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棘皮動物
Echinodermata
石浜 10月 アルカイックなデザインの太陽みたいなエゾニチリンヒトデ。
この動物門が私は大好きです。
なんとなく愛嬌があってしかも美味しいナマコ。言わずと知れた高級食材のウニ。
あと、海といえばやはりヒトデ。
マンガ表現において、白い紙にヒトデと波線を描くとそこはたちまち浜辺になり、女性のバストにヒトデを描くとたちまち人魚に変身する。(←しないって
(^^; )
しかもヒトデはタフです。彼らは生活の多くの部分で人間と対立し、しばしば「駆除」の対象になるなど、悪役の名を欲しいままにしています。ばらばらになっ
ても復活し、毒物(ヒトデサポニン)で武装して捕食者を寄せ付けない。
ある意味完成された海中生物ではありませんか。
オニヒトデ Acanthaster
planci
渡嘉敷島 6月
まさに悪役。嫌われ者中の嫌われ者とでも申しましょうか。ある意味ヒトデというものの立ち位置をもっとも端的に表している、定冠詞をつけて「THE
ヒトデ」とでも呼びたくなるような存在です。
人間を含めた多くの生物に害をなし、貪欲で繁殖力旺盛で、昼も夜も活動を続ける勤勉さをも持ち合わせています。
なんつーか珊瑚礁のピカレスクヒーロー。
エゾニチリンヒトデ Solaster
dawsoli
(左)石浜 1月
(右)石浜 2月
南三陸では普通のヒトデです。まあまあでかいヒトデで、他のヒトデを襲って食べます。マヒトデやイトマキヒトデの上に乗っかって食ってるところを何度も見
たことがあります。
左の写真は、繁殖期でハァハァしているところ。翌日には以下のような状態になっていました。
石浜 1月
全部の足の間から放精してます。
石浜 12月
二枚貝か何かを捕食中のイトマキヒトデをさらに捕食中のエゾニチリンヒトデ。
北の海はヒトデだらけですから、こういう食性ができるのも当然といえば当然ですか。
石浜 8月
今度は、マヒトデを襲って食ってるところ。よく見ると、エゾニチリンヒトデの方がマヒトデより小さいような気が。
イトマキヒトデ Asterina
pectinifera
石浜 11月
日本中に普通にいるヒトデ。カレイ釣りなどでまめに仕掛けを動かさないと、大体こいつが釣れます。
なんだか熱い抱擁を交わしてますが。
石浜 12月
イトマキヒトデの抱擁が気になって、申し訳ないがちょっとばらしてみました。
で、出てきたのが上の写真のようにしわしわになったホヤ。
ヒトデたちが死んだホヤに食いついてきたのか、それとも何かのきっかけで生きているホヤに集まってきて殺したのか、どっちなのかは不明です。
ホヤは逃げも隠れもしないので、その気になればヒトデはホヤ食い放題なんですが。でも食われているホヤはほとんど見かけないので、こんな風に襲われるのは
何か理由やきっかけがあるような気がします。
羅臼 10月
サケの死骸に群がっているところです。秋に戻って来るサケは、彼らにとっても自然の恵みなんでしょう。
考えてみると、こいつらサケの刺身食ってるんだな。
石浜 12月
またまたサケの死骸に群がっているところです。
しかし石浜には、他にもマヒトデやニッポンヒトデ、エゾヒトデなど死肉を食べそうなヒトデがたくさんいるのですが、こうしてみると見事にイトマキヒトデだ
らけ。
食いしん坊なのか、それとも意外と機動力に優れているのか。
でも、キタムラサキウニばかりが群れているところも見たことがあるので、実は同属以外を排除するような物質を分泌しているのかもしれません。
石浜 8月
7本足です。もっと多いのもいるかもしれませんが、イトマキヒトデといえば星型なのでちょっと違和感が……。
石浜 1月
緑とオレンジの配色比率が普通と逆転している個体です。
もしや違う種類なのかも知れませんが、今のところよく分かりません。
羅臼 9月
繁殖行動と思われます。
しかしこれだけありふれた種なのに、こんな行動を取っているのを見たのは初めてです。
アカヒトデ Certonardoa
semiregularis
神子元島 11月
むちゃくちゃ普通のヒトデ。南にも北にもいます。
よく見ると足にコブがあり、ヒトデヤドリニナとかヒトデナカセガイが寄生しています。
まあばらばらになっても平気でよみがえるんだから寄生虫くらいなんてことないのかも。
ちなみにこいつらの好物はアワビの幼貝だとか。しかしヒトデはみな基本的にグルメかつ大食漢ですね。
川奈 9月
珍妙な姿勢をとっていますが、おそらく生殖活動と思われます。
このまま見ていれば放精、放卵のどちらかが観察できたかも。
アオヒトデ Linckia
Laevigata
串本 8月
珊瑚礁域では最も普通のヒトデだそうです。
こいつは熱帯魚屋さんで700円で売ってました。デトリタスを食べるので水槽の掃除屋さんに良いとか。
ちなみにこの写真は、決してシェーの恰好をさせようとして途中であきらめたといったものではありません。
ゴマフヒトデ Linckia
multifora
沖縄本島 10月
ピンクっぽい地色に赤い斑点のあるヒトデ。腕の先っちょは青みがかった色になります。
南方性で、温帯から熱帯の浅場に普通にいます。
すぐに自切して増えるので、腕の長さがばらばらな個体のほうが普通だとか。
オオアカヒトデ Leiaster
leachi
(左、右とも)大瀬崎 2月
