marinepal.com/) という施設があり、新鮮な魚介類が購入できます。変わった魚介類も売ってるので見てて飽きません。オニカジカとか売られてたのを見たことがあります。私は 魚介類好きなので、ここに長時間いるとあれこれ買い込んで大変なことになるのであまり近づかないようにしています。でもしょっちゅう行ってるけど。また、 大きな水槽が二つあり、珊瑚礁の魚と三陸の魚が比較できるようになっています。この水槽の顔ぶれが突込みどころ満載。おまえは三陸の魚じゃないだろ、みた いなのが入ってます。
あと、「ほやチンコ」。……ちょっとまて、いいのかそんな名前で。しかも堂々とホームページに載ってるし。ううむおそるべしマリンパル女川。
石巻市内にもお楽しみはいろいろあるようです。でもあんまり行ったこと無いのでわからない。本籍地のくせに(^^;
ああそういえば、お土産には「萩の月」がいっすよ。(仙台銘菓のような気もするが、まあ細かいことは気にしない)

おまけで、2007年1月に爆弾低気圧が来てたときの石浜の状態です。
風は西風なので沖出しになるのですが、それでもこの有様
さらに防波堤の西側。風向き的にはまあ荒れるでしょうが、でもこっちって湾内です よ?



宮城 志津川

※以下は東日本大震災以前の情報ですが、記録の意味や個人的な思いもあってそのまま掲載し続けます。


ポイントに向かうボートからの風景。 左端の島が椿島。

【志津川 概要】
2005年からオープンした新しいポイントです。位置的には女川よりちょっと北になります。
志津川湾は南三陸のリアス式海岸の一つの湾です。ダイビングをするのはその志津川湾内に浮かぶ椿島と呼ばれる島の周辺になります。
志津川湾の最大の特徴は湾全体の浅さにあります。
海底図などを見ると、椿島からは相当沖まで行かないと、水深30メートルにも達しないことが分かります。
ちょっと沖に出ればすぐに深くなる伊豆とかに慣れたダイバーにとっては、まさに異色のダイビングポイントです。
この浅さのお陰か、志津川湾は海藻の宝庫と呼ばれているとか。海藻が多いということはその他の生物も多いということです。実際、珍奇な生物の宝庫でもある とか。
ガイドさんの話によれば、志津川湾は同じような環境が広い面積に分布しているため、生物の住み分けが進んでおり、見たい生物をピンポイントでガイドするの に適した環境になっているようです。

ただ、オープンしたばかりなので、変わった生物達が見つかり始めるのはこれからかも。


海藻が茂り、浮遊物が漂う海中


海草の量や種類は非常に豊富。

【ダイビングについて】
志津川のダイビングポイントは、椿島周辺に3箇所、あとはビーチポイントもあるそうです。
水深は大体10メートル前後。透明度も7〜12メートルくらい?
水温は石浜と同じです。
志津川についての詳しい情報は、「グラントスカルピン」まで。


年に1度だけ咲く、アマモの花

【お楽しみ】
志津川町自体はそれなりに開けた場所です。コンビニも病院も郵便局もあります。

山形 飛島

ダイビングのメインの場所となる、御積島近辺。


(左) 港からの風景
(右)エメラルド色っぽい海中。チャガラだらけ。

【飛島 概要】
飛島とは、山形県酒田市の沖合い40キロ、日本海に浮かぶ有人島です。山形県の人は知っているがそれ以外の人にはそんなに有名ではない島です。
もちろんダイビングポイントとしても、全国的には全然名が知られていません。
倉沢栄一さんの写真集に、ドチザメが大量に集まっている写真がありますが、その撮影地です。
他の山形のダイビングポイント(由良、四つ島など)は雑誌で紹介されたことがあったような気がしますが、飛島も紹介されたのかどうかは憶えてません。
かように飛島はマイナーです。東北のダイバーは結構知ってるが、他の地域の人には限りなくマイナーでしょう。
なんせ遠い。まず酒田が遠い。私の自宅(東京都多摩地区)からだと車だと10時間近くかかります。さらに酒田から船に乗っての移動も遠い。私が利用した サービスだと、普通の和船に乗って、ごんごんと揺られること1時間半、ようやく到着します。
そんな距離も時間も船酔いも乗り越えた者だけが、この不思議な空間にダイブすることを許されます。
クレバスとアーチとドロップオフ、巨大な岩が折り重なった豪快な地形が、日本海独特の透明感に満ちた海中に広がっています。(水は悪いときもあるそうです が)

【ダイビングについて】
飛島はすべてボートダイビングでした。海底の地形が豪快すぎるからか、アンカリングはせずにドリフトスタイルでした。
休憩も船上でとるため、港を出たらずっと船に乗りっぱなし。この船も、なんだが巨大な電球がたくさん付いてる普通の漁船(イカ釣り用?)。エキジットの時 も、船から下ろされるのははしごではなく脚立。脚立が船べりから下ろされ、それを登ってエキジットします。
また、タンクがすごい。材質(スチール、アルミ)も大きさも全部ばらばら。しかも早い者勝ち。ヘンなタンクを取ってしまうと、ウエイト調整が面倒なことに なります。

飛島は日本海沖合いに位置するため、対馬海流の影響を受けて水は温かい。8月で26度くらいありました。本州をはさんでちょうど反対側の石浜は18度しか なかったというのに。
なので、装備はだいたい伊豆あたりで夏場使うもので十分。5ミリワンピースのウエットで全然OK。快適です。
あとはとにかく浮遊感を堪能するのが、ここの楽しみ方のように思えます。中性浮力をとって泳いでいると、人懐こいイシダイが追いかけてきたりします。
また、ここは外洋のポイントだけあって、回遊魚に当たることもあるらしい。マグロの群れが出たこともあるようです。
回遊魚ポイントに行けば、イナダなど普通に見られます。

