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CEPHALASPIDEA 頭楯目
SACOGLOSSA 嚢舌目
NOTASPIDEA 背楯目
ANASPIDEA アメフラシ目
ミスガイ Hydatina
physis
(全て)大瀬崎 5月
美しい貝殻を持っていますが、一応ウミウシの仲間です。
この貝殻のせいで一時期珍重されたとか。
だけど軟体部もかなり綺麗です。
伊豆半島以南の砂泥地では、すごく普通に見られるそうですが、私自身はそんなに見た覚えはありません。
ちなみに上の写真を撮ったときは、ちどり前の浮き桟橋下に大発生してました。
カラスキセワタ Philinopsis cyanea
(左)石浜 8月 後ろから
(右)石浜 3月 前から
右の個体は透明度が悪い日中、左の個体は夜の砂地を徘徊していました。石浜はウミウシが多いので食料には困らないでしょう。
ところで左の写真を撮ったとき、ナイトダイビング中にもかかわらす私の水中ライトは電球が切れ、ビデオライトはバッテリーが上がり、ストロボと電源の
LED以外の照明は無い状態になってました。
ちなみにこの時のダイビングは、砂地から出ないという約束で、参加メンバーはそれぞれ勝手に被写体を探すというもの。もちろんガイド氏もカメラ持参。
一人で夜の海中で真っ暗というのは、なかなかできないし、したくもない体験ではありましたが、石浜のナイトはぎりぎりまでライトを点けないというのが習慣
になっているため、そんなに慌てずに済んだというところもあります。
(ライトをあまり点けないのはダツが多いからという話も聞きました。私はダイビングポイントでは見たこと無いですが、石巻で釣りなどしているときに、夕暮
れ時になると、海面近くを1メートル近いダツが何匹かゆらゆらと泳いでいるのを見たことがあります。あんなのに突っ込んでこられたら洒落になりません)
まあナイトダイビングでは、知り合いでもっと危ない目にあったのもいます(初心者バディと一緒のときにタンク外れた)。これからナイトダイビングするとき
はライト3本持って入ることにしましょうか?
大瀬崎 6月
これはかなり大きな個体でした。
最初は砂の上に露出していましたが、写真を撮っている間にじわじわと砂に潜っていきます。
エゾキセワタ Melanochalamys
ezonensis
石浜 8月
なにやらまっ黒けっけでカノコキセワタガイみたいな形。砂に潜ったり、行動も似てます。
最初はクロボウズ(Nakamigawaia sp.)かと思いましたが、何かちょっと違う。
結局特に決め手が無いまま、エゾキセワタっぽいということにしました。
石浜 8月
石浜でも志津川でもかなりありふれた存在でした。
砂地よりは砂地とゴロタの際のような場所の方が見つけやすいです。
ムラサキウミコチョウ
Sagaminopteron
ornatum
熱海 7月
これも以前は激レアとか言われていましたが、なんかあちこちで観察されているようです。
確かにどっちが前だか後ろだか、色もちょっと他では見かけない、高貴?な感じです。
柏島 5月
深場のピグミーシーホースからの帰りに見かけた個体です。うんこしてます。
他にもあちこちで見かけました。しかしいずれも20m前後で、生息域は結構深いようです。
キイロウミコチョウ Siphopteron
flavum
(左、右とも)川奈 3月
伊豆のあちこちで春先に目撃されます。
浮島とか有名ですが、この時期の川奈でもよく見かけるみたいです。
クリオネみたいに水中を羽ばたいて泳ぎます。コチョウというのは「胡蝶」のことか?
コノハミドリガイ Elysia
ornata
八幡野 2月
「なんとかミドリガイ」の中では最も一般的なものらしいのですが、初めて写真に撮れました。
カメラ持ってない頃には何度も見たような気がするのですが。
田子 4月
田子の造船所前という、泥地のポイントで見つけた個体です。
アメフラシと見まごうばかりの巨大な個体でした。
アベミドリガイ Elysia
abei
伊豆海洋公園 4月
1番の根に行く途中のワカメの間にいました。こいつも泳げるのでしょうか?
