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頭足綱 CEPHALOPODA
志津川 10月
「後ろにあるのは私の卵ですがそれが何か?」
海の中に関して言えば、無脊椎動物の王者のように思えます。体がでかい上に動作も活発。泳いだり潜んだり自由自在。群れを作って回遊したりもします。
浅場から深海まで、広範囲に分布しています。
スナダコ Cryptochiton
stelleri
石浜 12月
砂地にいる数種類のタコのうちの一つです。
明瞭な眼状斑が無いと、とりあえずスナダコってことにしますが、実の所正確ではないみたいです。
スナダコって結構大型になるのだそうですが、本州の砂地で、ダイビング中に見られるのは小型のものばかりです。
石浜 8月
生きてるうちからゆでダコみたいなポーズ取ってます。
しかしこの姿勢のまま砂に潜行します。夏場には卵を守って貝殻に篭城している姿も見られました。
タコってどいつもこいつも子煩悩です。
ミズダコ Octopus
dolfleini
(左、右とも)羅臼 5月
世界最大のタコ。まあ本当にでかいのです。なんでこんなに冷たい海にこんなにでかいタコが生息しているのかとっても謎。
深いところにいるのなら、他にも大型の生物がいるのですが、このミズダコは比較的浅いところにいます。
まあ食い物があるってことなんでしょうね。
左の写真は、水深37mと比較的深場にいた、抱卵固体です。岩の上に張り付いている山吹色のふさふさは、全て卵です。
体がすっかり紫色に変色して、おそらくもう長くは無いでしょう。
母ダコが命をかけて守った命は冷たく栄養豊富な海に巣立って行きます。
右は、ゴロタの上に座り込んでいた固体です。そんなに大きくない、若い固体のようです。
それでも頭(胴体)は余裕で私の頭二つ分くらいあるのですが。
(左)羅臼 4月
(右)石浜 5月
左のやつはかなりでかいです。育児中らしいが、水中でこの吸盤を見るとぎょっとします。
右のはそこそこの大きさ。この派手な模様がいかにもミズダコ。
春先には石浜にも結構でかいミズダコがやってきます。ふつうは岩陰に引っ込んでいるからまだいいけど、そのへんうろうろしてるのと鉢合わせしたら結構怖い
かも。
マダコよりも美味だとか。
(左、右とも)積丹半島 5月
上のやつもちょっと岩と見まごうほどの巨大タコでした。でもミズダコとしては標準サイズのようです。
羅臼 8月
夏場のミズダコです。大きさは普通サイズ。(とは言っても、他のタコに比べたらかなりでかいですけどね)
しかしこの年の羅臼のミズダコには逸話があります。ある石の下で抱卵をしていたメスが、志半ばにして亡くなり、卵達の命も風前の灯かと思われたところ、別
な若い固体が同じ場所にやってきて抱卵の続きをし、やがて卵達は無事孵化したとか。
本能的にあのような形のものを守るようにできているのでしょうか。不思議なチームプレー?
ちなみに石浜では、撮影用の固定カメラにいたずらして倒してしまったとか、ろくな噂を聞きませんが。
(全部)羅臼 12月
12月の羅臼ナイトダイビング中に出会った、小さな仔ダコです。
ガイドのSさんが海面下で見つけて連れてきました。左上の写真のような姿で浮遊していたようです。
夢中で何枚か写真を撮りましたが、今まで見たことの無いタコだということでちょっとした騒ぎになりました。
頭足類に詳しいAさんという方に写真を送ってご意見を伺ってみたのですが、ミズダコかヤナギダコの浮遊幼生らしいとのことでした。
両種とも、孵化した後はしばらく浮遊生活をして、それから着底して親と同じような生活に移っていくらしいのですが、浮遊幼生時代のことは結構謎が多いらし
いです。
そんなわけで、上の写真は結構貴重かも。
女川 竹浦 7月
竹浦でまだ名前も無いポイントにいた、やや小型の個体です。
全身を白っぽく変色させてますが、これは威嚇してるっぽい。
ヤナギダコ Octopus conispadiceus
(右、左とも)羅臼 12月
割りとレアなタコ。写真は幼体ですが、成長すると結構大型になり、食用としても漁獲されています。
味はマダコやミズダコより落ちるそうですが、実際に食してみたことはありません。
目と目の間にスジみたいな模様があるのが目印だとか。
ヒョウモンダコ Hapalochlaena
fasciata
(左)伊豆海洋公園 12月
(右)大瀬崎 2月
有名な毒タコ。でも綺麗なので熱帯魚屋さんでも売ってます。被写体としても人気。
しかし左の奴はなんでこんなにビリケン状態(頭がとんがっている)なの?
