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八放サンゴ亜綱 Octocorallia
初島 9月 温帯性ソフトコーラルの林
いわゆるソフトコーラルの類(の一部)。暇な人はポリプの触手の数を数えてみよう。
……暇じゃないですか。そうですか。
ウミウチワ Anthogorgia
bocki
浮島 9月
フト根に生えていた、よく成長した個体。
伊豆の定番みたいな生物ですが、やっぱりちょっと沖合いや深場に行かないと立派な個体はいません。
(左、右とも)伊豆大島 3月
秋の浜のやや沖合いにある根がボートポイントになっているのですが、その根の沖側、水深30mちょっとの場所に、こんな大きなウミウチワが生えています。
こんなに大きく成長するには、うねりとかの影響が少ない深場であることに加え、食料を運んでくる潮流も必要だと思われます。
つまり、この辺は結構潮当たりがきつい場所なのではないかと。
伊豆大島 3月
手前に生えてるやつですが、おそらくまだ若い群体ではないかと。
リュウコツハネウチワ
学名不明
伊豆大島 3月
秋の浜の深場に行くとさまざまなソフトコーラルがおりますが、こいつらもそのうちの一種。
羽のような姿で、鮮やかな黄色をしています。ちなみに水深は25mくらい。
山渓の図鑑によれば、「ウミハネウチワ属は種が多く、肉眼での判別は不可能」とか。
でも最近の図鑑だとずばり言い切っているのもありますので、本種の名前はそっちから引っ張ってきましたが、真偽のほどは不明です。
オウギフトヤギ Euplexaura
erecta
熱海 美多ヶ根 10月
熱海や伊東ってソフトコーラルの大きさとか密度とかすごい時を見たことありますが、最近カジメに押され気味。
上の写真みたいなでかいのもたくさんあったのに。
フトヤギの一種 Euplexaura
sp.
石浜 1月
つくづくワイドレンズを持っていかなかったことが悔やまれるのですが、石浜の「山脈」方面で、北の海では珍しい大振りなフトヤギを見ました。
たまげた。
ちなみにこの写真は真冬の水温8度の時です。
伊豆大島 3月
かなり大きいですが、ウミウチワにしては枝が太いし、アカオウギヤギかとも思ったのですが枝がすごく密になってるし、とりあえずフトヤギの一種ってこと
で。
イソバナ Melithaea
flabellifera
仙台湾 大根岩礁 11月
海の中に真っ赤な枝を広げた、よく目立つソフトコーラル。房総以南の温帯系の海にはとっても普通に見られます。
上の写真は東北ですが、牡鹿半島を越えた女川あたりではほとんど見ないので、松島あたりが北限なのかも。
潮があたるとポリプを広げそうですが、この日は白濁透明度+底うねりというナイスなコンディションであったのにも関らず、ポリプは開いていませんでした。
神津島 9月
長いことヒドロ虫の仲間かと思ってましたが、この枝分かれの不規則さはイソバナですね。
いつも赤いわけではないようで、
ウミサボテン Cavernularia
obesa
(左、右とも)石浜 1月
砂地に生息するソフトコーラルの一種。生息地では、夜間や透明度の悪い時に見ることができます。
女川、石浜のウミサボテン密度はものすごいですが、昔よりは数が減ってるそうです。
小学生のころ、こいつを飼育したことがあります。昼間は本当に小さくなって砂に埋もれているため、どこにいるのかさっぱりわかりません。夜間、水槽の照明
を消
すと砂から生えてくきます。たまに砂から抜けて、ごろごろ転がっています。ミミズのように体の一部をくびれさせながら移動することもありました。
最後はタクアンの尻尾のようにしわしわになって息絶えました。
(左、右とも)石浜 9月
このウミサボテン、日中でも曇っていたり透明度が悪かったりすると、にょきにょきと生えてきます。
(左、右とも)石浜 12月
石浜には通称「サポテン岩」と呼ばれるちょっとした岩があるのですが、その名前の由来は岩の回りに群棲するウミサボテンでした。
とは言っても、私自身はウミサボテンの群棲なんて見たこと無かったので、単なる昔話と思っていたのですが、2008年12月に初めて目撃しました。
狭い範囲ですが、すごい密度です。
上の写真、マクロレンズだったので一つだけですが、近隣にもたくさん生えています。
なんというかムーミンに出てくるニョロニョロの群れみたいでした。
(全て)石浜 1月
石浜「サボテン岩」近辺に群生するウミサボテンたちです。
日中ですが透視度3〜4mの状態で、ウミサボテンたちもにょきにょきと生えております。
ちょっと曲がった個体が多いのは、底うねりが入っているせいです。
ほんの数メートル四方の狭い砂地に、かなりの数が生息しています。
石浜 1月
個体のサイズはかなりばらつきがありますが、結構大きな個体もいます。
アカウミサボテン Cavernularia
sp.
