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カサゴ目 SCORPAENIFORMES
    カジカ科 COTTIDAE

石浜 3月  くぼみにはまって寛ぐ? クチバシカジカ

カジカ、といえば海水淡水を問わず、身近に接することのできた魚たちの一つです。
可愛らしいイメージを持っていましたが、実はどれもこれも貪欲な肉食魚です。
でも、高い頻度で抱卵の習性が観察される、子煩悩な種でもあります。
カジカの世界の広さは、ハゼやベラに匹敵するのではないかと思えます。




クチバシカジカ  Rhamphocottus richardsoni

石浜 1月

カジカと言うにはあまりにも変な魚。
21世紀初頭の、石浜の看板スターでした。
2008年現在、石浜は若干不便な場所になっておりダイバーの足も遠のいていますが、それでもクチバシカジカが観察できるダイビングポイントであるのは変 わりありません。
それでも、石浜は現在ちょっと寂しい状態です。魚達にとってはよい状態なのかも知れませんが、このまま潜れなくなってしまったらダイバーにとっては悲しい 事態です。


(左、右とも)石浜 9月

北西カナダにしかいないとか昔は言われてたらしいのですが、実は三陸一帯にいるようです。種市(岩手県北部)にも生息しています。
動きが可愛いですね。ぴょこぴょこ歩き回るって感じで。


(左)石浜 9月
(右)石浜 8月

右は幼魚というか若魚。ちょっと丸っこいフォルム。左の成魚とは印象がだいぶ違います。


(左、右とも)石浜 1月

抱卵中の個体。卵にはうっすらと目玉が見えてます。しかしこれっぽっちしか産まないんですね。
(ちなみに抱卵中のオスのところに、別なメスが来て卵を産み足す様子も観察されています)


石浜 12月

珍しく目立つ場所に鎮座していた個体です。白い身体で白いカイメンの上。何枚も写真を撮っても動かなかったので、本人はまだ見つかってないと思っていたの かも 知れません。


石浜 5月

「サボテン岩」のフジツボに入っていた個体です。石浜で綺麗なオレンジ色の個体を見るのは久しぶり。
しかしテレコン装備だったのでこんなどアップに。



石浜 12月

2008年12月に抱卵していた個体です。大岩のオーバーハングの下という、また撮りにくい場所にいました。
普段は卵の方にもっと寄り添っているようなのですが、この日は奇跡的にカメラの方に目を向けてくれました。


志津川 1月

上の写真とほぼ同時期、2009年1月初頭、志津川で抱卵していたクチバシカジカです。
石浜同様に、オーバーハングになった岩の亀裂の隙間で抱卵していましたが、こちらはそんなに撮りにくい場所ではありません。
おかげで、卵と一緒に少し泡が写ってますが。たぶん私の吐いたエアーの一部。


(左、右とも)石浜 12月

2009年の年末、抱卵準備に入ったオスたちです。
ただ、年明けには同じ場所にはいなかったので、最終的には別な場所で抱卵しているようです。


石浜 1月

2010年1月の石浜は、クチバシカジカの抱卵ラッシュでした。
上の写真は、割と近くて抱卵していたもの、親ははっきりとは撮れない位置でした。
例によってどいつもこいつも厳しい位置で抱卵してます。
全部で5箇所ほどらしいのですが、ほとんど写真が撮れない場所もあります。
今回は4箇所で撮ってきました。まずは1箇所。


石浜 1月

かなり大きな岩の、オーバーハングのくぼみで抱卵していた個体です。
クチバシカジカは卵に埃が積もるのを嫌うのか、天井に産卵して、親も逆さまになっていることが多いです。
ちなみに被写体までの距離は結構遠く、きっちりファインダーを覗いて撮れたわけではありません。
これで2箇所目。


(左、右とも)石浜 1月

小さな岩穴の中で抱卵している個体です。右の写真は、カメラがちょっと斜めになってます。
これは、写真を撮る方にとっては結構よい場所かも。


石浜 1月

ワイドで撮るとこんな感じ。クチバシカジカのサイズだとかなり丁度いい穴かも。
これで3箇所目。


石浜 1月

サボテン岩方面で抱卵している個体です。
海底すれすれで、とてもあおって撮れるような位置ではありません。
数個の卵がちらっと見えています。
これで4箇所。全員無事に抱卵を終えられればよいのですが。