伊豆周辺だと一番でかいヒトデ。裏返すと色んな生き物がいます。
伊豆海洋公園 2月
海洋公園の砂地、ブリ待ち側の深場にいました。やっぱりでかくて存在感があります。
ルソンヒトデ Echinaster
luzonicus
沖縄本島 10月
サンゴ礁域に多く生息するヒトデ。富山湾や四国など温帯域にもいます。
6本腕が基本スタイルという、ちょっと変り種のヒトデです。
色彩変異が多く、色では見分けが付かないようです。
またヒトデの中でも再生力が強く、無性生殖でどんどん増えるとか。
しかし、サンゴ礁域のヒトデって、オニヒトデ以外はどうにも地味で目立たないんですよね。
役者が違うというか。
ヒメヒトデ Henricia
nipponica
志津川 3月
小型のヒトデで、なかなか見つかりません。
ちなみにこのヒトデは、メスが抱卵をするという珍しい習性があります。
上の写真は抱卵中で、捕食中の姿勢のように見えますが、実は腕の間に卵を抱きかかえています。
志津川 3月
これは裏から見たところ。腕の隙間から、かなり粒の大きな卵が見えます。これらの卵は、稚ヒトデの姿で生まれてくるのだとか。
ちなみに腕はもっとぴっちりと閉まっていて全く卵は見えなかったので、ちょっとだけ引っ張って開いてもらいました。すまん。
もちろん時間がたつと腕はまた元通りぴっちり閉まってしまいます。
タコヒトデ Plazaster
borealis
石浜 2月
写真が見難いですが、こいつを見たときはたまげました。
岩の上にヒダベリイソギンチャクが付いていますが、こいつらの直径は5〜6センチはあります。
それに対してこのヒトデの足の長さはなんでしょう。30センチくらい? てことは直径60センチ?
こんなでかいヒトデは見たことありません。鹿児島の徳之島にいるヒトデ(オオフトトゲヒトデ)が日本最大だそうですが、そのヒトデは5本足。
対してタコヒトデは39本も足があります。見た目のインパクトが段違い。
この岩、タコヒトデがはりついている部分の下がオーバーハングのようになっていて、そこにダンゴウオがくっついていました。
この時のお目当てはそのダンゴウオだったのですが、どういうわけかこんなでかいヒトデが同じ岩に貼り付いてて、「危うしダンゴウオ!」みたいな気分になっ
てしまったのですが、まああんまし関係ないのでした。
ハマグリやアサリを馬鹿食いする超凶悪生物なんだそうな。こんなにでかければ、そりゃ食う量もすごいでしょうね。
積丹半島 5月
こっちは標準サイズのようです。やたらとたくさんいました。しかし足の数が足りなくないすか?
石浜 7月
超久しぶりに石浜でこいつを見ました。5年ぶり?
気のせいかと思っていましたが、やっぱり石浜にいるタコヒトデは身体がでかいです。
上の個体も、私が持っている支持棒の長さと足の長さが同じくらい。どうなってんの?
石浜 12月
2008年はこいつらの当たり年? だったようです。この日もたくさんいました。
上の写真の個体、短い腕が何本か生えかけてます。ちぎれて再生しているものと思われますが、こんなにたくさん腕があるのに、いつも数をそろえる必要がある
のでしょうか。
そもそも本来、何本腕があるのが正しいのでしょうかね?
志津川 8月
志津川では初めてみました。なかなかの良いサイズ。
ガイドさん(女性)は超嫌がってましたが。
フサトゲニチリンヒトデ Crossaster
papposus
(左)石浜 1月
(右)石浜 3月
暖色系の色合いがいかにも北方系の生物って感じ。石浜が雑誌で紹介された時に、こいつの写真も載っていた記憶があります。
とってもありふれたヒトデですが、マクロで思い切り拡大すると結構面白い。右の写真はスーパーマクロモードで拡大したもの。コンペイトウみたい。
よく石浜の小さな魚の背景として写っています。
カスリマクヒトデ Pteraster
tesselatus
羅臼 10月
深場にいる種類なようです。見つけたのはドロップオフのあたりでしたので、20メートル以上はあります。
結構稀な種類らしいんですが……だからどうしたと言われればそれまでなのですが。
羅臼 9月
鮮やかなオレンジ色、触るとぶよぶよというかふかふか。クッキーみたいな外見。
意外と人気出るんじゃないかと思うんですが。まあ基本的に深海生物なわけですが。
シュイロヒメヒトデ Henricia
leviuscula
石浜 12月
北方系の小型ヒトデ。だいたい赤っぽい色をしています。
別な種類の幼体みたいにも見えますが、上の写真のように繁殖行動も取るので、これで成体なのは間違いないでしょう。
石浜 12月
これもカラーバリエーションなのでしょうか???
大きさや形的には近いと思うのですが……。
マヒトデ Asterias
amurensis
石浜 8月
ザ・ヒトデ。キングオブヒトデです。
ホタテやカキの養殖場に侵入して食い荒らす。しかも分裂してあっというまに増殖する。大顰蹙生物です。
日本のあちこちでたまに大繁殖してるようです。なので図鑑にまで、「見つけたらこまめに干そう」とか書いてあったりします。
あんまり大繁殖するので、利用しようとした人がいたらしいですが、食えば不味い、干して肥料にすると作物の生育が阻害されると言う感じでほとんど利用価値
が無かったとか。
ヒトデサポニンが蛆虫の脱皮を阻害する効果があるとかで、トイレに投げ込むといいという話もあようです。まあ最近は汲み取りトイレはほとんど見なくなりま
したが。
石浜 10月
真っ白い個体です。アルビノ?
