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カサゴ目 SCORPAENIFORMES
    フサカサゴ科 SCORPAENIDAE
    セミホウボウ科 DACTYLOPTERIDAE
    ホウボウ科 TRIGLIDAE
    コチ科 PLATYCEPHALIDAE

羅臼 9月

トド岩の大穴の中で群れているエゾメバルたちです。やっぱり上向いてます。
冬になり、この穴がミズダコに占領されるまでは、ここの主は彼ら根魚みたいです。




メバル  Sebastes inermis

(左)大瀬崎 3月
(右)熱海 1月

なぜ上を向くのか? なんか落ちてくるのを待ってるのか? 往年の名曲のファンなのか? 謎です。
ちなみにと〜っても美味しい。小中学生の頃、釣れると嬉しい魚のひとつでした。


熱海 7月

夏の海底では、若いメバルの運動会が行われたりするんでしょうか。見事な整列でした。

エゾメバル  Sebastes taczanowskii

羅臼 10月

北方系のメバル。メバルほど美味しくないとか。ちなみに上も向いていませんでした。


羅臼 9月

でかい奴はちょっと貫禄もあって美味しそうにも見えるのですが、やっぱりそれほど美味しくはないのだとか。
う〜ん美味しそうなんだけど。


トゴットメバル  Sebastes joyneri

熱海 8月

伊豆あたりでは、ちょいと水深のあるところにぱらぱらと群れをつくっています。
上は向いてなかったと思う。
ところで「トゴット」とは一体なに?

キツネメバル  Sebastes vulpes

積丹半島 5月

日本海側でよく見かける。太平洋側にもいるらしいが、見たこと無い。
多分三陸北部にはいそうな気がするんだけど……潜らせてくれない?

ヨロイメバル  Sebastes hubbsi

石浜 5月

まだまだちびっこです。
忘れた頃に見かけるような魚です。サイズの大きなものは、見た目ちょっと迫力あります。


志津川 10月

多少は成長した若魚です。海中で見たときはかなり綺麗なピンク色でした。

タケノコメバル  Sebastes oblongus

(左、右とも)石浜 10月

かなり大きくなるメバル。いつも岩礁の間に隠れていて、滅多に全身を拝む機会はありません。
たまに岩の上に出ているのですが、近づくとすぐ逃げてしまいます。
ルアー釣りの対象魚で、ボイジョとかベッコウゾイとか呼ばれています。
実はこの後、マリンパルに魚を買いに行ったのですが、良いサイズのベッコウゾイが売られていてちょっとびっくり。
見た目もまさにベッコウ色で美しいし、しかも美味なんだとか。
生きてるときはベッコウ色じゃないんだけど。

ムラソイ  Sebastes pachycephalus

飛島 8月

ゴールドタイプ?
同じ時期、ちょうど本州をはさんで反対側の女川でもこいつを見ましが、小さい個体ばかりでした。
飛島の磯魚は立派な型の奴ばかりだなあ。

クロソイ  Sebastes schlegeli

飛島 8月

飛島の巨大ゴロタの下に必ず何匹か潜んでいました。なんか迫力あります。
でもやっぱ美味そう。高級食材だそうですが。


大船渡 8月

大船渡の波板という場所は、津波で破壊されひっくり返された堤防が、巨大なオブジェのように海中に転がっています。
今では漁礁みたいな感じになって、たくさんのホヤや幼魚達の住処になっていますが、当然ながら肉食魚も住み着いています。
そんなわけで、ホヤの間に隠れているクロソイです。
色的には全然保護色になっていませんが、そもそも薄暗い場所なのであまり関係ないかも。


シマゾイ  Sebastes trivittatus

(左、右とも)積丹半島

なんか親分っぽい。面構え。
「おう、遠くからよく来たな。ゆっくりしてけ。なんだもう帰るのか? せっかちな野郎だぜ」
――堪忍してください、私ぁもう減圧出ちまいますよ。

