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扁形動物 PLATYHELMINTHES
紐形動物 NEMERTINEA
触手動物 TENTACULATA
星口動物 SIPUNCULOIDEA
石浜 8月
扁形動物や紐形動物は、石の下とかにいつも隠れていて、あんまり目にすることの無い種族です。見た目も可愛いとは言い難いし。
でも謎めいた下等動物チックな魅力が無いでもないですが。(←なんだそりゃ)
扁形動物は基本的に寄生虫ばっかりですが、中には川にいるプラナリアとか、陸にいるコウガイビルとか、海にいるヒラムシといったものもいます。
どっちにしろ、あんまり上等な生き物ではなく、まあだいぶ気色悪い生物の部類です。
触手動物は結構目にしているはずなのですが、あんまり注目される類の生物ではありません。しかし気にしはじめるとだいぶ気になる生き物だったりします。
ツノ
ヒラムシ
Planocera reticulata
石浜 8月
石浜の砂地のあたりでひらひら泳いでました。
冬場、田子のナイトで似たようなものを目撃しましたが、こちらは写真に撮れず。
不思議な泳ぎについ見入ってしまいます。
ちなみに、養殖場のカキを食害する生物として結構嫌われています。こいつらを駆除するのには淡水が有効だとか。
カキを養殖棚ごと河口などに引っ張っていくのだそうです。
ちなみにカキは汽水域など淡水が混じる所にとても強い生物です。
積丹半島 1月
色合いが違うけれど、形的にはツノヒラムシだなあ。
ちなみにこの時の積丹にはたくさんいました。ついでに言うと、この1ヶ月前の女川にもたくさんおりました。
ただし、積丹の方はごらんのようにちょっと目立つ色合い。
2021/3/4 これ、形的にはツノヒラムシではなく、ニセツノヒラムシの仲間ですね。
石浜 1月
形的にはツノヒラムシなのですが、模様が大分違います。
背中の黒い模様は何?
違う種類なのではないか、という気はすごくするのですが、とりあえず決定打が無いのでツノヒラムシにしておきます。
2021/3/4 これも形的にはツノヒラムシではなく、ニセツノヒラムシの仲間ですね。
本当にヒラムシは分からない…。
これ、どうやらエウリレプタ科の一種(Euryleptid sp.)のようです。
志津川 7月
東北の三陸海岸では、初夏の頃に繁殖活動をするらしく、こんな風に泳いでいる姿を異常に多く見かけます。
みんな水面を目指しているように思えるのですが、タイミングを合わせて一斉に放精、放卵するのかもしれません。
(左、右とも)志津川 7月
彼らの泳ぎを真横から見てみました。
バタフライみたいに見えますが、背骨が無いので体幹部自体を波打たせることはできなくて、体の両脇にある肉帯だけを波打たせて泳いでます。
しかも、力を入れているのは頭の方のほんの一部分だけ? あとは風呂敷みたいに脱力させているかのようにも見えます。
ちょうど、人間の子供が風呂敷をマントみたいに背負って、両腕で羽ばたいて遊んでいるような感じです。
女川 竹浦 7月
これは交接中でしょうか? 一瞬何の生物かよくわからないくらいくんずほぐれつな状態になってます。
2021/3/4 と思ったのですが、一つの個体が縮んでいるだけのようです。しかもツノヒラムシではないですね…
ミノヒラムシ Thysanozoon
brocchii
石浜 1月
背中にいぼいぼがあるので、そのものずばりでなくとも近縁種と思うんですが…。
石浜では気をつけて見てると結構あちこちにいます。
志津川 6月
新ポイントの志津川にいたものです。多分これも近縁種ではないかと。
しかしこいつらは肉食で、貝類の貝殻の隙間から入り込んで中身を食ったりするんだそうです。だから身体も平たいのだとか。
自分が貝の立場で考えるととんでもなく怖い生き物です。
ちなみに、カキ養殖場などでこのヒラムシの害が多くなった場合、カキのいかだを河口などの汽水域に引っ張っていくのだそうです。
塩分の濃度変化に強いカキには汽水なんてなんてことないのだそうですが、ヒラムシは全滅するのだとか。
オオツノヒラムシ Planocera
multitentaculata
(左、右とも)志津川 1月
転石の下などにいつも隠れている、非常に目立たないヒラムシ。
石をひっくり返しても気が付かれないこともあります。色も地味ですが、動かないし、またヒラムシらしく非常に平たくて存在感が無い。
ただ、ヒラムシにしてはちょっと固い身体をしてます。また1箇所に数個体が固まっていることもあります。
しかし例によって恐ろしい肉食生物です。
よく考えてみると、彼ら扁形動物は、ジストマとかいう連中もいて、我々人間すら食い物にしています。
こうやって捕食対象の身体に進入しやすい形態を突き詰めていくと、自然と寄生虫へと行き着くのかもしれません。
しかしそこは、決して宿主よりは上になれない進化の袋小路なのかも。
浮島 8月
タイドプールの石の下にいました。ちょっと大きめなので最初はウミウシかと思ったのですが、どうやらヒラムシのようです。
志津川 8月
この種の頭部? が気になったので拡大してみたんですが、触角ぽいものが5本?