広島湾 5月
今度は黒っぽい個体です。まあ地理的にはだいぶ離れていますが。
ちなみに広島湾もかなりヒトデが多いです。
石浜 3月
こんな風に砂に潜るような行動もよく見られます。
砂の中にいる貝類を探しているのだとか。
ただ、モミジガイなどのように深く潜行することはできないようです。
志津川 7月
定番の、二枚貝を捕らえて食べている所です。貝は既に息絶えているものと思われます。
ヒトデは二枚貝を窒息させるとか言われてたりしますが、こうしてみると何も考えずに外部胃袋で食おうとしてるように見えます。
ただ、ヒトデは棘皮動物で、例のキャッチ結合組織の持ち主ですから、長い間同じ姿勢でいたり、長い間同じ方向に力を入れ続けるのが得意だったりするわけで
す。
我慢比べをしたら勝てる生物はいないでしょう。
羅臼 3月
色的にはこいつの幼体のような気がするのですが。
大きさ1センチくらい。こんな嫌な奴にも可愛い?時期があったんですね。
羅臼 9月
これは大きなマヒトデです。
ちなみにINONのZ-240は直径10センチですので、足の長さ25センチくらい?
ちょっとちょっと、マジですか。何食ってるんですか?
エゾヒトデ Aphelasterias
japonica
志津川 11月
もろ北方系のヒトデ。色彩に乏しい北方の海中では、ヒトデは結構派手な色彩を披露してくれるのですが、こいつも暖色系のカラーリングでちょっと目を惹きま
す。
ちょっとヌメハダヒメヒトデ(Henricia pachyderma)っ
ぽい気もするのですが、今のところ相模湾以外では発見されてないとのことなので。。。
(左、右とも)石浜 8月
カドリナウミウシとのツーショット。聞いてカドリーナ♪ 足が4本生えてきたの♪ ちょっとヒトデっぽい?
しかし石浜で適当に写真を撮ると、フレーム内に棘皮動物が入ってこないことの方が珍しいです。
石浜にはヒトデ好きのフリソデエビやホラガイの類、ナマコ好きのヤツシロガイ、ウニ好きのカワハギ達はほとんど生息していません。
天敵が少ないわけだから、繁殖し放題? 怖いのは餓死くらいとか。
上の写真の個体は再生途中ですが、ヒトデは自分で自分の身体を引き裂いて無性生殖することがあるようです。異性と出会う確立を増やし、厳しい海底の環境内
で、なるべく自分の遺伝子が後世に残るようにする工夫とか。
ということは、人間でも結婚で悩んでいる方は、自分のクローン人間を増やせば、出会いの確立も増える?
まあ10人ぐらい作れば、1人2人は幸せな結婚ができるかも?
石浜 12月
穴に入り込んで何かを捕食してます。
ヒトデ類は、こんな感じで砂にもぐりこんで貝を食べてる様子がよく観察されてますが、こんな風に石の穴にも入り込むようです。
イシマテでも食べてるんでしょうか。
不明ヒトデ
(左、右とも) 島根半島 8月
島根半島にたくさんいたのですが、どの種か分かりません。
背面の模様がHacelia attenuataに似ているような気がするのですが。
不明ヒトデその2
羅臼 9月
雰囲気的にはヤツデヒトデですが、腕は5本だし、模様もちょっと違う…。
エゾヒトデの親戚?
ジュズベリヒトデ Fromia
monilis
(左)小笠原 1月
(右)八重山諸島 10月
熱帯魚屋さんで売っていることもある、世にも珍しい観賞用ヒトデ。
確かに色が派手です。
アライボヒトデ Gomophia frianti
沖縄本島 7月
色も姿も派手なヒトデ。背中の赤いイボが目立ちます。こいつも観賞用に売っててもおかしくないかも。
サンゴ礁ではちらほらと見かける程度の存在。大体、サンゴ礁ではヒトデはそんなに目立つ存在ではありません。
ニッポンヒトデ Distolasterias
nipon
(左、右とも)羅臼 4月
わりと大型のヒトデ。ニッポンなんて名前がついてるけどそんなに広く分布しているわけではないみたい。
水温が低くなると写真のように腕をくるくると巻き始める。なんで巻くのかは謎。
(寒いから、という説もあります)
羅臼 9月
ちょっとハウジングと一緒に撮ってみました。
ちなみにこのハウジング、カメラ部分の横幅は20センチくらいです。
だいたい腕の長さがそのくらいってことですね。やっぱでかいです。
ニシキキタヒトデ Evasterias
retifera
羅臼 10月
北方系のヒトデで、背中が蛍光気味の青紫、腹側はオレンジ色となんだか派手な色合い。
それにしても、なぜかイトマキヒトデと手を繋いでいるみたい。
トゲモミジガイ Astropecten
polyacanthus
石浜 5月
砂に埋まっていたのを掘り出してみました。砂地に特化した形態で、管足に吸盤がありません。
砂地には彼ら以外のヒトデもたくさんいますが、砂に潜れるということで彼らより生存に有利なのでしょうか。
スナヒトデ Luidia
quinaria
石浜 9月
砂地に特化したヒトデの一つ。モミジガイに比べると結構大型です。
なんでも、夜間にはこの長い腕を振り回して高速移動するとか。
ちなみにこいつもとんでもなく貪食で、貝だけじゃなくヒトデやウニも襲って食ってしまうとか。
カワテブクロ Choriaster
granulatus
沖縄本島 7月