タスジミドリガイ Thuridilla
glacilis
八重山諸島 10月
全身に白い筋が入ったミドリガイ。サンゴ礁のガレ場で見つけました。
見たのは秋ですが、冬から春にかけて普通に見られるとか。確かに上の個体はまだ小さい幼体のようです。
ハナミドリガイ Thuridilla
splendens
田子 6月
ミドリガイの中では、ずいぶん華やかな色彩の種です。
この日は比較的近い位置に2個体おりました。
田子 4月
春濁りの季節に見つけたものです。
以前見たものより大型で、身体もよく伸びています。
川奈 5月
この背中の白っぽい斑点がいつ見ても不思議。
よく見かけるのですが、たいてい近くに海草などの食料と思しきものが、あまり見当たらないことも気になります。
スイートジェリーミドリガイ
Thuridilla albopustulosa
黄金崎 1月
身体が青地に乳白色の不規則な斑紋、触角が赤いってことで、結構それっぽいとは思うのですが。
結構たくさんのダイバーに注目されてまして、順番待ちしてようやく撮影できました。
川奈 3月
黄金崎の個体よりは特徴がはっきりしています。
川奈では毎年定期的に現れるようです。
川奈 5月
こういう薄紫色の体色も本種の特徴らしいです。
ちょっと外套膜に傷がついているような。
アズキウミウシ Elysia
amakusana
田子 4月
地味な体色で見つけにくいのですが、触角と尾の先端が青くなっているので見分けるのは容易です。
春濁りの白崎におりました。
クロミドリガイ Elysia
atroviridis
(左、右とも)広島湾 5月
海藻の胞子やら崩れた切れ端などで強力な春濁り状態になった広島湾のあちこちで普通に見られました。
触角が黒く、尻尾には色が付かないのが見分けるポイントだとか。
広島湾 5月
こんな風に、背中の外套膜がダブついているのも特徴みたいです。
セトミドリガイ Elysia
setoensis
広島湾 5月
クロミドリガイかな、と思ってたのですが、触角が黒くないですね。先端だけちょっと濃い色になってます。
体側はよく見えませんが、白い斑点がちらほら見えるのでどちらかといえばセトミドリガイのような気もします。
ちなみにこの写真を撮った藻場には、コノハミドリガイもいました。
ヒラミルミドリガイ Elysia
trisinuata
(左、右とも)志津川 10月
擬態がかなり強烈なウミウシ。
普通種なのですが、見つけるのはかなりつらいです。
志津川にはヒラミルがたくさんあるのですが、初めて見つけました。
しかし、じっとしていると本当にミルと見分けが付きません。
志津川 4月
志津川は本当にヒラミルの多い場所で、注意して見ればこいつらは容易に見つけることができます。
上の写真はちょっと大き目の個体です。
竹浦 7月
女川のヒラミルミドリガイです。石浜にはあまりヒラミルがいなかたのですが、竹の浦は割とあります。
この写真は2017年ですが、久しぶりに見ました。
ミドリアマモウミウシ Placida
dendritica
川奈 3月
ミルにくっついていた極小ウミウシ。
つーか、ガイドさんに教えてもらったのに、水中ではわかりませんでした。
ミルを見つけたるたびに丹念に探しても、見つけられないかも。
(左、右とも)志津川 8月
見つからないなんて上で書きましたが、志津川のハイミルの上にはやたらとたくさんおりました。
色も微妙に分かり易いのですが、しかし小さい。むちゃくちゃ小さい。
クローズアップレンズ付けても今度はストロボの光が……。コンパクトデジカメではこの辺で諦めておくんでしょうかね。
志津川 3月
これはEF100mmにイノンの2倍クローズアップレンズを付けて、さらにトリミングしたものです。
というかね、小さすぎてピント合ってるかどうかわかりませんでした。
しかしこの種は志津川だと1年中いますね。
ツマグロモウミウシ Placida
cremoniana
石浜 12月
すっかり丸まっていますが、この直前までは触角を出してうろうろしていました。
かなりの小型種。ちなみに背景は「網」です。網を構成する糸の上に乗っかっています。
大きさは5ミリくらいでしょうかね。
黄金崎 6月