キゾイとも呼ばれるとか。確かに黄色い。美味だそうです。

2004年8月に羅臼に行った時、このシマゾイを買ってきました。
道の駅内にある鮮魚店で、1匹95円。「キハダ」という名称で売られていました。(マグロじゃないのは明白なので混同することはないと思いますが……)
氷と一緒に発泡スチロールに梱包してくれるので、1日くらいは平気です。ホッケなどと一緒に購入し、東京まで持ち帰りました。
さて見た目はごつい磯魚。やっぱ煮付けでしょうか。ということで、酒とみりんと醤油と砂糖で味付けし、落し蓋をして煮ること10分少々。
味のほうは、締まりのある白身でとても美味しい。こんなのが95円っていったいどうなってんの? ホッケは600円もしたのに。


(左、右とも)羅臼 9月

トド岩の大穴の中に群れているエゾメバルたちに混じって、シマゾイが鎮座しています。
ちなみに二日間同じ場所にいました。獲物を待ち構えているのでしょうか。


羅臼 9月

若い固体です。まだ黄色っぽい体色になってはいません。


カサゴ  Sebastiscus marmoratus

(左)熱海 10月
(右)伊豆海洋公園 4月

伊豆の代表的な釣り対象魚の一つ。煮付けが有名です。タラコ唇がちょっと可愛い。
ただこのタラコ唇が、岩の上に張り付いている生物をくわえて食べるのに都合がいいんだそうです。

オニカサゴ  Scorpaenopsis cirrhosa

熱海 7月

カムフラージュがきつくて時々見落とす魚。美味しいらしいですが、さばく前に背びれを料理用ハサミで切り落とさないと痛い目を見るとか。
マクロで皮弁の拡大写真を撮ろうと狙ってるが、なんか直前で逃げられてしまうんだな。


初島 9月

こいつの毒は結構きついようです。それにしてもこの見つかりにくさ。事故が起きないのが不思議なくらいです。
待ち伏せ型らしく、写真のような状態で待ち構えている個体の鼻先に金属の棒を差し出すと、激しく噛み付いてきます。

サツマカサゴ  Scorpaenopsis neglecta

(左)大瀬崎 1月
(右)大瀬崎 2月

胸鰭の内側が鮮やかなオレンジ色をしています。警戒色なのかもしれません。鰭には猛毒があるとか。
石みたいでちょっとわかりにくい。

イソカサゴ  Scorpaenodes littoralis

熱海 7月

小型のカサゴで、伊豆半島の岩礁域にはすごく普通にいます。
ちなみに、ログにこいつの名前を書いたことありません。
こんなに小さくて存在感が無い魚ですが、いっちょまえに毒があるので触ると痛い目に遭います。

コクチフサカサゴ  Scorpaena miostoma

熱海 7月

こいつも伊豆半島にはやたらとたくさんいます。
ただ小さな個体が多いのと、保護色で目立たないので、あんまりログに書かれることはありません。
誰か書いてあげてください。

ミノカサゴ  Pterois lunulata

(左)大瀬崎 3月
(右)浮島 9月

泳ぎがとろくてちょっとフォトジェニック。どうやら美味しい魚らしい。
代表的な毒魚としてあちこちで紹介されてます。こんなに目立つ魚だから、あんま刺される人はいないと思うんだけど、時々いらっしゃるようです。
私じゃないよ。


川奈 11月

フォトジェニックなわりにはありふれてるので全然撮らなかったのですが久々に。
背景真っ黒は最近流行らないみたいですが。


ハナミノカサゴ  Pterois volitans

(左)八丈島 10月
(右)柏島 8月

ちょっとえぐい模様のミノカサゴ。尻尾まで模様があるとか、顔の下まで模様があるとかで、ミノカサゴと区別できるそうです。
八丈島にはやたらといました。


沖縄本島 10月

「ナカユクイ」の奥地、水深40メートルから立ち上がる「魚網」の真ん中、水深20メートル近辺に隠れていた個体です。
黒バックを狙ったのですが、あんまりロープから離れてくれませんでした。