大瀬崎 12月
ヒョウモンダコは見つけると、いつも一生懸命擬態をしているのですが(上の写真のビリケン状態など)、これは割と素のタコの形をしてます。
ちょっと移動中っぽかったですが。
しかし大瀬崎ってヒョウモンダコ多いですね。
熱海 7月
なんかヒョウモンダコっぽいなとは思ったのですが、大きさがちょっとでかいのです。
何か違う種類のタコなのかも。
マダコ Octopus
vulgaris
(左)大瀬崎 3月
(右)川奈 3月
まあタコはタコなのですが、しかし見れば見るほどへんてこな生物。でも愛嬌はあります。たこちゅ〜ですよ、たこちゅ〜。悪魔なんてとんでもない。
ちなみに右は抱卵中の個体。奥に白い卵が写ってます。写真は3月ですが、6月になってもまだ卵を守ってます。
大瀬崎 1月
なんだか眠そうです。
いや、まぶしいのか。
石浜 1月
まるで煙突のようにスミを吹き上げています。
タコのスミは煙幕のように広がりますが、流石にタコ自体を隠すほどではありません。
それでも敵を驚かせたり戸惑わせたりするのには十分かも。
タコは持ち技が豊富なので、スミを吹かなければならないのは最後の手段、かなりの緊急事態と思われます。
石浜 10月
海藻の陰で、コンクリートの壁にぴったりと張り付いていました。
これは何の擬態でしょう? もしやイトマキヒトデ…?
女川 10月
マダコのハッチアウトです。親の吸盤の辺りに、生まれたばかりの子ダコがいます。
かなり偶然に撮れたのですけどね。。。
志津川 1月
これ、マダコの幼体みたいに見えますが、これで成体の可能性もあるのだそうです。
だとすると全くの別種ということになります。
正体がまだわからないので、とりあえずマダコと一緒にしておきますが。
シマダコ Callistoctopus
arakawai
(左、右とも)小笠原 1月
小笠原にはたくさんいました。ものすごく美味しいらしい。確かにゆで済みみたいな色合い。
沖縄本島 10月
砂辺海岸のリーフ内、水深1m前後の場所に潜んでいた個体。
なぜか身体を白っぽく変色させています。
ちなみにマダコは沖縄にはいません。また、シマダコは世界一分布範囲の広いタコなのだとか。
シマダコこそ標準のタコにすべきっぽいです。
イイダコ Octopus ocellatus
川奈 3月
川奈にミミックオクトパス他、妙なタコが発生しているときに見つけました。
枯れ葉のようなものが水中を漂っていて、よく見るとタコでした。突付くと写真のように着底し、スナダコのようなポーズをとります。しかし胴体の形がちょっ
と違
う。砂に潜りません。
結局カレイのように海底すれすれを泳いで逃げましたが、ミミックより足が短く、ホワイトオクトパスより足が細く、スナダコみたいに砂には潜らない。
よく見ると足の付け根に眼状紋があります。とりあえずイイダコってことにしました。
このタコは白いものを襲う習性がああるとかで、白い瀬戸物のルアーで釣れるそうです。
ヨツメダコ Octopus
areolatus
石浜 5月
足の付け根のリング模様が金色ならイイダコ、青っぽかったらヨツメダコだそうで。。一生懸命砂に潜っています。
(左、右とも)石浜 8月
名前の由来は、この飯粒みたいな卵らしいです。体の大きさに比べるとかなり大きな卵です。
左の写真はもうハッチアウト寸前。で、右の写真がそのハッチアウト直後の姿です。卵黄付いてます。