身体を伸ばして移動するとこんな形になります。
伊豆で見たのは初めてですが、やっぱり小さい。すごく小さい。
クロモウミウシ Aplysiopsis
nigra
川奈 4月
黒地に白線の模様がなかなか渋い。触角の曲がり具合が、悪魔の扮装をするときにかぶる帽子みたい。
水中だと、一瞬スミゾメミノウミウシかと思ってしまいます。全然違うけど。
川奈 5月
砂地をうろうろしていた個体を見つけました。砂地というかウミヒルモの繁茂している場所です。
この種が多いのはウミヒルモの場所ではなく、ゴロタ上部の、もっと海藻が繁茂している場所で、繁殖期と思われる時期には、どこにこんな数の個体が隠れていたのか、と驚くほどにクロモウミウシだらけになります。
まあ普段どこにいるのかわからないけど、実はたくさんいるというのは、ウミウシにはありがちなことですが。
ヒメクロモウミウシ Aplysiopsis
minor
(左、右とも)浮島 4月
水深2mほどの水中をふわふわと漂っていたものを、捕まえて海底の海藻の上に留まらせたのが上の写真です。
クロモウミウシにちょっと似ていますが、背中の突起の模様が異なります。
あと、触角の根元の眼の部分が白くなっています。
割と小型の種類。
トウヨウモウミウシ Aplysiopsis orientalis
川奈 5月
川奈ビーチのゴロタ上部に繁茂する海草の間には、5月頃になるとクロモウミウシが大発生するのですが、時々こいつが混じってます。
なにせクロモウミウシがめっちゃ多いものですから見落としがちなのですが、よく見るとぜんぜん違います。
アリモウミウシ Ercolania boodleae
石浜 3月
非常に小さくて見つけにくいウミウシ。
背中の突起は基本的に黒くて、先端が朱色になってます。たまに朱色じゃない個体もいるとか。
小さくて地味な色なので、写真を撮りながら見失ってしまうこともあります。
(左、右とも)石浜 5月
相変わらず小さい。しかしこのときは2倍テレコン装備だったので若干マシ?
しかしテレコンは暗いしピントは厳しいしで大変でした。
上の写真は2個体写っています。おそらく交尾体勢かと。
しかしこの広い海の中でこんな小さな個体同士が出会えるとは。すごい不思議です。
ハナアマモウミウシ Hermaea zosterae
志津川 1月
ぱっと見、ウミウシなのかどうかよくわかりません。
まあウミウシにはありがちなことですが。
ちなみに上の写真は、北限で交尾中というものです。
ノトアリモウミウシ Hermaea noto
志津川 4月
ハナアマモウミウシと色的には似ています。背中の突起の大きさが違いますが、見分けるポイントはそこじゃないみたい。
てゆうかどうやって見分けるの? 色々検索してみましたが、今は全部ノトアリモウミウシ?
ウミフクロウ Pleurobranchaea
japonica
石浜 1月
冬から春先に、アメフラシなどと一緒に大量発生します。渋い外見です。
食料を食いまくった挙句に、夏ごろにはみな死んでしまうのでしょうか、ぜんぜん見かけなくなります。
石浜 1月
あんまり多いので、久しぶりに撮ってみました。
なんでもかんでも食べるので、海の掃除屋扱いらしいです。
でもヒトデほど大食漢ではないみたい。
プレウロブランクス・マミラートゥス
Pleurobranchus mamillatus
(左、右とも)三保 7月
馬鹿でかいフシエラガイです。だいたい30センチ以上はあります。通称マミちゃん?
基本的には南方種で、伊豆諸島や串本、沖縄では結構目撃例が多いようですが、伊豆では稀少種です。
上の写真は、2009年6月末から三保で突然観察された個体群です。(こんな風に大量に観察されるのは7年ぶりだとか)
色彩変異は多いですが、ピンクの斑点は共通っぽいです。(無い場合もあるようですが)
三保 7月
最初の写真とは異なる、交接中のカップルです。模様がまるで違う上、背中の突起が少なくなってますが、この突起は出てきたり引っ込んだり、結構変化が激し
いです。
三保 7月
これは単独でうろうろしていた個体。
希種だというのに、何の拍子でこんな風に集まってくるのでしょうか?
そもそも普段は何処にいるの?