なかなか絶妙なネーミングです。
ヒトデの仲間にしてはつるつるな体表で、腕の先が丸くなっている姿は、「人手」が「皮手袋」を被っているかのようです。
マンジュウヒトデ Culcita
novaeguineae
柏島 8月
暖海性のまんまるなヒトデ。伊豆で見たこともあります。
上の写真ですが、ひっくり返してあります。右下にヒトデカクレエビがいるからなのですが。
しかしこんなにまんまるなのに、足を伸ばして元に戻ろうとしています。ちょっと前に流行った、たれパンダの背筋のようです。
できればこのまま元に戻るまで観察したかったのですが。
沖縄本島 10月
久々に見ました。そんなに珍しくないはずですが。
体表に黄色い蛍光カラーの斑点が並んでいますが、これも色彩変異の一部らしく、すべての個体にあるわけではないようです。
結構大きくて、100mmではなかなか入りきりません。
ヤツデヒトデ
Coscinasterias
acutispina
真鶴 10月
太平洋側だと関東以南、日本海側だと東北以南の比較的暖かい海域の岩場にいるヒトデ。
もちろん伊豆にも大量に生息しています。賞金を掛けている漁協もあるとか。
浮島 4月
砂地をダッシュしている個体です。
別に驚かせたわけではないのですが、すごい勢いで進んでいました。
というか、ヒトデがこんなに早く移動できるというのがまず驚き。
写真のように、余分な管足が接地しないよう、腕の先端をくるっと上に向けるのが、早く移動するコツなのかも。
浮島 4月
ちょっと判りにくいですが、4本の長い腕と、4本の再生中の腕があります。
ということは半分に分かれてから再生しているの?
脚は早いわ再生能力高いわ、かなり恐ろしい生物です。
でも浮島だと、すごい浅場にしかいないんですよね。不思議。
オキノテヅルモヅル
Gorgonocephalus eucnemis
(左、右とも)伊豆海洋公園 10月
テヅルモヅルとは、腕が何重にも分岐しているクモヒトデの仲間です。地球上の生物とは思えない姿で、何度かテレビなどでも紹介されています。
上の写真は、いわゆるクエ穴から根の上に上がったところで、知人のK氏が見つけたものです。
かなりびっくりしました。てゆうか生きている姿を見たのは初めてです。
岩の隙間にがっちりとはまり込んでいたため、身体全体を撮ることはできませんでしたが。
複雑に枝分かれした腕で、水中の浮遊物を捕らえて食べるそうです。なんか腔腸動物みたい。
ダキクモヒトデ Ophiodaphne formata
川奈 5月
スカシカシパンの裏に付いているクモヒトデ。タコノマクラの裏にも付いているらしいですが、川奈で見つけたのはスカシカシパンの裏のみでした。
川奈ビーチで目に付いたスカシカシパン、タコノマクラを片っ端からひっくり返してみると、そのうち見つかります。
抱きついている小さな個体は雄で、普通の大きさの個体はメスです。雌雄でかなり大きさが異なる種類なのだそうです。
黄金崎 6月
黄金崎にも絶対いるはずだと思ってカシパンをひっくり返し続けて、やっぱり見つかりました。
こうして見るとメスの盤って結構大きいですね。
アンフィウラ・マルチスピナ Amphiura maltispina
(左、右とも)志津川 1月
132年ぶりに発見されたという超珍種のクモヒトデ。詳細は志津川ネイチャーセンターのHPにあります。
ぱっと見の特徴がわかりにくいのですが、腕の先端の色が、橙色または赤っぽく明確に変化しています。
志津川 1月
本当はゴム板かなんか持っていけばよかったのでしょうけど。
本来は砂に潜って生活しているのだそうです。
トゲクモヒトデ phiothrix(Ophiothrix)
panchyendyta
石浜 3月
盤に毛が無くて朱色っぽいけど、腕に輪紋がはっきりとは見えません。
つまり何か違うような気がするのですが、とりあえず近いような、う〜ん。
ご覧のように、ホヤにからみついていました。
クロスジトゲクモヒトデ
Ophiothrix trilineata
浮島 4月
浮島の浅場の石の下にいたのですが、腕の中央に黒で縁取られた筋があるのでクロスジかな?
あと盤の形もトゲクモヒトデとは違うっぽいし。
大瀬崎 3月
外付けマクロレンズ2Tの試写に撮ってみました。
しかしクモヒトデって地域によって種類や生息環境がずいぶん違います。深海では海底一面にクモヒトデだらけという場所もあるとか。
アカクモヒトデ Ophiothrix
mixta
雲見 11月
体全体が赤いクモヒトデ。石の下などから容易にみつかるのですが、同種同士で固まっていることが多いです。
逃げ足は結構速い。
マダラクモヒトデ Ophiopholis
mirabilis
石浜 10月
そこそこ大きなクモヒトデ。内湾部に多いそうです。
石浜では、石の下に隠れた生物を探していると、時々見つかります。
しかし写真を拡大しないと特徴が分かりにくい…。
石浜 12月
こいつも疑わしい。
かなり大きな個体で、このあと素早い動きで石の下に逃げて行きました。
クモヒトデの一種
羅臼 2月
羅臼の砂地に、隠れもせずに大量に生息している謎のクモヒトデ。
クモヒトデ科の何かだとは思うんですが…。
クシノハクモヒトデっぽくないですか?