志津川 1月

2011年のクチバシカジカの抱卵です。
結構見えやすい位置です。


石浜 8月

久しぶりに見た、盛夏のクチバシカジカです。しかし成体を夏に見たのははじめてかも。
岩の表面に太いロープの塊が被さったような場所があるのですが、そのロープを除けるといつも同じ場所にいました。
繁殖期や抱卵時以外は、こうして目立たない場所でひっそりと暮らしているのでしょう。陸上にもこんな生物はたくさんいます。


女川 竹浦 4月

震災で石浜が潜れなくなり、クチバシカジカも見られなくなったのですが、新たにできたポイント「竹浦」で再び観察が可能になりました。
この写真は、震災後初めて観察された「クチバシカジカの抱卵」です。卵見えませんけど、実はあごの下にあります。
3月とはちょっと遅すぎるのですが、これからどんどん増えてほしいものです。


女川 竹浦 1月

2017年の抱卵です。
すっかり安定して観察されるようになってきました。



女川 竹浦 7月

2017年ですが、現地のダイビングショップのリサーチにより、かなり高確率で見られるようになりました。
殆ど年中見ることができるはずです。
上の写真の個体も、特定の場所にずっと住んでいるようです。
アイナメ等の捕食を逃れられる、ちょうど良く狭い場所です。


ギスカジカ  Myoxocephalus stelleri

(左)石浜 2月
(右)石浜 1月

擬態魚選手権をやったら北の海代表間違いなし。こんなにでっかいのになんでわかんないの? というくらいわかりにくい魚。
頭が異様にでかい。
左の個体は抱卵中。DIVING Photography 2002年秋号に載ってるのと同じ個体。この後、育児放棄してしまいました。
右の卵は2003年初頭に撮影したもの。今度は育児放棄されないといいね〜。

で、3月時点では全ての卵は無くなっているようです。ウニに食われたり何者かに剥がされた形跡もないので、無事に全部ハッチアウトしたようです。


(左)石浜 7月
(右)石浜 9月

左の個体は、最初ガイド氏も気付かないで通り過ぎてしまいました。正面から見るとまるでオバQ。
右の個体、ダイバー父さんについてきた、スキンダイビング中学生が見つけました。私はどこにいるのかしばらくわからず。
この写真でも相当わかりにくいかも。こんなにでかいのに。

ちなみに食えるそうです。食ったこと無いけど。


(左)羅臼 8月
(右)石浜 9月

左の写真は、羅臼のナイトダイビングで撮影したものです。別にナイトじゃなくとも、羅臼では普通に見かけますが。
でも石浜とはちょっと色合いが違ってたりします。海底の色の違いから来るものと思われます。
知床半島では主にタイドプールの魚と思われているくらい、浅いところにいる魚です。サイズもでかいし、磯の親分として子供達の釣り対象として親しまれてい るようです。
右の写真は、石浜で見た若い固体です。2004年初頭は抱卵している個体は見られなかったようですが、結構こういった若い固体は見かけられます。しかし頭 でかい。身体の半分以上は頭なのではないかと。

シモフリカジカ  Myoxocephalus brandti

羅臼 4月

なんかぱっと見はギスカジカみたいなのですが、驚かすと上の写真みたいにアゴ外して威嚇してきます。
ってゆーか威嚇になってないような気がするんですが。
あと、頭のてっぺんについてる虫みたいなミミズみたいなものが謎。


羅臼 4月

これがその謎の物体。皮弁なんだろうけど、なんか虫みたい。


羅臼 12月

12月の羅臼ではあちこちにシモフリカジカが見られたのですが、上の写真のように深い傷を負った個体や、場合によっては惨殺された死体も多く見られまし た。
こんなでかいカジカに深手を負わせるとは何者?
とか思ったのですが、惨殺死体のすぐ近くで巨大なミズダコを見たのでちょっと納得。



羅臼 3月

「ミサキ」近辺の深場で見たものです。
こいつらはそれほど深場には来ないって印象があったので、いきなり大きなカジカが現れたのでちょっとびっくり。
ただ、写真を撮ろうとしたらすぐに浅場目がけて逃げていきました。


