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鉢クラゲ綱  Scyphomedusae


七つ島 10月

近年はペットしても人気があるようですが、どちらかというと海水浴で刺されたり、嫌われ者の面が強いです。
上の写真のエチゼンクラゲなんかも、時々大発生して魚網に被害を出したりします。
私もスノーケリングやダイビング中に刺されたことありますが、毒の強いやつにやられると、刃物でザクッと刺されたかのような強烈な痛みを感じます。

見た目は半透明でふわふわしていて、確かに癒されるような所はあるんですけどね。



カツオノエボシ  Physalia physalis
カツオノエボシ
浮島 8月

日本近海で1、2を争う危険なクラゲ。
しかし見た目はごらんの通りビニール製の緩衝材みたいで、どうも緊張感に欠けます。
ちなみに私がこいつを見つけたのは浮島の海水浴場。すぐ近くでは若者達が海に飛び込んだりしておおはしゃぎ。
一応、ここにやばいクラゲがいるということは教えましたが……。まあ何も起こらなくて良かった。

ちなみにここの分類にこいつがいるのはおかしいんですが、とりあえずヒドロ虫綱の連中も、しばらくここに置いときます……。

ツノクラゲ  Leucothea japonica Komai

井田 3月

見かけるときは非常に多く見られるクラゲ。冬から春先に多いような気がします。
見た目があんまりクラゲっぽくない。


カブトクラゲの一種  Bolinopsis sp.

青海島 4月

春の青海島では非常に多く見られるクラゲです。カブトクラゲと似てるけどちょっと違う?
リボンクラゲ? という話も聞きましたが確認できませんでした。


ウリクラゲ  Beroe cucumis Fabricius

羅臼 2月

日本中で見られる、ちょっとクラゲっぽくないクラゲ。
最近は流氷ダイビングにつき物の生物みたいな扱いをされています。
こんな姿ですが、口が馬鹿でかくて、殆ど身体を反転させて食事をするのだとか。

オワンクラゲ  Aequorea coerulescens
オワンクラゲ
(左)羅臼 8月
(右)羅臼 12月

日本中で見られるクラゲで、傘の内側に透けて見える放射状の筋ですぐにわかります。
光るらしいのですが、未確認。

右の写真は、触手を縮めた所。他のクラゲを丸呑みにするらしく、懐の深い傘の形をしてます。

サラクラゲ  Staurophora mertensi
サラサクラゲ
(左、右とも)羅臼 8月

十字型の器官が見えますが、これは生殖腺だそうです。
触ると傘を収縮させますが、十字型の部分が縮まないために、右の写真のように四角くなってしまいます。

ハナガサクラゲ  Olindias formosa
ハナガサクラゲ
南勢 4月

色合いがちょっときれいなクラゲ。海藻とかに引っかかっていることが多い、というかそんなのしか見たこと無いです。
ちなみに刺されると結構痛いとか。

ミズクラゲ  Aurelia aurita
ミズクラゲ
能登島 8月

特にミズクラゲの話ではないのですが、こいつらに包囲されたことが何度かあります。
一度は真冬の大瀬崎の先端で。ちょうど湾を横切るような流れがあったのか、湾内のクラゲが全て先端側に吹き寄せられていたかのようでした。行き場を失いそ うになりながら、クラゲの壁を掻き分けて進んだが、レギとマスクの隙間が結構びりびり痛みました。

さらに真夏の利島。ドリフトの後、安全停止中に船が迎えに着たので、全員で浮上を開始しました。そして気付いたのです。水面から50センチほどの深さまで の間に、無数のクラゲが充満していることに。ほとんどクラゲの隙間に海水があるようなありさま。こんなところではとてもじゃないがスノーケルは咥えられな い。クラゲ層ぎりぎりのところを潜泳してボートに近づいて、なるべく水面に浮かぶ時間を短くしてとっととエキジットしました。それでもかなりびりびり来ま した。

まあ普段、フィンのひと掻きで彼らを殺戮しているかもしれないダイバーとしては、たまにこんな報復をされるのも仕方ないのかも?

キタミズクラゲ  Aurelia limbata
キタミズクラゲ
石浜 5月

東北から北海道にかけては普通のクラゲ。かさの縁の色がちょっと違います。
ちなみにこの時、石浜の水温6℃。さらにちなみに西伊豆は19℃。八丈島は22℃。沖縄は24℃。ほんっでもって羅臼はー1℃、積丹は7度。
こんなに狭い国なのに、面白いですね。


(左、右とも)石浜 7月

久しぶりに見たのですが…傘の真ん中に穴??
どうなってんの?