ここの情報は、マリンサービス山形のサイ トなどに詳しいです。
http://www.ic-net.or.jp/home/hs-mari1/


山形 四ツ島


山形県の鶴岡市にある、沖合の岩礁を潜るポイントです。
割と古くからあるポイントで地形の変化や生物相の豊かさから言っても、日本海の名ポイントであります。



島のどちらを見ても、日本海の波に現れる荒磯の様相です。



でもEN/EXは、上の写真のように整備されているので楽ちんです。




新潟 佐渡島

10月 雲の向うに佐渡島が……見えない。

【佐渡島 概要】
新潟を東北の仲間に入れると怒られるらしいが、まあとりあえず許してください(^^;
日本海のダイビングといえばまず佐渡島でしょう。アクセスもいいし、ポイントも多い。酒もうまいし魚もうまい。
おまけにコブダイの弁慶君。

佐渡は私の初日本海体験をした海です。海上からはよくわからなかったのですが、エントリーしてすぐに、とんでもない透明度の世界が広がります。
この透明度のおかげで海藻がどんどん育つとか。しかし私の印象だと、海藻はそれほどでもありませんでした。
日本海に潜って思うのは、立派な型の根魚達。佐渡もキジハタやメバル、コブダイがやたらとでかい。あと、スズメダイやカワハギなどの小魚類の数の多さ。種 類ではない。個体数が多いのです。

【ダイビングについて】
佐渡は全てボートダイビングでした。紛れも無く漁船だったが、伊豆とかで乗る漁船よりちょっと大きく、船べりから海面まで結構高さがある。バックロールで 入るとちょっと怖い。
水温は高く、透明度はかなり良い。また、日本海全般に言えるが、冬場は季節風のせいで海が荒れ、ダイビングは困難です。

ここの情報は、佐渡ダイビングセンターのサイトあたりを参照すると よいでしょう。
http://www.sadodiving.com/

【お楽しみ】
新潟だけあって酒がうまい。ダイバーには危険。翌日やばいことになります。お土産に良し。
あと、ダイビングサービスからカニが大量に振舞われたのですが、美味いです。
食い物も大体美味いです。


番外その1 女川・塚浜

養殖のブイだらけの湾内

なぜ番外なのかと申しますと、ここは公開されたダイビングポイントではないからなのです。
たまたま縁あって潜れました。再び潜れるのかどうかは謎です。

塚浜とは宮城県女川町南部、牡鹿半島東岸にある、リアス式海岸の湾内にあります。基本的に湾内なので波や潮流は穏やかです。
そんなわけで養殖が盛んなのですが、その割に透明度が良いのです。



養殖が盛んになってくると、だんだん透明度が悪くなってくるような印象があるのですが、この塚浜の海はなぜかよく抜けています。
ちなみに中層の魚はほとんどいません。それでも時折回遊魚を目撃する人がいるようです。



しかし塚浜の楽しみは海だけでなく、海の幸だったりします。採れたてのホタテ美味いです。いやマジで。
機会があったら何度でも行きたい海です。

番外その2 仙台湾 大根岩礁

遠くに見える小島は日本三景・松島の端っこ

またまた番外です。つまり公開されたダイビングポイントではありません。縁あって海中調査に同行したために潜れたのです。
大根岩礁とは仙台湾にある隠れ根で、宮城県七ヶ浜町の花渕港沖7キロほどの位置にあります。

大根岩礁は大根明神とも呼ばれ、海底に鳥居の形をした岩があると言われています。大根明神祭という神事も行われており、アワビが奉納されています。(奉納 というか放流ですが。なので、ここの根にいるアワビは神様のものなので採ってはいけない)

また、この大根岩礁は、もともとは島であり、鼻節神社があったのが、貞観の大震災(西暦868年)で海中に没したという言い伝えもあります。

こんな伝説や言い伝えだらけの隠れ根ですが、確かにとても個性的なポイントです。



まず、牡鹿半島の東である女川や志津川といったポイントに比べて、はるかに暖流の影響が強いのです。
写真のようなソフトコーラルが多く、石浜ではあまり見ないカジメが生え、岩の隙間にはサラサエビ、さらにこの日はミナミハコフグの幼魚、ソラスズメ、チョ ウチョウウオなど、伊豆で見かける面子がぞろぞろと現れます。


左はケムシカジカ(ボッケ)、右はババガレイ(ナメタ)。

さらに特徴的なのは、ケムシカジカとババガレイです。
(宮城ではババガレイのことを「ナメタ」と呼びます。年末年始の頃は大変に美味なカレイ)
(ケムシカジカもボッケと呼ばれ、鍋や味噌汁にして大変に美味)
どちらもそんなに多くは見かけない魚なのですが、ここにはたくさんいます。
ケムシカジカにいたっては、「ボッケ祭り」なんてイベントが開けるほど捕れるようです。
何がしかの、これらの生物にとって都合のいい要因があるのでしょう。

オーバーハングや亀裂のやたらと多い地形も、生物たちに都合のよい条件とも言えるかも知れません。



ちなみにここは日本三景で有名な松島湾の一角でもあります。松島近辺は隆起や沈降が何度もあったような複雑な地形で、土地自体ももろい岩盤から構成されて います。大根に向かう船が出る花渕港自身も、上の写真のような光景が見られます。
こんな地形が、遠浅な海の中まで広がっているわけです。

滅多にいける場所ではありませんが、機会があればまた潜ってみたい、色々な意味で興味をそそられる海です。


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