広島湾 5月
広島湾の白石灯台付近、荒目の砂地にたくさんいました。
こんな風に萎えた状態だと、砂の中に引っ込んでいるのが普通のような気がするのですが、なぜかどいつもこいつも砂の上に露出していました。
透明度が悪かったので、ポリプを開いている個体があるかと思って探してみたのですが、残念ながら萎え萎えの固体しか見つからず。
ちなみにウミサボテンって英語だと Sea finger だそうですが、この姿を見るとなんとなく納得。
ちなみに広島湾はこんな風な赤っぽい種ばかりなようです。
三保 7月
三保のナイトダイビング中に見つけました。
三保は泥地なのでもっとウミサボテンが多いような気がするのですが、意外と少ないです。
写真の個体もかなり小さい。しかも巻き上げがひどくて、写真もこんな有様です。
ウミイチゴ Bellonella
rubra
(左、右とも)石浜 1月
上の写真の岩は、「イチゴ岩」と呼ばれています。写真を撮ったときには、ここからちょっと沖の場所で、クチバシカジカが抱卵していたので、クチバシ目当て
で石浜に来る人の通り道というか目印だった。しかしこのイチゴ岩まで、おおよそ岸から120メートル。水深は18m。クチバシカジカが見たいといって来
て、ここまでエアーがもたずに引き返す人もいたらしいです。
ちなみに2004年現在、このイチゴ岩近辺は立ち入り禁止です。再び行けるのはいつの日か。
ウミエラ Leioptilus
bankanese
石浜 1月
見た感じは、海中に生えたエラというよりは妙な棒。ウミサボテンよりはかなり小ぶりです。
数も少ないし、結構注意しないと見つかりません。
この日は、曇って透明度も悪く、うねりも入っていて、まさにウミエラにとっては最高にいい天気だったかも。
石浜 12月
2008年12月、サボテン岩の周囲にウミサボテンの群棲が見られたのですが、一緒にウミエラもたくさん生えていました。
生息条件が似ているからだと思われますが、しかし最初に見たときに比べてサイズがでかい。
年によって発生にばらつきがあるのか、それともダイバーの数が減ったから?
(石浜 1月)
2010年の1月ですが、石浜の大岩の裏からサボテン岩方面へ行く途中の砂地に、ウミエラが群生しておりました。
サボテン岩近辺とは比べ物にならない密度です。
普通はウミエラ畑といえば結構深場のような印象があるのですが、ここは水深10メートルも無い浅場です。
実際、石浜でもかつては、20メートルラインの向こうでしか見られなかったのだとか。
マダラヤナギウミエラ
Leioptilus
bankanese
三保 7月
ナイトダイビング中に見つけました。色彩に特徴があります。
写真のものは小型の個体です。
三保 6月
この時は、上げ潮の流れが結構きつかったのですが、このウミエラが広げているエラが潮の流れに向かうようにくるくると動く様子が観察できました。
確かに、斜めから潮が当たるとくるっと動くようになってるような。空力?を計算した形状なのでしょうか??
ウミエラの一種
羅臼 2月
羅臼のローソク岩近辺の浅瀬に打ち上げられていたものを、ガイドさんがちょっと深場に持って行って海底に植えたら、そのまま固着してしまったというたくま
しい個体(群体)です。
本来は深海性のものらしく、詳細は不明ですが沿岸には生息していないものだとのこと。
1メートル近い巨体ですし、確かに普通のウミエラとは雰囲気からして違います。
関連情報知ってる方いたら教えてください。
ウミキノコ Sarcophyton
cinereun
渡嘉敷島 6月
こうしてみると、本当にまるっきり「海のキノコ」。サンゴの仲間ですが、骨の無い、いわゆるソフトコーラルです。
よく熱帯魚屋さんで売っています。好日性で、ライトを当てているだけで生存するのだとか。
この傘の上からヒドラみたいな二次ポリプがにょきにょき伸びるのだそうですが、自然の状態で伸びているのはまだ見たことがありません。
沖縄本島 10月
砂辺というところは本当にソフトコーラルが多い所で、もちろんウミキノコもたくさん生息しています。
まあソフトコーラルが多いといってもすべて熱帯性のものなので、伊豆とは全然違う風景を成しているわけですが。
ユビノウトサカ Cladiella
digitulala
雲見 11月
岩の上などに群落を作っていたりします。なぜかいつも平面に広がってる。
ユビノウハナガサウミウシはこれを食べるらしいですが、こいつの上で発見したことは1回しか有りません。
オオトゲトサカ Dendronephthya
gigantea
神津島 9月
触るとぷよぷよして固いようなやわらかいような不思議な感じ。まるでち○ぽ。下品でごめん。
神子元島 9月
流れの速くて有名な「カメ根」の写真です。
神子元島の個体は数が多いけど大きさは小ぶりのものが多いです。
ベニウミトサカ Alcyonium gracillimum
島根半島 8月
潮通りの良い場所で、割と大きな群落を作っているソフトコーラルです。