南のほうには普通にいるようなので、無効分散の類なのでしょうか。
三保 7月
交接中の個体の近くにあったので、彼らの卵と思われます。
川奈ではこの卵だけの目撃例があるとか。もちろん成体がいてもおかしくありません。
カメノコフシエラガイ Puleurobranchus
hirasei
大瀬崎 1月
おおっと、デート中でしたか。失礼。
しかし繁殖期以外は見かけない生き物って多いです。
ベルセッラ・カリフォルニカ Berthella
californica
石浜 2月
色以外はまるっきりフシエラガイ。泳ぐそうですが、見たことありません。
ちなみにずっとシロフシエラガイだと思ってましたが、シロフシエラガイだと背中に網目模様があるようです。
これは白い点々なので、区別できます。
石浜 12月
石浜では相変わらず普通に見られます。
そろそろ和名付いてもいいような気がするのですが。
志津川 7月
ちなみに志津川にも普通にいます。
繁殖シーンもいつでも見られるような気がします。
タツナミガイ Dolabella
auricularia
大瀬崎 2月
ものすごく地味な体色と体つきで、目立たないことおびただしい。冬から春にかけてよく見かけますが、夏になると白い屍があちこちに転がるようになります。
アメフラシ Aplysia
kurodai
(左)石浜 2月
(右)大瀬崎 3月
晩秋から現れて、春までに海藻を食いまくって巨大化し、夏にはみんな白くなって死んでしまう。こういう1年ものの生き物ってなんか儚げ。
左のは産卵中。まだうみそうめんが縮れて太いです。
ゾウアメフラシ Aplysia
californica
銭州 5月
でっかくてエグい模様のアメフラシ。こいつって嫌いな人はすごく嫌でしょうね〜。
私は伊豆半島では見たことありません。というか銭州名物かと思っていました。
実はIOPあたりにもたくさんいるようです。
クロヘリアメフラシ Aplysia
parvula
南勢 4月
背中のぴらぴら(側足?)の縁が黒くなっているのが特徴の小型アメフラシ。
昔、大瀬崎のナイトダイビング中に、あんまりこいつが多いので、みんなでブロックの上に集めてみたことがありました。
20匹以上集まったと思ったのですが、なんとも壮観というかちょっとグロかった(^^;
石浜 12月
冬場の石浜は、こいつをはじめアメフラシが大量に発生しますが、でも餌になる海藻がほとんど無い……?
本来は春から梅雨時の時期に産卵、発生する生物なような気がするのですが。
伊豆だと冬場にカジメやワカメとかにょきにょき生えるので、冬に繁殖する理由はなんとなく分ります。
東北で真冬に産卵するアメフラシは頭がおかしい、という意見もありましたが、果たして。
ちなみにウミソウメンもヒトデやウニに喰われまくってました。
浮島 4月
もともと小型種ではあるのですが、このときの浮島では、かなり小さな個体が多数見られました。
まだ子供ってことでしょうか?
ちなみに春先の浮島ビーチは、餌となる藻類はそこそこ豊富です。
(反面、磯焼けして何もいない場所もありますけど)
フレリトゲアメフラシ
Bursatella leachii
(左、右とも) 三保 11月
例の三保の深いカケアガリの途中にいました。
ダイビング開始直後の潜行中で、海底に落ちているゴミだと思って手をついたら、ぐにゃりと妙な感触があって、よく見るとこいつでした。
三保の海底にいると、本当にゴミか何かと見分けがつきません。
右の写真がちょっとエビ反っているのは、私が触ったせいで海底から離れてしまったためです。
三保 11月
水深10m前後の砂泥地が生息域ということで、三保はまさにズバリそのものです。
ちなみにこいつを見かけたのは行きの道中だったので、もう少しましな姿を撮りたくて帰りにも探したのですが、見つけることはできませんでした。
青海島 12月
青海島の紫津浦というところはちょっと三保に似ていて、細かい泥地が広がっているポイントです。
そういうわけで本種もいるのですが、かなり見にくい(笑)
フウセンウミウシ Notarchus
indicus
沖縄本島 7月
背中から海水を吸って丸くなるウミウシ。水を噴出して転がって逃げるそうなんですが、見たことはありません。
上の写真は砂辺のタイドプールで撮ったもの。クソ暑い中水面に露出してましたが、日光で健康を害したりしないのでしょうか。
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