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大連市海鮮事情
大連市の某料理店にて
先に断っておきます。ダイビングと関係ありません。すみません。素でも潜れませんでした。
知人(中国人)の結婚式に出席するために、中国は大連に行ってきました。
大連は、山東半島と朝鮮半島に囲まれた、「黄海」と呼ばれる海域に突き出た、遼東半島の先っちょ付近にある港湾都市です。
日露戦争での激戦地となった旅順も、大連に含まれます。
位置的には、日本から見てちょうど朝鮮半島の向こう側。
緯度的には岩手県の盛岡と同じくらい。いわゆる旧満州ですので、冬の寒さは言語を絶するほどになるようです。
本当は潜りたいのも山々だったのですが、時間が足りなかった関係で事前の下調べ何にもできず、まあ海鮮料理食って水族館に行く程度のことしかできなかった
のです。
2006/10/14
細かいことは省略しますが、夜に地元中国人の案内で海鮮料理屋に行きました。「大清花」という、清朝時代をモチーフにしたレストランです。ちなみに中国全
土に展開しているチェーン店です。
レストランの店先に並んでいた食材が、タイトルの写真です。
真ん中にいる丸っこい魚、ホテイウオらしいです。でも腹ビレのところがちょっと違うような…。
左はタチウオ、手前はイシモチ、右はシタビラメとヒラメ、奥はマナガツオ、左奥はなんだろ?
渤海はどうやら、日本海と結構近い生物層で構成されてるのかもしれません。
ちなみに渤海には黄河が流れ込んでおり、基本的にはあんまり透明度のよい地域ではないようです。
これも同じ料理屋にあったウニ。この後、無謀にも生食したのですが、とりあえず平気でした。
しかしこれって…ツガルウニ? とりあえず日本ではあまり食べない類であることは間違いありません。
ちなみに牡蠣も売ってました。
余裕が無くて頼めませんでしたが、たぶん炒め物か何かにするんでしょうね。
黄河の栄養を吸った牡蠣ってのも美味そうです。でも最近だと、やばい物質も多く含んでるかもしれませんが。
さていよいよ料理です。
これはアワビの炒め物。豪快に殻つきのまま炒めてます。しかし、日本に比べるとサイズがちょっと小ぶり。まあ値段も1桁安いんですけどね。
最初トコブシかな? と思ったのですが、殻の形が明らかに違いました。
よく火が通っているのか、殻からも簡単に外れて食べやすく、美味しいものでした。
これはナマコの炒め物。ガラパゴスのログの所でも書きましたが、場所によっては暴動の原因になりかねない高級食材。ついに本場で食する時がきました。(ナ
マコの煮物などは既に沖縄の北谷で食べてる)
最初に見た印象は、「ち、小さい…」。どのナマコも私の親指よりちょっと大きいほどのサイズしかありません。三陸や北海道の海底で見るナマコの4分の1程
度です。こんな子ナマコ食っていいんか? と思いつつも全部食べました。
たぶん干しナマコだと思われます。腹を切ってワタを出してから干して、また水で戻したのでしょう。歯ごたえは結構ありました。もちろんナマコ自身の味はも
ともと無いようなものですから、歯ごたえ命です。結論から言えば美味しかった。うむ。
大連はナマコの名産地らしく、上のようなナマコの広告があちこちにありました。
しかしナマコがサングラスしてサッカー……。どうしてこんな組み合わせを敢えて広告にするのか。やはり中国は深い。
ちなみにこのお店で一番印象に残ったのは、サバの餃子です。目からウロコの美味さでした。
2006/10/15
知人の結婚式でたらふく白酒を呑んでもうふらふら。ちなみに白酒とは日本で飲んでいるような甘い濁り酒みたいなものではなく、米や高粱から作った強烈な匂
いの、中国独自の透明な蒸留酒です。アルコール度数は40〜60度。祝いの席では、これを小さなショットグラスで何度も一気飲みします。中国で商売しよう
とする日本人は、最初の宴会で大概これにノックアウトされるようですが、呑み助ダイバーが負けるわけにはまいりません。
私のテーブルには日本人三人、通訳二人、他は中国人七人でしたが、五糧液という白酒をボトルで4本開けました。ちなみに中国人の中には、白酒が苦手なので
ちょっとパス、という方も二人ほどおられました。
しかしなんというかこの白酒、慣れるというか酔っ払うとだんだん美味くなってきます。
中国人とも仲良くなりました。うへへへ。なんかちょっと記憶飛んでます。
そしてふらふらのまま、結婚式場のホテルを後にして、「老虎灘極地海洋動物」に向かいます。もちろんタクシー。
とりあえず酔い覚ましにイルカショー。ちなみにイルカの方は、日本の「太地町立くじらの博物館」から売却されたものです。渤海にはあまり居ないのかな?