奇数? じつはこの触角の本数は不定らしいですが、同定ポイントでもあるようです。
クロスジニセツノヒラムシ Pseudoceros gratus
伊豆海洋公園 10月
転石の下に隠れていました。
南方系で、結構大型になる種類のようですが、この固体は1センチくらいの小型です。
背面にある黒い3本の筋が特徴です。
シュードケロス・ニッポニカス Pseudoceros nipponicus
川奈 5月
シロウミウシに擬態していると思われるヒラムシ。
そんなものに擬態して何の意味があるのかよくわかりませんが、シロウミウシはウミウシの中では勝ち組に入る一般種ですから、まねをすると何かいいことがあるのかも知れません。
このヒラムシ自体もよく見かけられているようですが、まだ和名が付いていないみたいです。
プロスチオストマム・コマイ Prosthiostomum komaii
(左、右とも)広島湾 5月
広島湾、浅瀬のガレ場で石の下に隠れていたものです。
エラや外套膜が無く、触角の形からしてもヒラムシの仲間と思われます。
大きさは5mmに満たない程度。ちなみに100mmマクロに2倍のクローズアップレンズ付けて、さらにトリミングしてます(笑)
しかしこの模様‥。ちょっと芸術的かも。
(左、右とも)広島湾 5月
ちょっとフォトショでいじって見やすくしてみました。
背中の模様がミスジホソヒラムシ Prosthiostomum trilineatum にちょっと似てますが、この梯子状の模様が本種の特徴らしいです。
らしいというのはこの種の画像がネット上で見つからないからです。
そういうわけでとりあえずProsthiostomum komaiiとしますが基本的にツッコミ待ちです。
クロイロコウガイビル Bipalium
fuscatum
(左、右とも)東京都羽村市 6月
小雨の振る羽村の公園で、真昼間に見つけました。かなり小型の個体です。
陸生の扁形動物では珍しく、他の動物に寄生することなく生活している、「コウガイビル」の一種です。
もともと日本に生息していたのは本種だとか。私も子供の頃、庭の石をひっくり返しているうちに何度かこいつらに遭遇しました。
例に漏れず肉食ですが、ヒラムシと違って陸生巻貝やミミズを食するため、特に人間に害は無いとなっています。
しかし本種は実は真っ黒なはずですが、写真の個体はちょっと色が薄いですね。でもオオミスジではないと思うのですが…。
笄のような形をした頭を振り振り、かなり素早く移動します。
しかし何度見ても妖怪とかそんな類のような姿です。「ドロロンえん魔くん」のEDにこんな姿の生物がたくさんでてきていたような気が。
あと、最近だと「蟲師」でしょうかね。こんなビジュアルのモノがたくさん出てきてました。
とっても身近だけれど、できればあまりお近づきになりたくはない、といったところが妖怪に似た立ち位置と解釈されるのでしょうか。
神奈川県横浜市 2月
自宅の水道メーターの蓋の裏側に貼り付いていた個体です。昼間だからか、なんか猫みたいに丸くなってました。
あんまり冬は見かけないのですが、2016年の年明けは、冬なのに結構雨が多かったからかも知れません。
ちなみにこの水道メーターの近くには結構太ったナメクジが3匹くらいいたのですが、こいつの餌食になってしまったかな。
神奈川県横浜市 2月
こいつも水道メーターの近くにいました。左下の白い粒はナメクジの卵ですが、コウガイビルは卵も食べるのでしょうか。謎です。
神奈川県横浜市 8月
夏の蒸し暑い夜に帰宅すると、こいつがお出迎えしてくれました。
ふと思ったのですが、梅雨から初夏にかけて小さなナメクジが大発生するのですが、盛夏の頃にはすっかり見かけなくなってしまうのは、もしやこいつが大活躍してしまうから?