(左、右とも)志津川 3月

志津川で見つけた、中々よいサイズの個体です。
絞って撮ろうと思ったら光量不足で、撮りなおそうと思ったら今度は時間が無いときた。


セコクラゲ  Solmissus marshalli

青海島 5月

何やらシンプルな見た目で、ちょっと只者じゃ無さそうな雰囲気のクラゲでした。
2017年の青海島には結構流れてきていたようです。

本来は外洋生でクラゲなどを専食するのだとか。


キタユウレイクラゲ  Cyanea capillata
キタユウレイクラゲ
羅臼 10月

北の海の超でかいクラゲ。ちなみに北の海にはあまり毒のある生物はいないのですが、このクラゲはかなり危険です。


(左、右とも)羅臼 10月

上のような感じでカサを上下させて泳ぎます。この日は30センチくらいの個体が数匹見られました。
ちなみにもっと北の方だと、2メートルを越えるような個体もいるとか。



(全て)羅臼 3月

春先に見たものですが、10月に撮影した個体よりかなり小ぶりで、触手も控えめです。
あと、クラゲの仲間としてはかなり運動量が豊富なように見えます。
カサ全体を大きくばっさ、ばっさと動かして泳ぎます。


羅臼 3月

人間の頭と比べてみると、結構な大きさであることがわかります。


アカクラゲ  Chrysaora melanaster
アカクラゲ
羅臼 8月

典型的毒クラゲ。見た目も目立つ色合いで毒々しい。
ドライスーツ着てるダイバーにはあんまり怖いものじゃないけど、海水浴中には見たくないです……。


青海島 4月

春の青海島にもたくさんいます。
やっぱり毒々しい色合い。


エチゼンクラゲ  Stomolophus nomurai
エチゼンクラゲ
(左、右とも)積丹半島 1月

2002年、2003年と連続で大発生して、文字通り日本海から三陸沿岸を大群で蹂躙したクラゲ。
写真のものは、左に写っているダイバーと比べて分るとおり、それほど大型ではありません。
佐渡島で傘の直径2メートルほどの、まさに唖然とするほどでかい個体も見たことがあります。
食用になるはずですが、こんなに多いとありがたみもないのかも。

ちなみに30年前の図鑑にも、「多数産して漁夫の網などに被害を出すことがある」と記述されているので、最近の大量発生も、もしかしたら昔からよくあるこ となのかもしれません。


(左、右とも)七つ島 10月

2005年もこのクラゲの当たり年で、例年の数倍の発生が予想されていました。例年どうなのかはわかりませんが、石川県輪島沖にある七つ島では、確かに大 量のエチゼンクラゲを見ることができました。移動中のボートからも数えられるほどです。
しかし、以前佐渡で見た個体よりも、ちょっと小〜中型の固体が多いような。
ちなみに福井県はこいつを「大型クラゲ」と呼ぶことを主張しています。


サカサクラゲ  Cassiopea ornata

(左、右とも)八重山諸島 10月

ひっくり返って砂の上で過ごすという変わったクラゲ。
たまに泳ぐのだそうです。というか、これじゃほとんどイソギンチャク?
半端ぶりがオヨギイソギンチャクといい勝負です。


カミクラゲ  Spirocodon saltator
カミクラゲ
石浜 2月

小型のクラゲ。日本固有種らしいです。
割と綺麗な姿をしています。


(左、右とも)志津川 3月

カミクラゲの「カミ」とは、触手が髪の毛のように見えることから来ているのだそうです。
確かに細く長く、かつ数が多い。


カラカサクラゲ  Liriope tetraphylla

青海島 5月

小型のクラゲです。
4本の長い触手と、傘の真ん中に柄? みたいなものが伸びてます。
本当にカラカサな感じです。
上向きの触手も4本生えているそうなのですが、よくわかりません。


ドフラインクラゲ  Nemopsis dofleini Maas

志津川 7月

本州から四国にかけて普通に分布している小型のクラゲ。
触手が千切れてしまったカミクラゲではありません。
水族館にもいるとか。


ツリアイクラゲ  Amphinema rugosum

青海島 5月

触手が片方切れてしまっていますが、本来は2本の触手が特徴的なクラゲ。
傘の大きさが5mmほどで、浮遊しながら写真撮るのはかなりきついですが、薄ピンク色の内蔵が透けて見えるため、若干見失いにくいです。
若干ですが。

しかしぱっと見、容器の中に脳が入ってるみたいで、何か昔のSFに出てきそうな姿です。


カギノテクラゲ  Nemopsis dofleini

(左、右とも)羅臼 9月

藻場でよく探すとたまに見つかる小型のクラゲ。
小さいけれど毒は強烈で、非常に痛いとか。痛いだけではなく全身症状を引き起こすこともある危険なクラゲのようです。


シャンデリアクラゲ  Manania uchidai

羅臼 8月

海藻などに固着して生活している変わったクラゲ。しかしクラゲというよりは殆どヒドラです。
ちなみにくっついていたのは羅臼昆布。


羅臼 7月

どうやら、北の海で水温が上がってくると、こいつらも大発生するようです。
藻場で海藻を観察すると、それはもう死ぬほど見つけることができます。


トガリテマリクラゲ  Mertensia ovum

(左、右とも)羅臼 3月

北極海にだけ生息すると思われていた、クシクラゲの仲間だそうです。
流氷に乗って、さらに北の海から流れてくるのかも知れないのだとか。


羅臼 3月

このクラゲは、大体いつもエビを捕らえて消化しています。
上の写真は、まだエビの目玉が比較的明瞭に残ってます。



羅臼 5月

30m前後の深場で撮った写真です。
流石に5月だと個体数も多くはありませんでした。


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