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カサゴ目 SCORPAENIFORMES
ダンゴウオ科 CYCLOPTERIDAE
クサウオ科 LIPARIDAE
石浜 12月 ウニが気になる「ぐんずらぼう」ことクサウオ。
カサゴ目の中でも、とりわけ珍妙な形をした魚のグループです。
深海や低水温の北方に生息している種類も多く、困難な条件下で撮影したこともあります。まあそれはそれで楽しいんですけどね。
ヒラダンゴ Eumicrotremus
barbatus
(左、右とも)羅臼 4月
羅臼でも激レアなダンゴウオの一種。背びれに特徴があります。
(左、右とも)羅臼 4月
後ろ姿と正面顔も出しちゃいます。
だが、若干結露してしまったためごらんのようなソフトフォーカス。
おそらくもう一生出会うことはないのかと思うと悲しい(;_;)
ナメダンゴ Eumicrotremus
taranetzi
(左、右とも)羅臼 5月
まだ水の冷たい春の羅臼に潜ると、あちこちで見かけます。
ほとんど春の風物詩?
水温の上昇とともに深場に移動し、見かけなくなります。
羅臼 4月
大きさは1センチ程度?
結構よく泳ぎます。
羅臼 3月
何度も見ましたが、やっぱりナメダンゴのチビちゃんは本当によく泳ぎます。どこからこのパワーは来るのでしょうか。
しかしチビとは言っても、秋ごろに見る超チビよりは大きいので、一応1歳ではあるのでしょう。やんちゃざかりといった所なのでしょうか。
羅臼 4月
ちょっと深場にいた、異様に大きな個体です。ストロボを焚くとちょろちょろと泳ぎだすことが多いのですが、こいつは同じ位置に数日間止まっていたようで
す。
羅臼 5月
同様に、28m前後の深場にいた成魚です。
前日、この固体はちょろちょろと泳ぎ回っていたのですが、この日は同じ場所にとどまっていました。
羅臼 3月
ぼちぼち浅場に集まり始めた、ちょっと気の早い親ナメです。なかなか良いサイズ。
羅臼 4月
水温0度程度なのに、まあよく泳ぐ泳ぐ。ピントが合わせられません〜。
羅臼 4月
若干結露しているためぼやけているが、抱卵中。後ろに見える赤っぽいのが卵。
まるまるしてて可愛い魚です。
(左、右とも)羅臼 4月
2010年、久しぶりに写真の取れそうな状態の固体に会いました。卵どころか眼もわからないという状態ばかりでしたので‥。
卵たちはもう発眼しているようです。
羅臼 10月
アマモにぺったり。しかしこのあたりは腹を空かせたカレイがうじゃうじゃいる危険地帯です。
この子は無事に成魚になれるのでしょうか。
(左、右とも)羅臼 7月
初夏のナメダンゴです。しかしこうして見ると、GWごろから10月あたりまで殆ど変化が無いように見えます。
成魚はあんなにでかいのに。深場に移動してから太るのでしょうか。
(左、右とも)羅臼 7月
おなじ日に撮ったのですが、個体によってずいぶん成長に差があるように思えます。
幸運も生き残るための条件なんだってことかも知れません。
アクアマリンふくしま 4月
アクアマリンふくしまでは歌まで作られちゃってすっかり人気者ですが…ちょっとなんですかこの密度(笑)ありえない(笑)
でもお客さんには「かわい〜」とか言われてて好評そうでした。
(左、右とも)羅臼 9月
トド岩のオーバーハングの下にいた、白っぽい個体です。
沖の方にはいなかったのにこんな近くにいたなんて〜! と皆さん騒いでおりました。
羅臼 3月
白っぽい個体って結構多いみたい。
しかし3月でこの大きさで、9月も大して変わってないということは、かなり成長が遅い、つまり長生きする生物だってことでしょうか?