オオミスジコウガイビル Bipalium nobile
神奈川県横浜市 7月
非常に長いコウガイビル。外来種です。
(左、右とも)神奈川県横浜市 7月
この個体は30センチ位だったのでちょっと小型サイズ?
しかしこの大きさと良い色といい模様といい、人間に嫌われる要素満載です。
別に害はないはずなんですか。
セレブレトゥルス・シグネータス Cereburatulus signatus
羅臼 2月
冬場の羅臼で夜に潜ると、暗い氷点下の海中のあちこちで見かける不気味な生物。昼間は見かけませんし、また夏場のナイトダイビング中にも見かけませんでし
た。
大きさは20〜30センチくらいでしょうか。プラナリアの親分か、ちょっと幅広のコウガイビルの親戚みたいな姿です。
誰か正体を教えてください。
羅臼 2月
6年振り? にこいつと出会いました。流氷の浮かぶ時期の厳寒羅臼ナイトダイビングでなければ、会うことができません。
気が付いたことなのですが、
・頭部が尖っていて眼点らしきものが無い。よってウズムシの仲間ではない。
(写真の右側に向かってずんずん進んでいたのでこっちが頭部と思われる)
・体が平たいので、やっぱり扁形動物か紐型動物の仲間のように見える。
紐型動物門の何か…? やっぱりわかりません。
ちなみに氷点下の水温の海中で、かなり活発に動き回っていました。
2018/6
ようやくわかりました。
オロチヒモムシ科 Cereburatulus属の一種でした。
北大西洋原産らしいですが、岩手沖の深海やウラジオストック近海にもいるようで、太平洋北西部にも分布しているヒモムシの仲間でした。
ミサキヒモムシ Lineus geniculatus
石浜 3月
石浜の海底に寝そべってました。暖流系の生き物らしく、水温5℃の女川で見かけるなんてちょっと驚きかも。
でも手元の図鑑は古いので、最新の研究では北にも多いことになってたりして。
(そもそもちゃんと同定できているのか?)
石浜 12月
どれくらいの長さがあるのか確かめたくて、指示棒をつかってくるCereburatulus signatusくると手繰ってみたのですが、長い。ものすごく長い。
しかも色んな所を経由して寝そべっているので、途中から辿るのが不可能になりました。
話によると1メートルは普通に越えるとか。こんなに細いのにマジですか。
羅臼 3月
女川の石浜ではいつも見かけるのですが、羅臼では不思議と見かけない、なんて思ってたんですが、このときはたくさんいました。
かなり無防備に地上に姿をさらしている点では、石浜と同じです。
しかし100mm装備だったので、こんな端っこしか撮れませんでした。
黄金崎 7月
伊豆ではなかなか見かけるl機会が無いのですが、この日は結構目立つ場所にいました。
でも色合いがちょっと深緑。
ヒモムシの一種
八丈島 10月
平たくて細長いのでヒモムシの一種と思われます。全長2メートル以上。
唖然とするほどの長さ。さすが八丈島はあなどれません。
サナダユムシIkeda taenioides
石浜 6月
砂地に穴を掘って隠れている種類のようです。この長いのは吻?