こいつらが多い海中は非常に華やか。
玄達瀬 7月
福井県は三国沖の隠れ根で群棲しているところです。玄達瀬はかなり潮通しのよい場所なので、ソフトコーラルも育ち放題。
しかし日本海でこんな光景が見られるのは、玄達瀬が北限近いかも。
エナガトゲトサカ Dendronephthya
decussatospinosa
(左、右とも)伊豆大島 3月
秋の浜沖にある根の水深30m付近、大型のソフトコーラルが多数生息しており、本種もたくさん見ることができます。
どれもかなり立派なサイズです。
熱海 1月
エナガトゲトサカといったら、十字架みたいに伸びきってる写真の方が多いのですが、これはではまるで胴長のカリフラワー。
しかし熱海の深場にあるソフトコーラルの種類と大きさときたらすさまじい。双大根の深場とか、一度は行って見るべきでしょう。
ちなみにこの写真は沈船の縁です。
初島 9月
久しぶりに見ました、それらしい姿をしたエナガトゲトサカです。
透明度が悪いのでいまいちですが、かなり立派なサイズ。
ビーチから入ってこんなのが見られるとは、初島というのも中々よいポイントなのではないでしょうか。高いけど。
キバナトサカ Stereonephthya
japonica
神津島 9月
キバナトサカといえば初島。しかし初島にはカメラを持って行ったことがないのです。
また行きたい。しかも冬に行って昼飯時に定食屋さんのコタツに入るのが楽しみだったりして。
初島 9月
噂の初島のキバナトサカです。
オープン当時の大群落は消えてしまったようですが、まだあちこちに小さな塊が生き残っています。
この写真はかなり小さな方です。全体的に初島のソフトコーラルは増えてきているような気がしています。
まあ、先のことは分かりませんけど。
伊豆大島 3月
秋の浜の沖にある根のほぼ根頭付近にある大岩の天辺に、本種の群落があります。
割と浅場を好むようです。
まあ深場は大型のヤギ類やトサカ類に占拠されてるし、小型種にとってはうねりの影響を受ける浅場のほうが食料にありつけやすいのかも知れません。
ムラサキウミトサカ Metalcyonium
muricatum
羅臼 5月
北の海のソフトコーラルの一つ。
冷たい海の中で派手なパープルピンクな色合いが目を引きます。
コエダモドキ Lignella
sp.
大瀬崎 1月
これから太くなる幼体なのかと思ったら、これから束になるとか。
こいつには珍しい甲殻類とかが取り付いてたりするので要チェックです。
ネジレカラマツ Cirripathes
spiraris
神子元島 11月
ちょっと深いところにいらっしゃいます。
こいつにもガラスハゼとか着くのでしょうか? 見たこと無いですが。
神子元島 9月
前回写真から数年経過しましたが、ガラスハゼが付くという話は聞いたことがありませんでした。
ちなみにこいつはいつも一本だけにょろっと生えていることが多いです。
オドリカラマツ Anti
pathes grandiflora
初島 9月
太い枝が幹から分岐していく種類で、ぱっと見た目、枝が閑散としているような印象を受けます。
初島はビーチの浅場にもソフトコーラルが多いのですが、本種もたくさんおりました。
ムチカラマツ Cirripathes
anguina
安良里 7月
これが多いとなんか深場に来てるような気分になります。
しかし、こいつにはビシャモンエビとかガラスハゼとかタカラガイの仲間とか、面白い生き物がたくさんついているので、つい1本づつ眺めたくなってしまいま
す。
大瀬崎 6月
大瀬崎の外海は本種の宝庫です。砂地の大川下や柵下といったポイントでも、ある程度深く行った場所では群生している場所を見つけることができます。
まあ深いから長居はできないんですが。
ススキカラマツ Antipathes densa
大瀬崎 6月
群体が二股に分かれ、分かれた後が長いので箒のような姿になります。
拡大するとポリプも見れるのですが、この日はご覧の通り結構な流れがあってそれどころじゃなかったのです。
エダアザミ Cespitularia
sp.
(左、右とも)三保 7月
透明感のある身体をした非常に美しいソフトコーラル。
三保に大群落があります。
上の写真、幹の部分にオレンジ色の粒粒が見えると思いますが、これは実は本種のプラヌラ幼生なのだそうです。
ちなみにプラヌラ幼生とは、刺胞動物の仲間に見られる変態のステージの一つで、一番最初の形態です。
このように何ヶ月かの間、親の群体の中で成長しながら、段々と枝の末端の方に移動し、あるとき一気に放出されるのだそうです。
広島湾 柱島付近 戦艦陸奥
1943年6月に謎の爆沈を遂げた戦艦陸奥は、今でも海中にその威容を保っています。
ただし、乗組員はもう人間ではなく、守る対象も人間の国民ではなくなっていますが。
このエダアザミも陸奥(の残骸)に守られています。
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