関係ないけど、この「魚網」のあたり、何か怖いです。何にも無い空間にポンと放り出されたような恐怖を感じました。
ダイビング中の透明度は良いに越したことは無いのですが、良すぎるのも何か嫌。何も無い空間が広がっているのであればなおさら嫌。むしろ怖い。
ああ、自分は地表で生活する生物なんだな、ということを理解した瞬間でした。


ネッタイミノカサゴ  Pterois antennata

串本 8月

比較的南方系のミノカサゴ。胸鰭がスカスカでキリンミノと好対照。
最初にこいつを見たのは沖縄本島でしたが、伊豆のミノカサゴとくらべるとどこか上品な印象を受けました。写真の個体は胸鰭のスジが白くないのでちょっと色 的にはいまいち。


沖縄本島 10月

これもナカユクイの魚網にいた個体です。結構小型。
頑としてロープから離れようとはしませんでした。


シマヒメヤマノカミ  Pterois antennata

(左、右とも)三保 6月

皮弁が少なく、ちょっと見た目がすっきりしているミノカサゴ。
胸鰭も、ミノカサゴみたいに深く切れ込んでいません。
そんなにしょっちゅうは見かけない魚です。でも毒があるのはミノカサゴと一緒。


川奈 5月

一瞬、あれキリンミノ? と思ったのですが、尻尾の模様が違います。いわゆる「Tバック」ではありません。
眼上皮弁の大きさは個体差があるようです。


キリンミノ  Dendrochirus zebra

(左)大瀬崎 2月
(右)柏島 8月

左の写真を撮ったときは、なぜか大瀬崎のあちこちで見られました。浅場で見かけるとなんかピンク色っぽく見えます。
眼上皮弁が目立ちます。

身体に横じまがありますが、一番尻尾側の模様が、「T」の字になっています。特徴的な胸鰭をしていますが、近縁種にはにたような姿のものもいるので、こっ ちで見分けた方がよいかも。


沖縄本島 10月

カメラを向けると、サンゴの隙間に顔を突っ込んで嫌々をしていたシャイな個体です。
武器である毒針を必死に立てて、「ヤダヤダどっか行ってー!!」とか考えてたのかと思うと、ちょっとかわいい。


ハダカハオコゼ  Tanianotus triacanthus

柏島 8月

平たくてまるで海藻のような魚。写真の個体はやたらとわかりやすいところにいましたが、以前真鶴で見たときは、なんかゴミのようにしか見えませんでした。 トロそうにみえますが、いざというときのダッシュ力はすごいです。


渡嘉敷島 6月

いわゆる色彩変異個体です。サンゴの下で、やる気無さそうにしていました。指示棒で触られても気にしない様子。真鶴で見たダッシュ力は一体どこへ?


(左、右とも)八重山諸島 10月

サンゴ礁の岩穴の中、海藻みたいにゆらゆらしてました。
正面から見ると、ごらんの通り薄っぺらです。


ハチ  Apistus carinatus

大瀬崎 3月

知り合いのインストラクターが、講習をするなら大瀬崎のマンボウ前がベスト、と言っていた。
なんで千鳥前じゃないの? と聞くと、千鳥前はハチが多いから、との答。
という風に嫌がられてる毒魚です。


三保 11月

久しぶりに撮って見ました。
実はこの魚、夜行性で昼間はどこかに隠れている上、結構逃げ足が速くて撮り難いのです。
上の写真の個体も、ちょっと砂に埋まるようにしてじっとしていました。