アオイガイ Argonauta argo
島根半島 8月
貝殻を持って浮遊するタコ。とりあえず貝殻だけです。結構な深場に落ちていました。
この貝殻は取り外し可能だそうで、こうやって殻が落ちていたからといって持ち主が死んだのかどうかは分からないとか。
写真を撮ったのは真夏ですが、多く見られるのは水温20度前後の寒い時期だそうです。
青海島 5月
ついに成体に出会えました。
島根と地理的に近いように思えますが、青海島にアオイガイが現れたことはなかったのだそうです。
しかしなぜか、2013年の春に大発生、というか大挙して押し寄せてきました。
腕の一部が殻を抑えるように平たく変形しているのがはっきりわかります。
青海島 5月
根っから浮遊性の生物なため、生息域は世界中の海、と言われています。流されればどこへでも行くのでしょう。
なぜか島根での目撃例が多く、あと岩手の三陸海岸でも、しばし打ち上げられていると聞きます。
青海島 5月
タコかと思っていましたがこれ、アオイガイのオスの未成熟個体のようです。
オウムガイ Nautilus
pompilius
アクアマリンふくしま 4月
パラオには、こいつを深みに沈めた籠で捕らえて、ダイビング中に皆で愛でる、「ノーチラスダイビング」というものがあるようですが、これは残念ながらダイ
ビング中に撮ったものではなく、水族館のものです。
水深100メートル以深に生息し、4億年近く生き延びている、まさに生きた化石のような生物だとか。
しかし、ブルーコーナーあたりのアップカレントに流されて上がってきたりしないんでしょうか。
以前に、ブルーコーナーでかなり潮当たりが激しい中で粘ったことがありましたが、ガイドさんが「深場から変なのが上がってくるのを期待してた」とか後で
言ってました。まさかコレが上がってくるの?
ヤツデイカ Octopoteuthis sicula
青海島 5月
深海性のイカの幼体です。
イカなのに腕が8本しかありません。
(左、右とも)青海島 5月
春の青海島にはたまに現れるようで、すごくフォトジェニックな姿をしています。
成体も日本海に生息しているようです。
ヤリイカ
Loligo bleekeri
(左)大瀬崎 1月
(右)石浜 5月
大瀬の湾内ってたまに漁船が入ってくるけど、あれってこいつを捕りに来てるんでしたっけ。季節によって違うのかもしれませんが。
しかしこの透明感がとてつもなく美味そう。イカ刺し〜。
アクアマリンふくしま 4月
なぜか大き目の水槽で大量に飼育されていました。
しかしイカって基本的に1年しか生きないので、こんなふうに水族館で飼育したって1年以内にバタバタと死んでしまうわけです。
繁殖しない限り。
ちなみにこの水槽には、飼育が困難な生物、という説明が付いていました。しかし、どうして困難なのかは明記されていませんでした。
2011.10.23
ヤリイカの人工飼育についてはWikipedia等に記載されています。最初に成功したのは専門外の脳科学者の方だったとか。
アンモニア濃度の厳密な管理が必要なのだそうです。
ヒメイカ Idiosepius
paradoxus
(左)石浜 9月
(右)川奈 3月
最小のイカで、このサイズで成体だそうです。1センチくらい?
だが気をつけて見ると、時々水中に漂っています。
青海島 5月
浮遊生物のメッカ青海島で海面下の中層を泳いでいると何だか見慣れない小さなイカが!