羅臼 3月

浅場がオキアミで埋め尽くされた日、大きな口でオキアミを捕食している個体です。
捕食直後でエラのところがちょっと膨らんでます。もうちょっとましなタイミングで撮りたかったのですが。


オコゼカジカ  Nautichthys pribilovius

(左)羅臼 10月
(右)羅臼 12月

ちょっと平たくて妙な感じのカジカ。上の個体はソフトコーラルの陰の岩肌にぺったり貼り付いてました。
正面から撮るとちょっと可愛い。
しかし常に撮りにくい場所にいるちょっと嫌な奴です。

右の個体は割と撮りやすい位置にいました。しかしカイメンの隙間に、これでもかとばかりに身体を張り付かせています。


ちなみに「アクアマリンふくしま」という水族館で展示されているのですが、あまりにもじっとしているので、気付かずに見過ごしているお客さんが多いようで す。


羅臼 2月

ケヤリムシの間に身体を割り込ませた個体です。
ケヤリが出ているときに撮れればよかったんですけどね〜。


(左、右とも)志津川 6月

春の志津川に行けば、こいつの幼魚をたくさん見ることができます。上の二つの写真は別々の個体ですが、成長のステージは大体同じで、両方とも背びれが立 ちっぱなしです。正面から撮れれば非常に可愛いのですが……なんでいつもそんな撮りにくいところにいるの?



志津川  4月

オコゼカジカの浮遊幼生です。とは言っても半分着底しているようなものですが。
サイズは、背景に写っている小型水中ライト(小型ですよ!)から類推してください。
泳ぎ始めると、結構一生懸命に泳ぎ続けます。そのうち疲れて着低します。可愛すぎ。


(左、右とも)志津川 4月

こんなに小さいのに、目の所にアライグマみたいな線が入っているんです。
着底していますが、浮遊幼生から卒業したばかりのはず。カワユスなあ。


(左、右とも)志津川 8月

6月の幼魚が8月に成長した姿です。サイズがちょっと大きく、体色は濃く、背びれはたためるようになりました。
しかし相変わらず絶妙な位置に隠れてます。ちょっと引いて撮ると、何が写っているのかさっぱりわかりません。


志津川 11月

今度は秋ですが、相変わらずカイメンの隙間とか、同じような場所に張り付いています。
色はオレンジ系と白系がいますが、オレンジの方が撮りやすいですね。しかしこの目の所を通っている模様が、どこかアライグマのような感じがします。


志津川 1月

今度は正面から。
目にスパンコールの入ったアライグマ(笑)


羅臼 9月

すっかり志津川の代名詞みたいになってますが、カイメンなど他の生物との絡みはやっぱり羅臼の方が多彩です。
撮りにくい場所にいることも多いですけど…


ヨコスジカジカ  Hemilepidotus giberti

(左、右とも)羅臼 4月

目の上に妙な模様のある膜があって、ガイド氏の表現によれば、まるで複眼。鮮やかな色が美しいカジカ。
羅臼に行く機会があったらぜひ撮って。


(左、右とも)羅臼 9月

久しぶりに見ました。
トド岩の亀裂の間に住み着いているのだとか。相変わらずのお目目キラキラ。


ラウスカジカ  Icelus sekii

羅臼 12月

羅臼で発見された新種のカジカ。背びれや眼上皮弁などに特徴があります。
体表は金粉をまぶしたような感じです。

上の写真は本当に久しぶりに撮れたもので、実に6年ぶりくらい。
しばらく主力で使っていた5050では撮ってません。


羅臼 3月

ラウスカジカの卵塊です。
本当は抱卵していたのですが、親が全然卵に近寄ってくれない。
このへんの行動って魚種によって全然違いますね。
ラウスカジカは結構卵から離れるタイプ。アイナメはかなり寄り添ってます。ダンゴウオ系は卵べったりです。


羅臼 4月

これは卵の上に親が乗っています。
親魚の尻鰭のあたり、アミコケムシの下に卵が見えます。
というか撮影時には全然分かっていませんでした(笑)



羅臼 4月

初めて羅臼に行ったと時には、GWなのに個体数が多く、P1でも数多く撮ることができました。
しかし正直言って、水中で写真を撮るのは、コンデジの方が一眼レフより100倍難しいような気が。
持ち歩きが楽なのは確かだけど。