無印ダンゴウオは割りと短命だった気がするのですが。
羅臼 3月
砂地のど真ん中、忽然とあった小さな海草の隙間に潜んでいたコです。
なんでこんなところに? と思ったのですが、サイズもかなり小さいですし、深場に移動する途中なのではないかと思われます。
羅臼 4月
ときどき見かけるのですが、こんな紫がかった個体がいます。
パープルダンゴと勝手に呼んでますが。成体はこんな色になることもあるみたいです。
ダンゴウオ Eumicrotremus
awae
(左、右とも)石浜 9月
いつのまにやらダイバーの間で絶大な人気を誇っている魚。
正面顔はスライム。横から見ると、昔あったブリキでできた金魚のおもちゃみたい。
上の写真は9月ですが、実は9月はあまりダンゴウオ観察に適した季節ではありません。やっぱ冬から早春がベスト。
(全て)石浜 2月
そういうわけで(どういうわけだ)厳冬期のダンゴウオです。
あっちにもこっちにもって感じで、うじゃうじゃいます。しかも活発に泳ぎ回っています。油断するとカメラのハウジングに張り付かれます。(つるつるしてて
具合がいいらしい)
3月になると抱卵が始まって、彼らは石の下などに引っ込んでしまうため、この時期のにぎやかさが嘘のように、まるで見かけなくなります。
右下の個体はちょっと腹が大きいような気もします。
(左、右とも)石浜 1月
ダンゴウオといえば一時期、伊豆の八幡野で騒がれました。私も2回くらい見たことがあります。
2003年初頭ではIOPで騒がれてます。
しかし関東のダイバーだったら、もうちょっと足を伸ばしてみるつもりで、石浜に行ってみるという手があります。
確かに遠い、水は冷たい、建物無い、トイレ無い、シャワー無い、他にも無いものだったらたくさんあるというとんでもない場所ですが、ダンゴウオは安定して
観察できます。
(左、右とも) 川奈 5月
伊豆でしか見られないと言われている緑ダンゴです。
川奈はウミヒルモとか多いから、保護色で緑色になるのはわからなくもないです。
左の写真なんて、気を抜くとどれがダンゴウオかわからないくらい。
でも東北にもアマモとかあるんですが? なぜいないのでしょう。
川奈 5月
これも同じく緑ダンゴ。この子の近くには緑色の海草は無かったような気がするのですが。
川奈ビーチのかなり北側です。
(左、右とも)石浜 12月
ダンゴウオは撮る角度によっては笑っているように見えると聞いたことありますが、確かに色々な表情に見えます。
そもそも全身が顔みたいなものですから、工夫すれば色々な見せ方ができそうです。
しかしやつらは動くし、場合によっては海藻など不安定な場所にいるし、なかなか上手くは行きません。
(左)川奈 3月
(右)川奈 6月
2003年の3月、なぜか川奈で突然ダンゴウオが多数目撃されました。だけど上のような超ミニミニサイズ。2〜3ミリってとこでしょうか。
でも川奈ビーチには、ダンゴ見たさでたくさんのダイバーが集まっていたのでした。
私が行った時は残念ながら北東風が強くて海は荒れ気味。ダンゴの子らもすっかり散らされてしまったようです。
右の写真は同じ年の6月のもの。3ヵ月後でもう石浜の標準サイズ。 石浜よりも成長が早いような気がします。
川奈 4月
上の写真は2004年の4月。もうすっかり東伊豆の定番になってきました。一時期のブームはなんだったのやら。
八幡野 2月
さらに続けて伊豆。ブームの火付け役、八幡野のダンゴです。
私はそんなに何回もここで潜ったわけではありませんが、3回見てます。かなり確率高いです。
オーバーハングのある大き目のゴロタとか、赤い石灰藻とか、見つけやすいポイントがあるのが味噌なんでしょうか。
石浜 5月
2004年は水温が低くて、5月でもまだ抱卵が見られました。
ダンゴウオの卵は赤くて粒が大きくて、本当にまるでイクラ。
しかし穴の奥に入っているので、撮りにくいったらありゃしない。デジカメ用のテレコンとか無いと苦しいですね。
そういえばIOPでもダンゴウオの抱卵が観察されたとか。
志津川 4月
志津川で見つかったダンゴウオの抱卵シーンです。まだ受精してそんなに日が経っていないため、卵の中にはまだ何も見えません。
ちなみにこのダンゴウオは、フジツボの中で抱卵していたため、フジツボの殻が偶発的な事故で欠けてしまうという災難に遭っています。
おかげでこうやって卵を撮影できましたが。
ちなみに撮影の後、現地サービスの方々が、このダンゴウオのいるフジツボにフィルムケースを被せて修復しておりました。
無事にハッチアウトまでいけるとよいのですが。
(左、右とも)石浜 6月
初めて2倍テレコン持って潜った時に撮った写真です。本当に小さい赤ちゃんです。
でも天使の輪がちょっと消えかけてます。
しかしこのくらいの大きさのときは、結構尻尾が長いんですね。
ちなみに上の個体、ダンゴの赤ちゃん撮影に執念を燃やすKさんが上がり際に発見しました。
海藻やソフトコーラルの無い、つるんとした岩肌を探すのがポイントだとか。
(左、右とも)石浜 7月
今度は7月の子供ダンゴです。天使の輪は殆ど消えて、もうすっかりただの模様です。
でも大きさは6月のものと大差ありません。
青海島 5月
日本海のダンゴウオです。というか、ダンゴウオは日本海の方が広範囲に分布しているようです。
おそらく、青森から山口県までの本州全域にわたって観察できるはず。
兵庫県から島根県までの山陰地方には、結構高密度に生息しているとか。
でも抱卵が観察しやすいのはなぜか東北地方。これも不思議な話です。
ナメフウセンウオ Cyclopteropsis
lindbergi
(左)石浜 1月
(右)石浜 12月
ダイバーは石浜でしか見られないらしいですが例によって三陸海岸一帯に分布してるのかも。ダンゴウオに比べて可愛くないという評判ですが、まあ色はピンク
だし可愛いんでは?