なんだこりゃー! と追い掛け回すと、だんだん下に潜航していくではありませんか。
そして海藻の隙間に逃げていきました。この動きは明らかに浮遊生物ではありません。
そんなわけでヒメイカだったのでした。
コウイカ Sepia
esculenta
(左)伊豆海洋公園 4月
(右)川奈 6月
感情の起伏でくるくると色が変わって面白い。伊豆あたりの岩礁帯に普通にいます。左の個体は最初サラサエビを咥えてましたが、もうすっかり食べ終わってま
す。腕の下のほうにちょっとだけ触角がはみ出てるような気がしますが。
右の奴は砂地の保護色でしょうか。眠ってるような気もしますが。
三保 11月
ちょっと良いサイズの個体です。
川奈 5月
砂地でじっとしていた個体に正面から寄ってみました。ちょっと驚いて逃げ出そうとするところです。
ボウズコウイカ Sepia erostrata
(左、右とも)川奈 10月
川奈ビーチのゴロタと砂地の境をかなり沖に行ったところにいました。
変わった模様が出てますが、褐色ベースで小型なところからボウズコウイカではないかと。
しかし左の写真、目が人間みたいで怖い。
テナガコウイカ Sepia longipes
(左、右とも)川奈 10月
オスの第1、第2腕が長く伸びる種類です。あんまり見かけたことないのですが、この日はなぜか複数個体に出会いました。
右の写真と左の写真は別の個体です。
いずれも川奈ビーチのやや沖合い、ゴロタ地帯です。
スジコウイカ Sepia
tokioensis
(左、右とも)井田 3月
腹面に黄褐色のスジがあるコウイカ。
このスジは何か興奮すると目だって現れるようです。てか、これが無いと見分けられません。
三保 11月
ペアで泳ぎまわっていた個体です。
エゾハリイカ Sepia
andreana
石浜 9月
石浜の海底近くをすいすいと泳ぎまわっているイカ。夏から秋にかけてはよく見かけます
コウイカとの違いは目の上および腕の付け根の金色の帯だとか?
石浜 9月
中指立てて怒ってます。
このときは他のダイバーと連携してこやつを取り囲んで逃げ場を無くし、みんなで写真を撮りまくりました。
上に逃げればいいのにねえ、とか思ってたんですが、最後まで上には逃げませんでした。
志津川 8月
エゾハリイカの卵です。カイメンの中に産卵します。
見たことはありませんが、たぶんコブシメみたいに足をすぼめてカイメンの穴の中に産卵するのでは。
2020/9/21
ちなみに浅虫水族館で、飼育下でエゾハリイカの孵化に成功した模様です。
石浜 6月
威嚇してますが、なんかハートマーク作ってるようにしか見えません。
アオリイカ Sepioteuthis
lessoniana
(左)伊豆海洋公園 10月
(右)川奈 6月
春から夏にかけて、ずいぶん長い間産卵し続けてます。伊豆のほとんどのビーチスポットで、こいつの卵が観察できます。
ちなみに先日、ジンドウイカの交接&産卵シーンを目撃してしまいました。伊豆ではなくて石浜でのナイトダイビング。その時にガイド氏が撮影した写真が某マ
リン企画の雑誌2002年秋号に載ってたのでびっくり。
そのときに私も撮影しなかったのか? ということですが、実はその1本前のダイビング中にデジカメが水没して撮れなかったのでした。
(左、右とも)川奈 5月
2005年5月にようやく見た、アオリイカの産卵シーンです。
つーか今まで見たことのあるアオリイカよりぜんぜんでかいのですが。この産卵しに集まってる個体たち。
ちなみに大きい方がオスだとか。メスがでかい方がたくさん卵を産めるような気がするんですがね。
しかし上の写真、アオリ見物のダイバーが多くて、結構透明度がいい日だったのにずいぶん見通しが悪くなってます。
ちゃんとした写真撮りたい人は大瀬崎の早朝とか狙うんでしょうね。
(全て)大瀬崎 5月
そんなわけで大瀬崎の午前中に見た、産卵活動中のアオリイカ達です。
川奈や浮島で見た個体に比べると若干小ぶりですが、数はものすごい。
豊富に繁ったホンダワラのせいかもしれません。
特にオスは、メスにいい所見せようとしているのか、カメラを持って近寄っても物怖じしません。
正直言うと、もっと色々撮ってみたかった。