ウスジリカジカ  Icelus mororanis

(左、右とも)志津川 3月

2009年に新種として記載されたばかりです。
それまでは、よくわからんコオリカジカの一種だったのですが、名前が付きました。
体側の4つの鞍状斑紋および、2対の頸部皮弁が特徴だそうですが、肉眼ではちょっとわかりにくいです。


志津川 3月

ちょっと拡大してみました。確かに2対になってます。しかしこんな微妙な特徴で新種とは、科学って地道な作業ですね。

ちなみにこいつも抱卵していたのですが、ちっとも卵の側に寄ってくれませんでした。


カムチャッカカジカ  Artediellus camchaticus

石浜 5月

なんだが寒そうな名前がついています。オホーツク海からベーリング海に分布してるようですが、上の写真は三陸です。
ぱっと見アイカジカっぽいですが、背びれがちょっとかっこいい。

カラフトカジカ  Triglops jordani

羅臼 5月

大陸棚に多く生息するカジカ。本来は深場〜深海にいるわけで、ダイビングで行ける水深で見るのは結構珍しいようです。
上の写真は羅臼で生体が初観察(たぶん日本初)されたちょっと後に撮ったものです。

アイカジカ  Gymnocanthus intermedius

(左)羅臼 10月
(右)石浜 5月

砂地にいるカジカで、よくカレイ釣りの外道として釣り上げられてしまうようです。
左の個体は砂に埋まってましたが、私が写真を撮ったせいでカレイに包囲されてしまい、しまいには逃げ出しました。

右の個体はちょうどカムチャッカカジカの近くにいて、あとでやたらと比較されていました。まあやっぱ向うの方が見栄えはするかもね?

オニカジカ  Enophrys diceraus

羅臼 4月

鰓ぶたに骨が出っ張ったよなトゲがあり、これがオニの角のようだからオニカジカ。
で、こいつが女川のマリンパルで売ってるのを一度見ました。一皿500円くらいの雑魚の寄せ集めに混じってました。
食えるのか? でもなんか淡白そう。


羅臼 8月

幼魚です。
もう一つ上の写真では親に守られていましたが、こんなに立派? に成長しました。
もうヒトデなんて怖くありません。こんなやつは上に乗っかってつぶしてやります。どうだ、まいったか。


羅臼 2月

レギも凍りつくような氷点下の海中で育っている卵達です。
2ヶ月前にはただの色つきのゴムボールみたいだったのに、発眼していました。

イトヒキカジカ  Argyrocottus zanderi

羅臼 3月

北方性の小型カジカ。
写真は、海中のブイ近辺で見かけた、異様に腹の大きな個体です。
おそらく産卵を控えたメスと思われます。

ヒメフタスジカジカ  Icelinus pietschi

(左、右とも)石浜 5月

抱卵中の個体です。左の写真の手前にある白い卵は無精卵です。まともな卵は発眼しています。
腐って無くなるまでこの死んだ卵たちを守りつづけるのでしょうか。


(左、右とも)志津川 4月

単体だと目立たないのに、抱卵してると目立ちます。
上の個体は、貝殻の中で抱卵していましたが、貝殻の外にも卵がありました。
おそらく貝殻の中が本妻の卵で、外のは後妻の卵かと。まあ産まれてしまえば一緒なんですが。


石浜 3月

石浜のヒメフタスジカジカです。こいつもオーバーハングの下で、ずいぶん撮り難い場所でした。
まだ産みたてらしく、卵は赤いイクラ状です。


(左、右とも)志津川 3月

2010年春の、志津川での抱卵です。アラメ?の茎に隠れて、岩肌にべったりと卵を産み付けていました。
右の卵は、親の所在が不明です。でももう発眼しています。


ニジカジカ  Alcichthys alcicornis

(左、右とも)羅臼 2月

ナイトダイビング中に出会ったちょっと大き目の個体です。
大きいけど、ギスカジカじゃないしシモフリでもないな〜とか思ってたのですが、眼上皮弁と後頭部の2本のトゲ、あと側線にそったひらひらした突起から、ニ ジカジカじゃないかと思われます。
それにしても太ってますね。卵でも身ごもっているのでしょうか。