ちなみにオオカミウオの子供は、こいつを食べたりします。
羅臼 4月
2010年ですが、この年は本当に大量発生していて、特にカケアガリの砂地はほとんどこいつらに埋め尽くされていました。
クモヒトデってデトリタスとか食べてるはずですが、そんなに食べ物があるのでしょうか?
クモヒトデの一種
石浜 12月
岩の隙間にもぐりこんで、腕だけ出しています。
おそらくウデフリクモヒトデ(Ophiocoma scolopendrina)
と似たような行動なのですが、残念ながらここはさんご礁ではなく冷たい北の海です。
ウデナガメガネクモヒトデ(Amphiura vadicola)
も似たような行動を取りますが、ここは砂地ではありません。
そういうわけで謎です。
オニクモヒトデ Ophiocoma
pica
沖縄本島 10月
真栄田岬などの岩礁&サンゴ地帯で、いつも見かける大きなクモヒトデ。
盤を穿り出して見た事は無いので正確にはわからないのですが、腕の横縞の色からオニクモヒトデとしました。
マナマコ Stichopus
japonicus
石浜 2月
もっとも普通に見られ、かつ食べても美味しいナマコです。
いかにも北方産なマナマコと謎のウミシダのツーショット。マナマコは北に行くほどトゲが立派になるのだとか。
(左)石浜 7月
(右)石浜 12月 ブラックタイプ?
ご存知酢の物のネタ。しかし、知り合いの中国人はこいつを細切れにして、スープの具として使っていました。これが結構美味。こんにゃくのような食感だが
ちょっと違うような。干物にして保存してある海鼠の調理法は他にもいろいろあるとか。もちろん日本の魚屋で売っている生のナマコだって使える。
そういうわけで、海中では比較的無敵な部類に入るこのなまこチームの面々も、人間の手にかかると美味しく食べられてしまうのでした。
しかし、そのへんの砂や岩の表面の付着物をひたすらばくばく食べて、さらにひたすら脱糞し続ける姿は、なんとも平和。
積丹半島 5月
よく見ると、マナマコは茶地に黒い斑点がある個体と、黒地に茶色い斑点がある個体がいます。
なんか微妙に味が違うらしいですが。
三保 11月
南方系のマナマコですが、身体も小さいしイボ足も短いです。
デトリタスなどの食料も豊富なように思えるのですが。
しかしナマコは、エネルギー消費しすぎるとまずいので夏眠するような生物ですし、ちょっと低温な方が向いているのかもしれません。
石浜 3月
ちょっと横に?なってもらいました。
これが例のナマコの管足です。
先端に吸盤が付いてますが、ごらんのように砂地ではあんまり役に立ちません。
でもナマコは砂を食べるのが大好きです。どうなってんでしょ。
つまり、ナマコは移動効率の良し悪しには頓着しない生物なのだってことかもしれません。
石浜 3月
突然砂地にこんなのが転がっていたので、ゴカイの仲間か何か? と思ったのですが、よく見るとこれはマナマコの腸です。
管状になっていて、所々中に砂が詰まっています。マナマコは砂を食べますので。
ナマコ類は、いじめるとキュビエ管という内臓を吐き出しますが、それでも止めないと、腸やら水肺やらみんな吐き出してしまうのだそうです。
それでも本体が残っていれば全部再生するのだとか。
上の腸、ずいぶん見事に抜け出しているようですが、よっぽどのことがあったんでしょうか。
水中でナマコを掴んで振り回したぐらいじゃ、何にも出さないんですが。
ちなみにこの腸が、「このわた」の原料になります。実はまだ食べたことありません。
キンコ Cucumaria
frondosa japonica
(左)石浜 1月
(右)石浜 4月
三陸には非常にたくさんいます。羅臼では見なかったので、単純に北方産というわけではなさそう。
金華山周辺では食べるという話を聞いたことがあったので、鮎川(金華山の対岸の港町)出身の母親に聞いてみたのですが、知らないということでした。
こいつを観察してると、口の周りの触手を(たぶん時計回りに)順番に口の中に突っ込んでいます。上の写真でも、よく見ると下の触手を口の中に突っ込んでい
ます。
人間の感覚でいえば、空中で手を振り回すと、指に食べものが付着してきて、それをひたすらしゃぶっているという状態でしょうか。
他のナマコが移動のために使う管足を、まるでアンカーのように岩肌に張りめぐらせて身体を固定し、あとはひたすら指をくわえて過ごす毎日。まったくいい生
活?
(左)石浜 1月
(右)石浜 12月
横から見ると、樹状の触手は結構広がっています。
しかしこの、白いタイプと黒っぽいタイプの違いはどこから来るのでしょうか?
もしや深い意味は無し?