いつも尾びれと背びれをたたんでいるのでまさに風船魚。
右の写真の個体は背びれを立てているので、なんかナメフウセンらしくないと評判だった奴です。
石浜 2月
砂地を這っているイトマキヒトデにぺったり。近くには、他にくっ付けるようなものは見当たりません。
なんでこんなところをうろちょろしてんのさ。まるで流氷の上に乗って流されてしまったキツネみたい。
(左、右とも)石浜 5月
ちょっと色合いが違う、黄色っぽい個体です。腹が膨らんでいるのは産卵前だから? それとも満腹?
ちなみに石浜には、こいつらの食料である動物プランクトンがそれはもう大量にいます。
(左、右とも)石浜 1月
色々がんばってもなかなか可愛くは撮れません。
ちなみにこのナメフウセンウオ、DNA的にはダンゴウオと全く同じなのだそうです。
外見はもちろん違うし、背びれを折りたたんだりする独特の癖もあるような気がするのですが、まったく同種なのだとか。
いわゆるシノニム? 不思議なこともあるものです。
ホテイウオ Aptocyclus
ventricosus
積丹半島 1月
北の海の人気者の一つ。愛嬌のある顔をしていますが、これでも子育てに必死なのです。
こいつも普段は深場で生活していて、産卵のために浅場に上がってきています。
後で出てきますが、あんな小さな稚魚がこんなでかい成魚になるまでどれほどの苦労や幸運があったのでしょうか。
積丹半島 1月
こうして尻尾を丸めて岩に張り付いていると、ダンゴウオの仲間っぽいですね。
(左、右とも)羅臼 3月
トド岩の向かって右側、ゴロタのカケアガリの途中で、石に貼りついていた個体です。
結構大きくて、100mmレンズだとご覧のありさまです。
こいつは抱卵していなかったので、メスなのかもしれません。
上の積丹で撮った個体に比べると、かなり痩せています。いろいろあって、痩せてしまったのかも知れません。
「いろいろあったのよ。いろいろね…」
羅臼 4月
あいたたた。痛そう。網にかかっちゃたんだから早く食べようよ、ゴッコ汁。
北陸でも食べるらしいですが、知床でも食べるとか。
でもあまり一般家庭では食べないらしく、網にかかってるのもそのまま捨てるようです。
というわけでこの写真のやつは成仏できたのでしょうか。
2008/2/23
先日、このゴッコ汁を東京で食することができました。
近所にあるスーパーのオザムで、なぜか突然ゴッコの切り身が売られていたのです。
パックで980円。「高けぇ…」と思いながらも好奇心に負けて購入。
粘液が多いから湯通しして…という予備知識はあったので、とりあえず霜降りみたいに熱湯ぶっかければいいかな、と思いぶっかけてみたのですが、粘液が黒い
固まりみたいに縮こまっただけだったので、やっぱり熱湯にくぐらせて、水洗いして粘液を落としました。
するとぷりぷりした美味しそうなゼラチン質の切り身に変身。
市販の寄せ鍋のつゆで、白菜、エノキ、ネギと一緒に煮込みます。
んまい。予想以上にんまい。淡白な白身とぷりぷりのゼラチン質の皮、それから大量の卵。全部美味かった。
しかし北海道でも、これを食べる地方ってそんなに多くは無いみたいですね。もったいない。
羅臼 4月
そうそう。網になんか近寄らないでとっとと逃げるのが吉です。
羅臼 3月
ナイトダイビング中に出会った個体ですが、急にライトに照らされたせいか、ちょっとパニックになってました。
この夜は沿岸がオキアミだらけだったので、忙しかったのはわからなくもないですが。
(左、右とも)積丹半島 5月
ホテイウオの幼魚はカラーバリエーションが豊富で、ダンゴウオの新種かと思ってしまいそう。
しかしうねりのなかでこいつらを撮影するのはかなりきついです。
(左、右とも)羅臼 7月
積丹半島に遅れること1.5ヶ月、知床半島にもホテイウオの幼魚の季節がやってきます。
相変わらずバリエーションは豊富です。