石浜 8月

実は種類は判然としない。ニジカジカっぽいね、という話だったが、よくわからない。
しかしこの手の中型カジカって、ナイトダイビング中によく見かけますが、実際よくわからない種類が多いのです。


石浜 5月

岩肌にぱらぱらと無造作に卵を産み付けます。
他のカジカのように、近くで露骨に抱卵行動をするわけではないらしく、親の姿は見えませんでした。
でも実は近くにいるらしいです。


羅臼 6月

羅臼のニジカジカは、こんな風に広範囲に産卵します。
抱卵するオスはかなり大変だと思うのですが。実際のところ、全ての卵がヒトデやウニ、また肉食性の貝類に食べられてしまうことも珍しくないんだそうです。


キヌカジカ  Furcina osimae

(左、右とも)石浜 3月

口が短いのが特徴だとか。しかし見分けつきません。
右の写真は、左に写っている小さなカニに狙いを定めているところ。
しかし一口では食いきれず、このあと咥えては吐き出し、咥えては吐き出ししてました。
カジカの仲間では美しい色彩を持つ方。


石浜 8月

浅場のワカメの根元に隠れてました。
キヌカジカの見分け方は、頭のてっぺんにある白い点だとか。


青海島 8月

青海島は小型のカジカが結構多く、伊豆のような東北のような色々と混ざり合った不思議な海域です。
上の写真はかなり浅い場所で撮ったものですが、キヌカジカの個体数はかなり多いと思われます。


サラサカジカ  Furcina ishikawae

志津川 3月

〜かもしれない、というレベルです。何せまだ体が半透明の幼魚です。
ちなみに3月の志津川は、こんな感じの透明なカジカ系幼魚でいっぱいです。


ベロ  Bero elegans

羅臼 8月

たくさんいるけど、生息海域が浅く、身体も小さいので撮影する機会がなかなかありません。
というか、意識して見たのは、この時が初めてでした。
いかにもカジカっぽいカジカですが、アサヒアナハゼとかと比べると、ちょっとヒレが大きくて可愛い。


石浜 12月

水温の低い時期の固体です。アイナメ等の抱卵が最盛期で、浅場の肉食魚にとっては餌に事欠かないのではないでしょうか。


石浜 5月

春先はそれほど見かけません。食べ物も少ないし、彼らには厳しい季節かもしれません。


青海島 8月

かなり微妙。青海島はカジカが多いのですが、誰も気にしていないようなので色々確認する必要がありそうです。


マツカジカ Ricuzenius pinetorum

石浜 4月

抱卵しているときでないとあまり注目されない魚です。
上の個体も抱卵中。ちなみにオスです。
尻ビレに特徴があって、ここさえ見えれば見分け易い。右は同一個体のちょっと拡大したものです。

しかし砂地の真ん中というとんでもない場所で抱卵してます。大丈夫なのかいな?


志津川 3月

またもや砂地のど真ん中で抱卵です。
何考えてんだ? とか思ってしまうのですが、こういう形態で抱卵したほうが安全だという何らかの戦略があるのでしょう。
そしておそらく効果があるのでしょう。毎年彼らの抱卵が見られるのだから。

コオリカジカの一種 Icelus sp.

石浜 4月

ちょっと前から石浜でちらほらと目撃されている種類で、ダルマコオリカジカ属の既知のものなのか未記載種なのかよくわかりません。
抱卵しているところも目撃されています。

セトカジカ Astrocottus matsubarae

石浜 5月

石浜の謎の生物の一つ。なぜか瀬戸内海と三陸海岸にいるとか。
しかしこの色合いが、磯焼けした石浜の海底とやけにマッチしてます。
実は口の形に特徴があります。ちょっと変。


石浜 5月

下にいる大きいのがメス、上にいる小さいのがオスで、要するに求愛中なのですが、このメスはもう卵を持っていてお腹がたぷんたぷんしてます。


石浜 4月

またまた求愛中のペアです。
しかしこのオスは、やる気の無いメスにもデリカシーの無い人間のストロボ攻撃にもめげずに、ひたすら延々と求愛を繰り返しておりました。
ちょっとは見習えよというような言葉がどっかから聞こえてきそうですが。