石浜 1月
ちょっと小型で、今まであまり見なかったタイプの個体です。
別種の可能性が高いような気がしますが、とりあえず手がかりが全く無いので、キンコの幼体ってことにしておきます。
イシコ Cucumaria
chronhjelmi
(左)石浜 2月
(右)石浜 9月
キンコと同じくプランクトン食性のナマコ。彼らの触手は身体に比して大きく、しかも透明感があって美しい。とくに水温の低い時期、繁殖期ということもある
からか、海中いたるところで花のように触手を広げた様は見事です。(ちなみに左の写真は水温8℃)
しかしこういった種類のナマコは、やっぱり相当栄養豊富な海でないと生活できないんでしょうか。
右の写真は夏場でへばってる(?)ところ。こんな鮮やかなオレンジ色の体色をした固体もいます。
(左、右ともに)石浜 5月
EF100mm + 2倍テレコンでぐぐっと寄ってみました。
棘皮動物というよりはソフトコーラルか何かのようです。
伊豆海洋公園 4月
これを見たときはびっくり仰天。IOPにイシコ? しかしどうみてもイシコの仲間っぽい。
正確にはちょっと違うのではないかと思いますが、まあ珍しいものを見たということで。
石浜 12月
冬の石浜はイシコだらけですが、こんな風に黒っぽくて大柄な触手を持った個体が時々見られます。
おそらく別の種類なのでしょうが、今のところ不明です。
アカオニナマコ Stichopus
oshimae
(左)大瀬崎 1月
(右)田子 7月
伊豆では普通にいるナマコ。でっかい。そりゃ慶良間とかにいるバイカナマコに比べたらそうでもないですが、ナイトダイビング中に突然ライトの中に浮かんで
くると、少しぎょっとします。
右の写真は、繁殖期でハァハァしてるとこ。身体を目いっぱい伸ばしているのでますますでかい。つーかなんかやらしいんですけど。いや、確かにやらしいこと
してる最中なんですが。
ニセフジナマコ Holothuria(Thymiosyca)
decorata
神津島 9月
点々がなんかちょっと病気っぽい。伊豆半島ではあまり見かけない種類みたい。というか、種の同定がやっかいなようです。
なので、上の分類もずいぶん自信がないのでした。
クロエリナマコ Personothuria
graefei
沖縄本島 7月
背中に大きな斑点模様があるナマコ。しかし沖縄のナマコは大型のが多いですね。
写ってませんけど、触手が黒いのが名前の由来ぽい。
ジャノメナマコ Bohadschia
argus
沖縄本島 7月
とっても派手な模様のナマコ。とてもサンゴ礁っぽいナマコかも。
カクレウオが入っていることがあります。
小笠原 1月
なんかキュビエ器官出しちゃってますが、ダイバーにいじめられたのでしょうか。
模様が巨大芋虫みたいでかなりグロいですが。
イカリナマコの仲間?
小笠原 1月
オオイカリナマコだったら、徳之島のリーフ内でたくさん見たことがあります。
上のやつは父島と兄島の間にあるポイントで見つけた。やたらとたくさんいたのですが、他のポイントではぜんぜん見かけませんでした。
なんか生息条件が厳しいのでしょうか。
トラフナマコ Holothuria(Mertensiothuria)
pervicax
神津島 9月
伊豆半島にやたらとたくさんいるナマコ。場所によってはマナマコより多いような気が。
見かけもかなりグロテスク。手触りもぷよぷよしている。
しかし虎斑? 確かにアニマル模様に見えなくも無いが、トラというようりヒョウっぽいような。
そういえば何年か前、観賞用海水魚カタログの無脊椎動物の頁にこいつが載っていたことがありましたが、本当にどこかの店で売ってたんでしょうか?
三保 7月
温帯系のナマコの中では、特に柔らかくてぷにぷにした感触のするナマコです。
熱帯のオオクリイロナマコと足して2で割ったら丁度いいのではないかと思えるくらいです。
クロナマコ Holothuria(Halodeima)
atra
小笠原 1月
体表に砂がくっついているのでクロナマコ。
ニセクロナマコ Holothuria(Mertensiothuria)
leucospilota
小笠原 1月
砂がくっついてないのでニセクロナマコ。ちなみに近所の熱帯魚屋さんで「クロナマコ」と銘打たれて売られていました。
購入して、1年ぐらい飼育したことがあります。
前述したヒザラガイよりはよく動く生き物だったが……しかしなんというか。やっぱ良いです。ナマコ。
太古のまったりとした海中を思わせるというかなんというか。
青海島 8月
砂がくっついているわけではなく、乗っかっています。口がやや細まった先端下方にあり、体の両端がすぼまったような印象です。
ちなみにクロナマコがいるのはトカラ列島以南なので、本州にいるのは全てニセクロナマコです。
わからんナマコ
小笠原 1月
なんかオレンジ色の謎の物体がある、と思ってよく観察したら管足があったのでナマコと断定しました。大きさは2〜3センチくらい。
しかしサンゴ礁はなんだかナマコの種類が多いですね。慶良間あたりだと巨大なのが本当にごろごろしてる。
バイカナマコ
Thelenota ananas
(左)沖縄本島 7月
(右)八重山諸島 10月
沖縄近辺の砂地に普通にいる大型のナマコです。突起が花みたいな星みたいな変な形。
こいつを見つけたらとりあえずウミウシカクレエビを探してみましょう。
ちなみに食材としては高級だとか。
(左、右とも)沖縄本島 10月
ナカユクイで、死サンゴだらけのガレ場でそっくり返っている個体を見ました。
見てる間に、どんどん身体を起こしていきます。
あくびかストレッチか、もしや繁殖行動?