シロイルカの方の素性はわかりませんでした。中国語でなんか書いてありましたが読めません(泣)。
さて可愛いイルカのショーが終わっていよいよ展示に行きます。
しかし。あえて大きな写真にしますが。
ウ、ウミガメをこういう状態で飼育するの? しかもこの背中に乗ってるのって人民元のお札? お客さんが乗せたものっぽいですが。
どうやらカメは縁起物らしいのでこんなことになってるようですが、も、もももももしかして動物○待?
奥にある、とりあえず並べてみましたって感じのサンゴもすごいですが。
まあここは大陸ですから細かいことは気にしないとして。白酒の飲みすぎで酔っ払って見た幻覚かもしれませんから。その場合、上の写真は私が撮った念写ということで。
さて、カメのいた水槽は2箇所ばかりあったのですが、その一つに、どこかで見たような魚が泳いでました。
こ、これはフサギンポ? なんでこんなところに? でも緯度的にはいてもおかしくありません。
こんなふうに水槽のにぎやかしみたいに入れられているということは、おそらく大連近海で捕らえられたのでしょう。
さらににぎやかしの魚たち。イシダイとスズキの若魚です。こいつらもたぶん大連近海にいるのでしょうね。
日本で言えば、東北、北陸の日本海のような生物層が想像できます。まあ実際に見てはいないのですが。見たいなあ。
さてこの夜は、満州族の田舎町をモチーフにしたテーマパークみたいなレストランに行きました。「百姓村」という所です。大連ではちょっと名が知れている、
御粥で有名なお店のようです。
ちなみに私は中国2回目です。前回は20世紀の頃です。安徽省(三国志で有名な曹操の故郷です)にある、「黄山」という山に登ってきたのです。
(ちなみに行ったきっかけですが、知り合いの中国人が富士登山をしてきまして。「日本一の山に登ってきたとは大したやつだ。じゃあ俺も中国一の山に登って
こようか。中国一の山を教えてくれ。ちなみにエベレスト近辺は中国の文化圏じゃないからパスね」と言ったら、「中国一の山とは、黄山だよ」とのことでした
ので。詳細は述べませんが、実際行った感想は、正真正銘漢民族文化圏の聖地というか、圧倒されました。ありゃ仙人いますよ。うん)
さて安徽省は内陸なせいなのかなんなのか、毎食カエルが出てきました。
そしてここ大連にもいました。食材のカエル。
これってウシガエルじゃ? なんだ日本と同じか。
安徽省では黒い斑模様が浮き出たカエルがぶつ切りの炒め物になってましたが、大連のカエルなら普通に食べられそうです。
まあ食べませんでしたが。
この日のお粥と鍋料理も大変美味でした。
2006/10/15
最終日、みやげ物の買出しに大連のマイカルへ。大連ではかなり上等な部類のショッピングセンターです。買い物するのにいちいち交渉しなくてもよい場所で
す。そう考えると中国ってずいぶん近代化されましたね。
ここで驚いたのが、乾燥食材売り場に並んだナマコ。そりゃもう延々とナマコ。果てしない干しナマコがガラスケースに入って並んでいました。
中国人は世界中からナマコを買い集めているらしいですが、そりゃそうだと納得できる量でした。
先日、日本でも北海道でナマコの密猟団が摘発されて、その模様がテレビで流されてましたが、あの密漁団も中国向けに売りさばいてたようですね。ううむ。
まあナマコは美味しいってことで。