三保 11月

ちょっと痛そうな背びれしてます。
実はミノカサゴみたいに、各ひれに毒腺があってかなり痛いようです。


ホウボウ  Chelidonichthys spinosus

(左、右とも)川奈 3月

胸鰭が変化した「足」で海底を歩き回る。が、泳いだ方がやっぱ全然速い。
話によるとすごく美味しいとか。確かにそんな外見をしてます。


石浜 6月

石浜にたまに現れる幼魚です。
小さいけど一丁前に足で歩き回ります。


石浜 7月

もう少し成長した個体です。ヒレの青い斑点がちょっとだけ見えています。



オニカナガシラ  Lepidotrigla kishinouyei

(左、右とも)滑川 8月

滑川のミッドナイトダイビングで現れた若い個体です。
この写真だと写ってないですが、真上から見ると胸鰭の付け根に大きな黒色斑があります。
でも横から見るとよくわからないですね。
20m前後のやや深場でちらほら見かけました。美味らしいです。


キホウボウ  Peristedion orientale

(全て)青海島 4月

東シナ海の海底に分布する深海魚。
なぜか幼魚が海流に乗って青海島に現れます。しかもかなりの数です。
半透明の体で、サルパとほとんど見分けがつきません。


セミホウボウ  Dactyloptena orientalis

大瀬崎 12月

初冬の大瀬崎で見つけた成魚です。水深はさほど深くありません。


(左、右とも)大瀬崎 12月

この巨大な胸鰭は外敵に対してはったりをかますためのものなので、結構派手な色彩を持っています。
確かに上からくる捕食者には有効かもしれませんが、ヒラメとかエソみたいに下から来るやつにはあまり効果ないかも。
正面から見ると普通の魚です。
ホウボウと同じで、胸鰭が変化した足で歩き回ります。


川奈 11月

セミホウボウの「足」はちょっと分かりにくいのですが、こんなふうに胸鰭の一部が分かれています。
ホウボウみたいに歩くような感じではなく、砂をまさぐって何かを探しているような動きをします。


柏島 8月

ホウボウの仲間かと思ってましたが、科が違うんですね。まあ確かに良く見るとだいぶ違うかも。
柏島の後浜にたくさんおりました。意外と小魚だと思ったのですが、幼魚ですね。


大瀬崎 5月

こっちはもっと小さな幼魚。たぶん2センチ以下。
でもちゃんとセミホウボウみたいに振舞ってました。


三保 7月

三保のナイトダイビング中に見た、同じく幼魚です。
大瀬の個体よりはちょっと成長しているかも。
しかし幼魚は、こうやって写真を撮ろうとすると、固まったようにじっと動かなくなってしまう場合が多いですね。
怖がってるのかもしれない。


マゴチ  Platycephalus sp.1

川奈 3月

図鑑によれば「大変美味」。しかし、子供のころよく釣ったものは、油のような嫌な臭いが染み付いたものが多く、煮魚にしても食えなかった。
単にその海域が汚れてたってだけなんだろうけど。
そんなわけで、こんないい型のコチを見ても、なんか「うまそう」とは思えなかったりする。

セレベスゴチ  Thysanophrys selebica

柏島 8月

てっきりワニゴチだと思って撮ったのですが、どうも虹彩皮膜の形がセレベスゴチっぽいので、こっちにしました。
まあそんなに珍しいものでも無いようですので。
しかしなかなか面白い顔です。

オニゴチ  Onigocia spinosa

大瀬崎 5月

このセレベスゴチにそっくりなオニゴチというものの存在を、実は最近まで知りませんでした。
虹彩皮膜の形は全くおなじっぽいです。眼上皮弁がはっきり目立つのがオニゴチ、頬の部分にギザギザした出っ張りが目立つのがオニゴチ、なのだとか。
上の写真もまあなんとなく、なのですが。


ハリゴチの一種  Hoplichthys sp.

青海島 5月

ハリゴチ科の一種の幼魚です。深海魚らしく非常に大きな口をしています。
青海島ではよく見られますが、他の地域で見たという話はあまり聞きません。というか気にしてない…?


青海島 5月

小さいですが、結構がんばって泳ぐので、なかなか良い角度から写真は撮れません。
というか一人で撮るのはかなり困難です。



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