(左、右とも)羅臼 7月
6月頃は、本当に海藻を裏返せば必ず見つかるほどにホテイウオ幼魚だらけなのだとか。
羅臼 7月
この写真を撮ったのは7月で、もう殆どのホテイウオは深場に去ったあとのようです。
しかしこの時期、まだまだ海藻の裏にはミジンコのような小さな甲殻類がいっぱいで、ホテイウオ達は食料に事欠かないように思えました。
アバチャン Crystallichthys
matsushimae
(左、右とも)羅臼 2月
なんだか愛嬌のある名前です。
はっきり言って深海魚なのですが、どういうわけか厳寒の羅臼では夜になると結構浅場まで上がってくるようです。
(上の個体を撮影したのは水深24m付近。2007/2/11 19:20頃)
とは言っても、現時点(2007年2月)では、ダイビング中の観察対象としては超絶レアもの生物であることは間違いありません。
半透明の身体がライトに透け、大きなヒレを優雅になびかせて泳ぐ姿がとても美しい。
ちょっと大き目の画像はこ
ちら。
(左、右とも)羅臼 5月
2007年2月以降、羅臼はアバチャン天国になってしまいました。全然レアではありません。5月時点でも、行けば大概見れます。
何時まで見れるかはわかりませんが。
ちなみに羅臼のアバチャンはナショナル・ジオグラフィックス誌の2007年6月号でちょろっと紹介されてました。
羅臼 12月
尻尾巻きすぎ。寝てるのでしょうか?
2007年の冬から現れたアバチャンですが、夏には姿を消していました。
しかし冬になってまた戻ってきたようです。2008年にはどれくらい目撃されるのでしょうか?
こんな深海魚がほいほい現れるのは何かの異変の予兆かもしれない、何てことも思うのですが、とりあえず可愛いってことで。
(左、右とも)アクアマリンふくしま 4月
羅臼で網にかかってしまって、水族館行きになったアバチャン達です。
尻尾を巻いている例のポーズは取らないで、どちらかというと右の写真のように何かにくっ付いているポーズが多かったです。
結構人気者でした。
体が柔らかいので、網にかかると無残な状態になってしまうことが多いので、こんな風に水族館に展示されるのは結構珍しいはず。
羅臼 3月
2010年春のアバチャンです。こんだけ毎年現れるってことは、ずっと前から現れてたってことでしょうか?
ちなみにこいつがいたのは、岬のドロップオフ下の、水深35m付近です。
他にももう一個体いました。
羅臼 4月
一つ上の写真と同じ場所で、1ヵ月後に撮ったものです。
同じ個体かな? と思ったのですが模様がだいぶ違いますね。それともこの模様ってかなり変化するもの?
ちなみに黒目がちょっとだけ見えます。
羅臼 4月
チビアバチャンです。2〜3センチ程度?
これも同じ場所で、同じ日に撮ったもの。
内臓と眼がハレーション起こしちゃってます(笑)
しかしアバチャンの成体は40センチになるようなので、他にたくさん見られるサイズの個体もしょせんはチビアバチャンです。
彼らアバチャンの若魚達は、何のために羅臼の海岸に集まってくるのでしょうか?
不思議です。
羅臼 4月
ドロップの棚の上にいた、ちょっと大き目の個体です。黒目がくっきり。
上の方が濁っているので、もう夜だと思ったのでしょうか。
ちなみに翌日にはもういませんでした。
(左、右とも)羅臼 5月
2012年の羅臼はアバチャン大当たりで、上の写真の個体の近く、右手の壁の途中に別な個体と、それから手前の方にもう1個体、さらに別なところにも1個体と大賑わい。
しかしこのアバチャン、成体は30センチくらいになるようなので、こんな風に写真に撮られている10センチ前後と思しき個体群は、まだ若魚ということになります。
彼らが3月〜5月に浅場に上がってくる理由は繁殖ではないのでしょうか? 単なる生活サイクル? 春はエビとかワレカラが多いし…?