(左右とも)大瀬崎 6月
2011年も、アオリイカたちは沿岸にやってきて産卵行動をしていました。
しかしやっぱり大瀬崎の個体はちょっと小型な気がする。
大瀬崎 5月
人為的に沈められた産卵床に産み付けられた、新鮮な卵のうです。
しかし、陸上の木の枝に産み付けられているのを見ても、なんかちょっと違和感が…。
いや、この違和感こそが、人造ダイビングポイント大瀬崎たるゆえんなのか。
川奈 7月
盛夏の頃、水面にぷかぷか浮いている流れ藻やゴミの陰に身を隠している子イカたちです。
ほんの2〜3ヶ月で結構イカっぽくなるものですね。
というかイカの成長速度は実際すごいらしいです。その代わり寿命は短いとか。
初島 9月
晩夏になってもまだぷかぷか浮かんでいました。
若干成長しています。これ以上大きくなると、もう少し深場に移動するみたいですね。
ちなみに撮影場所の水深は70センチくらいです。撮影に熱中していると打ち上げられます。
三保 11月
沖提近くの中層にいたのですが、触腕を目一杯伸ばしています。
近くには獲物になりそうな小魚がたくさん。
(左、右とも) 石浜 8月
女川で見つかったアオリイカの卵塊です。実は最北端のアオリイカ産卵らしいです。
もともとこの辺りはアカモクの密集地帯だったのですが、夏になってアカモクたちは全て倒れてしまいました。
それでこの写真のように地面から生えるような状態になってしまっています。
伊豆辺りだとホンダワラに産み付けるのですが、ホンダワラは流れ藻になって漂っていきますので、卵も一緒に漂って行きます。
アオリイカの幼体にとっては都合のいい話です。
しかしアカモクの場合はどうでしょう、地面に倒れこんでしまっては、ヒトデやウニに襲われる恐れがあるような。
アオリイカの成体自体は、東北地方でも結構目撃されているようなので、どこかで繁殖しているはずなのです。
この卵塊の行く末が気になるところです。
ミミイカ
Euprymna morsei
(左、右ともに)石浜 7月
砂にもぐった後、腕を二本だけ出して目の上の砂を掃除するので有名ですが、このときはやってくれませんでした。
以前、利島で見つけた個体は得意の砂掃除をきっちりやってくれたので、何度も砂から掘り出され、そのうち疲れたのか掃除しなくなってしまいました。こうい
うの動物虐待って言うかも?
ちなみに腕の吸盤が4列あるそうなのですが、例の威嚇ポーズを取ってくれないと確認できません。
ダンゴイカ Sepiola
birostrata
羅臼 2月
ミミイカよりもっと小型の種類。夜間になると活発に動き回ります。
上の写真はナイトダイビング中のもので、中層をふわふわと漂ってました。
光を当てると段々と高度を下げ、砂の中に逃げ込みます。
羅臼 3月
これもナイトダイビング中に見つけたものです。
この日はオキアミが沿岸に押し寄せて大変な状態になっていましたが、こいつらにとっても捕食のチャンスだったかも。
しかしこの個体は最初から着底状態でした。
チョウチンイカ Inioteuthis
japonica
羅臼 3月
他のダンゴイカと比べて、鰭が前寄り。あと、頭部と外套膜が癒着しているのが特徴だそうです。
こいつがいたのはトド岩近辺の水深12〜3m近辺。中層を泳いでいました。
しかしオキアミ邪魔。
ボウズイカ Rossia
pacifica
(左、右ともに)羅臼 4月
大陸斜面あたりにたくさんいるイカ。羅臼はドン深なポイントだから、こういう生き物が上がってくるらしいです。
でもなんか足が少ないような。と思ったら足が8本なのが標準なようです。
(いや実は10本でした)
(左、右ともに)羅臼 12月
深海イカのはずなんですが、かなりの浅場にいました。
しかし本当にタコっぽいイカです。「ミミダコ」なんて呼ぶ地方もあるとか。
右の写真なんか姿勢がタコみたい。水中で見た姿も、丸っこくて大変にかわいらしい。
でも、カメラ持って追い掛け回すと、一応イカっぽい戦闘姿勢を取ります。
ジンドウイカ Loliolus
japonicus
(左、右とも)石浜 8月
2003年はやたらと水温が低くて、8月になってもジンドウイカの卵はこんな感じです。(8月なのに12〜14度!!)
