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カサゴ目 SCORPAENIFORMES
    ハオコゼ科 TETRAROGIDAE
    オニオコゼ科 SYNANCEIIDAE
    アイナメ科 HEXAGRAMMIDAE


石浜 12月 抱卵も終盤になった、見事な型のオス

ハオコゼ以外は美味しい魚たちです。
特にアイナメは姿もスマートながら、どこか表情豊かな動きを見せることも多く、親しみやすい魚の一つです。



アイナメ  Hexagrammus otakii

(左)石浜 8月 ノーマル色
(右)石浜 1月 婚姻色

全国的に分布する磯魚です。比較的北の方が多いかも。
石浜だと年中大量に観察できます.夏場は結構良いサイズの個体、冬場は婚姻色に変わって抱卵している個体が観察できます。
子供のころはよくこいつを釣りに行きました。飼ったことも何度かあります。でも飼い方が下手だったのですぐ死んでしまったのですが。
肉は上品な白身で、フライやムニエルとかにすると美味しい。塩焼きは淡白すぎて今ひとつ。でも十分脂がのってればいけます。
左の写真の個体は結構なサイズで、私がカメラを構えて近づいても悠然と構えて動きませんでした。
う〜んこんなの釣れたらうれしいんだけど。

ちなみに東北では「ネウ」と呼びます。「根魚」が訛ったらしい?


(左、右とも)石浜 12月  左が親で右が子供

抱卵をする魚としても知られています。卵を守るのはオスで、普通はかなり大きくなったオスが守っています。
三陸沿岸では、大型のアイナメが守っていればほとんど安泰でしょう。
アイナメよりでかい生物といえば、ミズダコかヒラメくらいしか見ませんが、彼らは魚卵を積極的には食べないはず。(あ、ミズダコは抱卵してる親ごと襲うか な)
ただ、親アイナメは抱卵中も捕食するので、人間に釣られてしまう可能性はあります。
釣られてしまったら、残った卵はウニやヒトデが美味しくいただいてしまうでしょう。

ちなみに右の卵、まだ産まれたばかりのようで、まだ胚の状態のようです。


石浜 1月

上の写真の1ヵ月後です。父親の婚姻色はちょっと薄れてきたような気がします。
卵たちはしっかりと発眼してました。



(左、右とも)石浜 1月  左が親で右が子供

「卵に近寄んなゴルァ!!」って感じで威嚇されましたが、卵に寄ってしまいました。
もうハッチアウト寸前です。


(左、右とも)石浜 12月

もう少し卵を拡大してみました。左はまだ卵黄がくっついた赤ん坊で、右はもうハッチアウト寸前。
同じ日に撮影したものですが、個体によって結構産卵時期に差があるようです。


石浜 5月

春になると、2〜3センチ程の幼魚になります。しかしまだ色合いがイワシとかの青モノっぽい。
ちょっとまだアイナメとは思えません。


石浜 5月

ほんのり色づき始めた個体です。
体型は上のものとあまり変わらないのですが、なんだかアイナメっぽい雰囲気になってきました。


(左) 志津川 8月
(右) 石浜 10月

夏から秋にかけて、去年産まれたと思しき若魚は、好奇心いっぱいで近づいてきます。
表情も面白い。数が多いので、邪魔なときも多いですが。


青海島 1月

日本海の青海島で抱卵している個体ですが、抱卵真っ最中であるにも関わらず、婚姻色になっていません。
どうやら個体差や地域差があるようです。


(左、右とも)臼尻 11月

函館・臼尻のアイナメです。アマモのような海藻の根本に卵塊を産み付けます。
産卵後間もない卵は、この写真のようにとてもカラフル。


臼尻 11月

カラフルな卵塊を抱卵するオス。すっかり婚姻色になっています。


(左、右とも)臼尻 11月

ハッチアウトの瞬間です。
やっぱり生まれた時は青っぽい体色です。


スジアイナメ  Hexagrammus octogrammus

羅臼 10月

ちょっとクジメっぽい、と思ったのですが模様が違います。羅臼ではほとんどアイナメを見ない代りに、こいつとウサギアイナメが雑魚。

ホッケ  Pleurogrammus azonus

積丹半島 1月

飲み屋で御馴染みの魚。
通常は100m前後の海底に住むが、産卵時期だけは浅場に上がってくるとか。
開きになっていない状態のホッケは、実はこの時初めて見ました。
(開きになってない状態で魚屋さんに売ってるのも見たことが無い)

トドが近づくとみんな揃って大慌てで逃げ出す様子が面白い。

クジメ  Hexagrammus agrammus

石浜 9月

ちょっと口のとがったアイナメ? 石浜には普通にいます。数は多くないですが。
晩秋になると海藻などに産卵し、抱卵します。
ちなみに8月には同じ場所にキヌカジカやイソバテングがおりました。
ここはケヤリムシが群生している場所ですが、同時にシロガヤの群生地でもあります。
そんなところに陣取って痛くないの?


石浜 10月

成長してもアイナメほど大きくはならないようです。
10月なので、写真の個体もそろそろ繁殖期かも。


志津川 1月

とっくに抱卵の時期は終わっているのですが、まだ抱卵を続けている個体です。卵も発眼しまくっています。
やる気もあんまりなさそうでした。
こいつがすぐに卵から離れるので、私は撮影をあきらめてその辺の石の下など別な被写体を探し始めたのですが、そうするとこいつが「何? 何してんの?」って感じで寄ってくるのです。頭ナデナデしてやりました。

忘れた頃に、上の写真のように卵に寄り添っていたのですが、「はやく産まれてよ〜遊びに行きたいよ〜」とでも言いたげな感じでした。


(左、右とも)羅臼 9月

まだ夏だというのに抱卵をはじめている、気の早い個体です。
卵が石灰藻の隙間に入り込んで非常に分かりにくくなってますが、これもまあ戦略の一つなのかも。


(左、右とも)青海島 1月

青海島の紫津浦の浅瀬で抱卵していた個体です。
本当に海面下数十センチで、海藻にまみれた状態でした。
こんなところで抱卵して時化たらまずいのではないかと思ったのですが、そもそも紫津浦は静かな内湾なので、そんなに大波が立つことはあんまり無さそうなのでした。


臼尻 11月

産卵後間もないクジメの卵塊に、ちょっと強めにストロボ光を当てるとワインレッドのような色が浮かんできます。


ハオコゼ  Hypodytes rubripinnis

(左)浮島 8月
(右)雲見 9月

背中に判り易い毒棘がある、とてもよく見かける魚。たまに砂に潜ってます。
女川でも見たことがあります。もしかすると本州の殆どの地域に生息しているのでは?


浮島 8月

ちょっと色合いが違いますが、背びれの黒い斑紋は共通です。岩の上に堂々と居座っていました。


能登島 8月

今度は日本海バージョン。まわりが地味な海藻ばかりなのでちょっと地味な色合いです。

ダルマオコゼ  Erosa erosa

柏島 8月

尻尾をくるっと巻いている所がちょっとフウセンウオっぽくて可愛いような気もしますが、こっちは猛毒魚。地味なので間違ってこいつの上に着底しちゃいそう です。したらえらい騒ぎですが。

オニダルマオコゼ  Synanceia verrucosa

八重山諸島 10月

死サンゴの積み重なった砂礫帯にじっとしています。本当に分かりにくい魚で、危うく手を付きそうになりました。
背鰭に猛毒があるので、そんなことしたらただでは済みません。
ちなみに写真の個体はまだ幼魚で、成体は40センチほどになります。
ダルマオコゼとの違いは、目と口が上を向いていることです。



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