アデヤカバイカナマコ
Thelenota anax
渡嘉敷島 6月
前述しました、ケラマの海にごろごろいる大型のナマコ。ぱっとみただけでもあきれ返ってしまうほどの大きさです。
上の写真はほぼ標準サイズ。
シカクナマコ Stichopus
chloronotus
沖縄本島 7月
まっくろで、いぼが目立つナマコ。見つけたのは万座なので、リーフ外の岩場にも生息しているようです。
クリイロナマコ
Actinopyga mauritiana
沖縄本島 7月
別名ゾウリゲタといわれているとか。かなり硬くて扁平なナマコ。こんなのも食えるんでしょうか?
オオクリイロナマコ
Actinopyga sp.
渡嘉敷島 6月
想像を絶するかちんこちんな硬さを持つナマコ。キャッチ結合組織の威力はこれほどすごいのかと感動します。
こいつが柔らかくなって珊瑚礁を闊歩するなんて、にわかには信じがたい。
ムラサキクルマナマコ
Polycheira rufescens
(左、右とも)浮島 9月
伊豆の波打ち際の転石帯に異常にたくさんいるナマコ。
ちょっと深くなるとなぜかいない。そのため、ダイビング中に見ることはほとんどありません。
しかし磯遊びをしていると、ちょっと石をひっくり返しただけで出てくるわ出てくるわ出てくるわ出てくるわ。
10センチに満たない小さくて紫色のナマコがうじゃうじゃわらわらびっしりと。ある意味すさまじい眺めです。
粘液系のグロが嫌いな人だったらトラウマになること間違いなし。
しかし彼ら、管足らしい管足はありません。なので、ゴカイみたいに転石の下にもぐりこんで生活するしかないのかも。
そう考えると、生息環境がすごく限定された弱い生き物です。同じような場所にみっちり固まって生活しているのもしょうがないのかも知れません。
ちなみに「クルマナマコ」の由来は、車輪型の骨片だとか。
オカメブンブク Echinocardium
cordatum
石浜 1月
砂地で写真のような旋回運動?をしていました。普通はまっすぐ砂に潜行するものだと思っていましたが。
繁殖行動でしょうか?
ちなみに伊豆にもいっぱいいるようですが、生きてるものとの対面はとんとご無沙汰です。
(と思ってたら先日、春先の川奈ビーチで目撃しました)
石浜 7月
近年ダイバーが少なくなってすっかり閑散とした石浜では、結構数が増えているような気がします。
砂に身体半分をめり込ませながら突き進んでいます。
ライオンブンブク 学名調査
中
(左、右とも)大瀬崎 12月
ライオンみたいな顔? のブンブク。
ウニにしてはかなり大きなほうです。何気に砂の上に露出してたのでちょっとびっくり。
タコノマクラ Clypeaster
japonicus
大瀬崎 2月
砂浜でこいつの殻をたくさん見かけますが、ダイビングを始めてから生きているものを見たときは、ちょっと感動しました。
こいつの裏にもさまざまな生き物が隠れているので、よくひっくり返されています。勝手に元に戻るらしいですが、どうやって元に戻るんでしょうね?
スカシカシパン Astriclypeus
manni
黄金崎 4月
身体に穴が空いているのは何のため? 砂の中で移動しやすいのでしょうか?
でも菓子パンて呼び名はあまりしっくりこない。イメージ的にはビスケットでしょうかね、2枚で対になってて、間にはさんだクリームが穴からちょっとはみだ
してるような。
ヨツアナカシパン Peronella japonica
川奈 10月
菓子パンというかクッキーみたいな外見です。
スカシカシパンみたいな穴は開いていませんが、生殖孔が4つあるからヨツアナなんだとか。
あまり大きくないので、注意して探さないと見つからないかも。
ガンガゼ Diadema
setosum
大瀬崎 3月
先端恐怖症の方々へのダイビング普及を阻んでいる元凶?。
見るからに痛そうで近寄れません。
ヒトデのように仲間同士ではぐはぐ抱き合えない、孤独な生物?
(左、右とも)大瀬崎 12月
大瀬の海は〜♪ 俺の海〜♪
てな感じで大瀬崎の湾内を蹂躙しまくっているガンガゼです。
ガンガゼ以外のウニは殆ど駆逐されてしまったのではないかと思えるほどの繁殖ぶり、まさにわが世の春。
以前はナイトダイビング中に結構目立つという程度だったと思うのですが、もう昼真っからそこらじゅうにごろごろしてます。
カワハギとかイシダイみたいな捕食者がもっと頑張らないといけないところだと思うのですが。
ちなみにカワハギは、ガンガゼに水流を浴びせてひっくり返し、棘の短い口側に食いつきます。
ベンテンウニ Coelopleurus undulatus
大瀬崎 5月
長めのやや湾曲した、赤と緑の縞模様の棘を持ったウニ。ウニにしてはちょっと派手です。
写真の個体はやや小型です。
検索してみると、南方系だとか深海性だとか色々な話があるようですが、もしかして珍しい?