まだ卵黄から栄養を摂取している状態でしょうか。
以前、GWに交接&産卵シーンを目撃したこともあります。なぜかカメラ無しだったのですが(T_T) (←昼に水没していた)
石浜 7月
ちなみに、卵塊はこんな風に砂地に固定されています。
(左、右とも)石浜 5月
時期的には、おそらく最初の写真の卵と同世代の個体。透明度の悪い水中で、中層より上の方にいるので、なかなかダイバーの目に止まることはないようです。
写真の個体も、なんか上の方からやにわに視界に入ってきました。
取り囲んで逃げられないようにしたら、例のムエタイっぽい?ポーズをとってくれました。最終的には上の方に逃げていきました。水温がまだ低い(8℃)ので
産卵体勢には入っていないようですが。
ホタルイカ Watasenia scintillans
(左、右とも)滑川 4月
富山湾の名産品として有名なイカ。とっても美味。
昼間は深海に生息し、夜間浅いところに上がってくるので、ナイトダイビングで観察できます。
写真は滑川のナイトダイビングで撮ったものです。この後にミッドナイトも1本行ったのですが、もう影も形もありませんでした。
群ごと何処かへ移動したようです。
季節的には、春の終わり? GW前くらいが良いようです。
ドスイカ Berryteuthis
magister
(左、右とも)羅臼 2月
基本的に1000メートル近い海底に生息する深海生物です。
しかし冬場の夜間は沿岸に上がってくるようで、羅臼のナイトダイビングで普通に見かけることができます。
光を当てると、なぜか写真のように砂地に落っこちてしまいます。
ちなみに羅臼の道の駅では、こいつの生の切り身が1匹分100円くらいで売ってました。
イカフライとか、ボイルしてからサラダなどに入れると美味しい。加熱すると身が柔らかくなるみたい。
(左、右とも)羅臼 12月
前回の写真よりほぼ1年後ですが、またナイトダイビング中にドスイカが現れるようになりました。
ところで、ナイトダイビング中には車のライトを点けっぱなしにしてエントリーポイントを照らしているのですが、そのライトに呼び寄せられたのか、エキジッ
ト後に数匹のドスイカが打ち上げれているのを発見しました。皮膚が弱いので、既にボロボロの状態です。
珍しいこともあるものですね。
テカギイカ Gonatus
sp.
羅臼 4月
羅臼で初めて観察された、世にも珍しい、抱卵するイカ。
親は80センチくらいで、卵塊を腕の間に抱え込んで泳いでいるとか。
5月の半ば頃が親の撮影時期だそうですが、実際には4月末から沿岸に来ているらしく、上の写真のような稚イカがたくさん見られます。
しかしこの時期の羅臼の海中は本当にプランクトンだらけ。テカギイカの赤ちゃんも食料には困らないでしょう。
ちなみに背景は、3本指グローブをつけた私の指。水温は0℃。
羅臼 5月
5月頃の浅場には、このテカギイカの赤ちゃんが本当にたくさんいました。
でも親にはやっぱり会えないんですね。難しいものです。
(左、右とも)羅臼 5月
2006年の春は、やたらとテカギイカの死体に当たった年でした。
羅臼の海上で時折、カモメたちが我先に海へと突っ込んでいく風景が見られるのですが、それはどうやら、抱卵状態で海面近くまで浮上してくるテカギイカの母
親を狙っている行動らしいのです。
襲われたテカギイカは抵抗するすべも無く、無残に内臓だけを抜かれた姿となってしまいます。それが上の写真です。
これがやがて海底まで落下し、今度はヒトデたちの餌食になるわけです。
しかし、カモメに襲われるのは親だけで、足腕の間に抱えられた卵は無傷です。そこから生まれた稚イカたちは、栄養豊富な浅い海に巣立っていきます。
こういうことを、文章ではなく写真一枚で伝えられたらいいのですが。
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