刺激すると、下の方にある穴の中にするすると隠れてしまいます。
2021/2/7
てっきりヒモムシの仲間かと思っていたのですが、どうもユムシの仲間の吻だったようです。
なんと不思議な。
(左、右とも)石浜 7月
砂地をふらふら漂っていたものですが、ちょっとヒラムシのようにも見えます。
しかし砂に張り付いて這うような素振りはなかったし、模様的には以前見たヒモムシの一種に似ているので、ヒモムシってことで。
ヒモムシの一種その2
羅臼 3月
低水温時の羅臼は、この手の下等生物がやたら堂々と表を歩いている場所です。
そんなわけでこの生物なのですが、吻があるかどうか定かでないので、ヒモムシかどうかは実は判りません。まあ仮分類です。
でもこいつ、よく見るとあちこちにいるのです。
Cereburatulus signatus
羅臼 2月
上のアバチャンの写真、背後になにやら不気味な生物が写ってませんか?
なんか、最初の写真の生物が、そのまんま大きくなったものの一部に見えませんか?
もし同一だとすると、最初の写真の生物は1メートル近く成長するのかも。
不気味すぎる。
メノコヒモムシ Tetrastemma nigrifrons
石浜 3月
ホヤの上をのたのたと移動している謎の生物を見つけました。
体節が無く、平たい姿から扁形動物のウズムシか何かの仲間かと思ったのですが、時折非常に長い吻を伸ばして振り回します。
そういうわけで、おそらくヒモムシの仲間ではないかと。ホシムシなら、こんなに細長いフォルムはしていないと思われます。
メノコヒモムシと思ったのは、頭部が白っぽく、模様が付いていることからです。
しかし見た目はかなりキモい。
サメハダホシムシ Phascolosoma scolops
志津川 4月
海底に住んでいるなんとも奇怪な生物、星口動物の仲間です。
発見したときは上の写真のように、円筒状の身体を転がしているだけだったのですが。。。
(左、右とも)志津川 4月
観察しているうち、こんな風に、吻をにゅ〜〜〜〜っと伸ばしてのたうち始めます。
き、ききききききキモい。
ちなみにこのホシムシ、サカナのみならず人間の食物ともなるようです。確かに蛋白源とはなるでしょうが、いやしかし、これを食すのはちょっとキツすぎま
す。
(ちなみに黒い模様が目立たないのでサメハダホシムシなのかは疑問。でも小さかったので幼体?)
ハリガネムシ Paragordius tricuspidatus
(左、右とも)東京都羽村市 9月
カマキリの寄生虫として有名です。
写真の個体は、田んぼの水中でうねうねと蠢いていたのを拾い上げたものです。
固くて伸縮性が無く、本当にハリガネみたいな身体をしています。
乾燥すると動かなくなるのですが死んでいるわけではなく、水につけると復活するとか。
ちなみに成虫は何を食べて生きてるのでしょうかね?
ホウキムシ Phoronis australis
(左、右とも)大瀬崎 5月
ムラサキハナギンチャクの根元をよーく見ると、黒いもじゃもじゃしたものが生えていることがあります。
別に子供なわけではなく、ホウキムシという別種の生物です。
よく見るとケヤリムシみたいにも見えるのですが、もっと全然下等で単純な生き物なのだとか。
世界中で10種類程度しか見つかっていない、かなりマイナーなグループなようです。
全然レアじゃないんですけどね。
川奈 2月
こんな感じで密生してます。しかしムラサキハナギンチャクの根元以外の場所では繁殖しないでしょうか?
不思議です。
ヒメホウキムシ Phoronis ijimai
志津川 3月
ちょっと大きくしちゃいました。
ホウキムシよりはかなり小型で、スナギンチャクとも共生しません。
砂地の中の、ちょっと岩盤が露出している場所に群生していました。
(左、右とも)大瀬崎 6月
大瀬崎湾内に貼られたロープ近辺にいくつかのコロニーがありました。
志津川に比べて背景がにぎやかというかうるさい状態になってます。
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