やっぱり謎です。
ザラビクニン Careproctus
trachysoma
アクアマリンふくしま 4月
日本海やオホーツク海の深海に生息するビクニンの一種。
見た感じだと、常にホバリング状態で泳いでいて、どちらかというと遊泳性が高いように思われました。
すぐに岩や壁にくっ付くアバチャンとは対照的です。
水深180メートル以下に生息するらしいので、ダイビング中に見るのはちょっと難しいかも。
クサウオ Liparis
tanakai
(左、右とも)石浜 12月
石浜にはイサゴビクニンが現れるという話がありましたが、2004年の12月に現れたのはクサウオでした。
写真の個体は30センチくらいの中型個体です。三陸ではグンズラボウとかスイツキボッケとか言われています。
右の写真でちょっと写っていますが、腹鰭が吸盤みたいになっています。
なぜか11月〜12月初めになると、ほぼ毎年石浜に現れます。こんな風に定期的に現れるということは、繁殖などの目的があるものと思われますが、まだ繁殖
行動ははっきりとは観察されていないようです。
ちなみに子供の頃、こいつが釣り上げられたのを見たことがありますが、なんか妙なものが釣れたとか、ちょっとした騒ぎになっていたのを覚えています。
(左、右とも)青海島 1月
2012年の年明け、山口県の青海島ではクサウオの抱卵ラッシュが起きていました。
60センチほどもありそうな大型個体が何匹も海中を徘徊し、またメスをめぐってバトルし、また卵を守っていました。
近づくと、猛然と威嚇してきます。カメラに体当たりしてきます。
女川や志津川でもおそらく同様なことが行われているのでしょう。
ただ、今のところ青海島がもっとも容易に観察できるポイントと思われます。
青海島 1月
2012年があまりにもクサウオ当たり年だったので、2013年の年明けも青海島に行ってみたのですが、さすがに2年連続とはいきませんでした。
抱卵は見られませんでしたが、それでもダイバーの前にちょっとだけ姿を現してはくれました。
きっとどこか見えないところで抱卵しているのでしょう。
エゾクサウオ Liparis
agassizii
羅臼 10月
羅臼昆布の裏側にぺったり貼り付いてました。10センチくらいの個体でしたが、もっとでかくなるとか。
水中では可愛い魚ですが、水揚げされるとちょっとグロくなってしまいます。
ビクニン Liparis tessellatus
(左、右とも)羅臼 3月
3月の非常に水温が低い時期(-2℃くらい)の深場で見かけました。
周囲にはアバチャンの幼魚がやたらと多く、他にも見慣れないクサウオ系の魚がいたのですが、こいつはちょっと目つきが違ってて目立っていました。
(黒目がまん丸)
羅臼ではあまり見かけない種類でしたが、富山ではよく見かけるようです。
ホシビクニン Liparis punctulatus
志津川 11月
寒流系にの海に出没するビクニン系の生物の中では、比較的レアで正体がわからないものです。
上の写真は、なぜかホヤの上に乗っかっていたものです。
石浜 9月
こいつも石浜の超アイドルの一つです。
石浜というところは、大型のフジツボがたくさんおりまして、必然的にフジツボの殻がたくさん存在することになります。その殻は、小型生物の雑居マンション
といった感じになっています。他にも穿孔貝類が空けた穴もたくさんありまして、こちらも小さな生物の住居にちょうどいい。
ホシビクニンもそんな生き物達の仲間の一つです。
他にどんな方が住んでいるのかといえば、例えばこんな方々です。
全部石浜。上段左はよくわからないホヤ、上段右は謎のイソギンチャク、下段左はコシオリエビ?