(左、右とも)志津川 3月

志津川で熱烈に求愛中のカップルというかオスです。
最初見たときは、オスが必死にメスにすがり付いて、メスもその気があるのかじっとしていたのですが、写真を撮っているうちにストロボの光を嫌ったのか、メ スがオスから逃げ出しました。
それでもオスはメスを必死に追いかけます。しかしメスはつれない態度で、オスから逃げ回ります。
ちょっと写真を撮るのを控えて、そのまま2匹を観察しました。
逃げ回るメスを見てあきらめたのか、オスもついに別な方向に泳いでいきました。
「ああ、この2匹終わったな」
と思ったとき、またもやオスがメスに向かって突進!
そのとき撮ったのが右の写真です。
メスも実は待ってたのか、今度は逃げませんでした。
この後上手く行ったのかどうかは分かりませんが、このオスが結構頑張っていたのは事実です。

耐えて♪ 耐えて♪ 根気が大事☆


青海島 8月

ホホウロコカジカの仲間と思われますが、いかんせん青海島ではだれもカジカのことは気にしていないようです。
おいおい正体が判っていくことでしょう。


ホホウロコカジカ Astrocottus leprops Bolin

石浜 5月

ちょっと違う模様の個体。メスらしく、お腹が卵でたぷんたぷんになってます。
側線の下にウロコが無くて心なしかつるんとしているところが、見分けるポイントのようです。

シシカジカ Astrocottus regulus

志津川 4月

ホホウロコカジカ科の未記載種、とか言われていましたが、「シシカジカ」という標準和名がついたようです。
セトカジカにそっくりですが、幾分胴長でスマートな印象です。セトカジカのほうがずんぐりした感じ。


ヤギシリカジカ  Eurymen gyrinus

羅臼 4月

上の写真は抱卵中のもの。上の岩に張り付いている白い点々は、全てこいつの卵。
中型サイズで、ぬぼーっとした独特の風貌。あご下の皮弁と、鰓の色がちょっと目立つかも。


羅臼 12月

またまた撮ってみました。以前撮ったものより卵がかなりはっきりしています。
ちなみにこの親魚は、時々卵から離れてあちこちうろうろしている、ちょっとだらけた親です。


羅臼 2月

2ヵ月後に、ちょっと引いて撮った同じ個体です。相変わらず留守がちですが、とりあえず卵は順調に育って発眼してました。

ブチカジカ  Oligocottus maculosus

(左、右とも)石浜 5月

石浜の水深7mほどの砂地で、ちょっとぐったりした感じでたたずんでいました。
目が白いのは病気?
なんだかよくわかりません。

<2007/10/2>
あんまり正体が判らないので、某博物館に提供してみたのですが、ブチカジカではないかとのことでした。
吻が短く、額から口にかけての角度が急だということで、確かに他のカジカとは違う独特の面構えです。
ちゃんと同定できたわけではないのですが、本当にブチカジカだったら南限記録かも??



アナハゼ  Pseudoblennius percoides

(左)熱海 7月
(右)八幡野 6月

アナハゼだがハゼではありません。
生殖器がすごくでかくて、広島ではチンポダシと呼ばれるとか呼ばれないとか。
だが、知り合いの広島県出身者に聞いてみたら誰も知らないのでした。

アサヒアナハゼ  Pseudoblennius cottoides

(左)石浜 2月
(右)飛島 8月

アサヒアナハゼだがこれもハゼではありません。
日本中に生息しているがほとんど注目されることはないであろう、というくらい地味な魚。
だが、繁殖期にはでっかいち○ぽをぶら下げて泳いでいるので、ちょっと気にしてほしい。
上の左側の個体も出してましたが、撮れませんでした。


(左、右とも)浮島 4月

春先の繁茂する海藻の間に隠れていた若魚です。
伊豆にもたくさんいるのですが、なかなか撮る機会はありません。
ちなみに何処に住んでいても、獰猛な肉食魚であることに変わりはありません。


オビアナハゼ  Pseudoblennius zonostigma

大瀬崎 5月

やや体高があるアナハゼ。
色も、この仲間にしてはちょっと明るめで、少しかわいらしい感じ。

ちなみに上の写真は、大瀬崎の水深1メートル以下の浅場で撮ったものです。


ヒメスイ  Vellitor minutus

川奈 3月

カジメの間に隠れている、カジメ色の魚。カジメが枯れている時期にはどこに住んでいるんだろ?



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