トックリガンガゼモドキ
Echinothrix calamaris
柏島 5月
やや南方系のウニ。棘の色がちょっと目立ちます。刺さったらなんか痛そう。
しかしこの肛門の位置にある袋が気になります。
ムラサキウニ Anthocidaris
crassispina
浮島 4月
日本沿岸にもっとも普通に見られるウニ。
後述するキタムラサキウニと見た目はそっくりですが、ムラキウニはホンウニ科、キタムラサキウニはオオバフンウニ科で、意外と遠い間柄です。
また、ムラサキウニは岩陰などに定住しますが、キタムラサキウニは昼夜で移動を繰り返すのだとか。
青海島 8月
ムラサキウニのコロニーです。各個体が岩のくぼみにはまるようにして生活しています。
キタムラサキウニ Strongylocentrotus
nudus
(左)石浜 1月
(右)石浜 11月
卵巣が美味しい。それはともかく、左の写真は海中に投棄された謎の物体に群がって貪り食っている様子です。
地元では、ガゼ(ムラサキウニ)は土佐衛門にあつまるとかいろいろ言われていようですが、このときのガイド氏も、ウニが集まってる場所にはあまり近寄らな
い方がいいと後で話していました。
彼らの獲物がヒトであることはまれだろうけど、犬とか豚の類はよくあるらしいです。ほかにも色々「ろくでもない」ものもあったりするそうですが。(深くは
突っ込まなかったけど)。そんなもん見た日には二度とウニが食えなくなってしまいます。
石浜 12月
上の写真は、遡上する川を見失ったのか、石浜で力尽きたサケ(80センチくらい)に群がっているところ。
オスとメスがいて、メスの腹からは天然のスジコがこぼれて散乱していたそうです。無残。
まあ何を食ってるにしろ、彼らが海底の掃除屋さんであることは確かですが。
ちなみに、トトロに出てくる「まっくろくろすけ」みたい。
エゾバフンウニ Strongylocentrotus
intermedius
(右、左とも)羅臼 4月
これは羅臼産。ということは羅臼昆布を日々たんまり食って育っているということです。うむむ。
話は変わりますが、以前、礼文島へトレッキングに行ったことがあります。礼文島といえば利尻昆布。ここにも利尻昆布をたんまり食ったエゾバフンウニがたん
まり生息しています。季節柄、利尻昆布が海面にまで達するほど大きく成長し、エゾバフンウニも夢中で昆布を食いまくっていました。そこをカモメに狙われる
のか、港や海沿いの道路は、カモメに食われたウニの殻が一面に散乱していたのです。
昆布は美味い。美味い昆布を食ったエゾバフンウニも美味い。しかし美味いウニを食ったカモメは美味いのでしょうか?
羅臼 10月
産卵・放精をしているところです。左が雄で右が雌。いつも食べてしまうウニの卵巣ですが、本来はこうして海中に放たれるわけなんですね。
ツガルウニ Glyptocidaris
cremularis
石浜 8月
こいつは禿げたバフンウニだとか言われましたが、ちょっと違うウニであることは明らかです。ホントにツガルウニかどうかはいまいち自信ありませんが、それ
にしてもなぜこんなザビエル状態(頭頂部だけ毛が無い状態)になっているんでしょう?
シラヒゲウニ Tripenustes
gratilla
八丈島 10月
……だと思うんですけど。ちょっと驚くような色合いのウニ。八丈島でしか見たこと無い。ナズマドには結構たくさんいました。
あんまり食いたくないような。
沖縄本島 10月
この白い棘が目立つ個体と目立たない個体がいますね。
以前は食いたくないなんて書きましたが食用なようです。
タワシウニ Echinostrephus
aciculatus
小笠原 1月
岩に穴を穿って入り込んでいるウニ。伊豆から南にたくさんいる。夜になると外へ出て……来るのだろうか?
わかりませんウニ
小笠原 1月
黒白で縁起が悪いです。
わかりませんウニ2
初島 9月
すぐわかるかなと思ったのですが。何だか似たものが見つかりません。
ラッパウニ Taxopneustes
pileolues
大瀬崎 2月
毒ウニだそうだが、まあ素手で触るのはよしたほうがいいかも。
でもこいつの毒でひどい目に遭った人って聞いたことないんですが、誰かいませんか?
イイジマフクロウニ Asthenosoma
ijimai
川奈 3月
さらに続いて毒ウニ。猛毒だといわれていますが、実は結構、刺された(刺さった?)人はいます。超痛いとか。
身体はでかいが、ぶよぶよしてて気色悪い。
ゼブラガニが隠れているのでよくひっくり返されています。
伊豆大島 3月
秋の浜のちょい深場で見つけました。本来はかなり深いところに生息する種類です。
しかしもしかしてソフトコーラル食べてるんでしょうか?
ノコギリウニ Prionocidaris
baculosa
雲見 6月
やけにトゲが太いウニ。ごくたま〜に見かける。たぶん2年に1回くらい。
エビ網によく引っかかってくるらしい。
パイプウニ Heterocentrotus
mammillatus
沖縄本島 7月
棘の先端が丸っこくて太い、なんだかとてもウニらしくないウニ。
ウニは全般に夜行性で、昼間は穴の中に隠れてることが多いのですが、上の写真だと狭い駐車場に無理やり突っ込んでるみたいで、奥のほうは雪隠詰め状態です
ね。
ちなみにこの太い棘は、加工されてみやげ物になってたりします。風鈴とか。
ニッポンウミシダ Oxycomanthus
japonica
神子元島 11月
いつもひっくり返してすまんのう。たまには写真撮ってあげましょう。
初島 9月
この黄色いのは一体何者?
たぶんフトアシウミシダかニッポンウミシダのどちらかの色彩変異なはずですが、決め手がありません。
ウミシダ関係の資料もあまりないし…。とりあえずニッポンウミシダってことにしておきます。
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