下段右はダイダイウミウシ。
みなさん穴にはまってます。ゲゲゲの鬼太郎にこんな感じの多種族アパートが出てきたような気がします。
コクチクサウオ Liparis
miostomus
志津川 10月
コクチクサウオか、もしくはクサウオの幼魚かもしれない、という個体です。
見分けるポイントは顔だそうです。ビクニンだと、目の位置が顔の側面側に寄っているのだとか。
羅臼 2月
ナイトダイビング中、海藻の裏にぺったりと着いていた個体です。
一緒に潜った方々の多くは、何だかよくわからんとのことでしたが、背びれの特徴が似ているという意見もあり、コクチクサウオにしました。
言われてみれば特徴的ですが、この模様は…? 色彩変異でしょうか。
志津川 7月
志津川で見た個体ですが、目の位置が確かにちょっと広がっているような気がします。
しかしみんなこんな色なんですね。
羅臼 5月
岩穴の中に隠れている謎のクサウオとメバルの幼魚。変な組み合わせです。
ちなみにこのクサウオは、鼻の穴? の数からスナビクニンではないということでしたが、コクチクサウオかどうかは謎です。
羅臼 2月
ジャムアイスが押し寄せた流氷時期の厳寒の羅臼。氷の下のナイトダイビングをやってみました。
浅場の昆布の裏になにやらクサウオっぽい魚が。
エゾクサウオかと思いましたが、こうしてみると形がぜんぜん違います。
これがコクチクサウオの成長個体なのだとか。
イサゴビクニン Liparis ochotensis
羅臼 5月
GW中のナイトダイビングで見かけた個体です。
色合うというか模様的にイサゴビクニンのようです。成体はかなり大きくなるようですが、写真の個体は、背後のヒトデと比べればわかりますが、そんなに大きくありません。
スナビクニン Liparis
punctatus
石浜 1月
写真の個体は、スナビクニンと思われたのですが同じ場所でコクチクサウオが見つかり、でもあまりにも色が違うため、前にいたスナビクニンと違う個体だ、い
や同じ個体だと常連やガイド氏らにいろいろ言われてた奴です。
なんか目が爬虫類系。
背中の斑点から、スナビクニンではないかと思われます。
石浜 10月
この方も穴アパートの住人です。ホシビクニンとの見分け方は体の模様。点々が少ない、背面のどこかに縦筋があるとか、いろいとコツがいるようです。
ちなみに写真をとるのにもコツがいりまして、穴ぼこに入られると普通のアームにつけたストロボではぜんぜん光が入りません。
上の写真も、大分奥に入られています。
ちなみに2002年の冬に東伊豆でたくさん目撃されました。熱海あたりでカジメやワカメの根元を見つめるダイバーがたくさんおったとか。
私自身は見たことありませんが、知り合いがIOPで見たそうです。ものすごく小さくて撮影不能だったとか。撮影してる人もいたようですが、ニコノスRSに
リングストロボつけた超マクロセットの方だったそうです。
(全て)石浜 12月
模様のバリエーションはいろいろあるようですが、しかし上の点々の個体と下の縞々の個体は、違う種類だと言われても納得してしまうかも。
ちなみに尻尾の巻き方が個体によって違うようですが、右利きと左利きみたいなものがあるのでしょうか?
川奈 4月
ついに見ました伊豆のスナビクニン。海藻の根元にあるヒダヒダの間に隠れてました。
しかし小さい。やっぱ小さい。ガイド氏によればだいぶ大きくなったということでしたが、こりゃちょっと普通のデジカメではきついのでは。
南勢 4月
さらに西へ行って伊勢志摩のスナビクニンです。川奈の個体よりはちょっと大きいです。
しかしここがいい加減西&南の限界でしょうか。
とか言ってると柏島あたりでひょっこり発見されたりして。
(左、右とも)志津川 4月
志津川でスナビクニンらしき卵塊が見つかりました。
水槽で観察されたスナビクニンの卵と酷似しているとかで、産卵が確認されたわけではないそうです。
おそらく産卵は夜間。水槽内での観察では、オスは夜だけ抱卵に訪れるとか。
それって抱卵になってるのかな?
羅臼 7月
今度は北限のスナビクニンです。
羅臼はビクニン系多いのですが、スナビクニンを見たのは初めて。
クサウオ科の一種 Liparis
sp.
(左、右とも)羅臼 4月
春に海草の隙間などで見られる、正体不明の幼魚です。
ただ、形や尻尾を丸めたポーズから、クサウオの仲間であることが予想されます。(おそらくアバチャンではない)
浅場から深場まで、結構場所を選びません。浅いところだと海草が揺れるので撮るのは一苦労。
羅臼 3月
結構な深場で見かけました。
オレンジっぽい体色とずんぐりした体型で、その場にいた誰も見たことが無い種類でした。
しかも水圧&低水温でカメラが言うことを聞かなくなって、こんな写真しか撮れない始末。
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